ニューヨーク・エスニック&ワイナリー訪問記(2000年)

日程&航空券

(2000年11月)
2000/11/1 成田-ニューワーク
11/5 ニューワーク-ニューオリンズ
11/6 ニューオリンズ-ヒューストン-成田

コンチネンタル航空 アメリカ東海岸周遊 63,000円(有楽町JTBにて購入)

ニューヨークのエスニック料理

新宿の職安通りようなところがそこら中にあると表現したらいいのでしょうか、ニューヨークには移民の街があちこちに存在します。ニューヨークは人種のるつぼではなく、人種のサラダボウルだといった人がいますが、なるほどなあと思います。つまり、民族がごった混ぜになって生活しているのではなく、各民族ごとに住み分けられているんです。

マンハッタンのミッドタウンの韓国人街、カナル通りのチャイナタウン、イーストヴィレッジのインド人街などはその代表格。クィーンズやブルックリンなどに目を向ければ、「リトル・オデッサ」と呼ばれるロシア系ユダヤ人街や、髭面に黒いコートを着た姿で知られる超正統派ユダヤ教徒の街など、もっとディープなエスニック・タウンがあります。

アフリカやアジア諸国からやってきた新移民によるレストランもたくさんあります。セネガル、エリトリア、アフガニスタン、チベット…。本国にはなかなか行けないけれど、ニューヨークに行けば、その国の料理が食べ歩きできてしまう。何てすばらしい街なんだ~、と思ってしまう瞬間です。

また書店には、いわゆる各国料理のレシピ本がおびただしく並んでいました。本棚3,4つ分にはなっていたかな。ブルガリア、サハラ、ポーランドなんてレシピ本も珍しくありません。何冊か購入しましたが、印象的だったのは、「エリス島の移民のレシピ」という本。19世紀末から20世紀はじめにかけて移民局のあったエリス島を通ってアメリカ大陸にやってきたヨーロッパ各国の移民のレシピを集めたもので、まさにニューヨークならではの本です。

ニューヨークで食べ歩いたエスニック料理


カーネギー・デリカテッセン(ユダヤ料理)
有名なジューイッシュ・デリ。名物のコンビーフサンドイッチも、ニューヨーク・スタイルの濃厚なチーズケーキもビッグサイズ。さすがアメリカ。味はまあまあ。ちなみにコンビーフといっても日本の缶詰のようなものではなく、見かけはローストビーフっぽいのです。ここの店員はチップを絶対に受け取りませんでした。

コムタンハウス(韓国料理)
コリアン街の中にある、たしかJTBでもおすすめしていた店。ランチはキムチ数種が前菜として、またオレンジが食後に出てくるサービスつきで、チップ込み8ドル(定価は6ドル95)という安さ。しかも美味!前菜のキムチが食べ放題など、日本の韓国料理店よりも、本場スタイルに近いのです。

イタリア料理
シューバート劇場の関係者のおすすめ。おいしかったです。東京と同じで、おすすめレストランは、地元の人に聞くのが一番です。値段はそれなりでしたが、フェットチーネなどパスタは手打ちでした。

リトル・サイゴン(ベトナム料理)
ヘルシーなベトナム料理はニューヨークでも人気。ここは劇場街に近いレストラン・ロウと呼ばれる一角にあるお店です。生春巻き、バインセオ、しょうが入りアイスクリームなど。1人20ドルと、このあたりのレストランの中ではお手ごろ(チャイナタウンに行けばもっと安いのですが)。なかなか美味。ただ、ベトナム人らしき店員がややこすっからい感じがしました(まとめて注文しろ、とか)。

ヴィクターズ・カフェ(キューバ料理)
ランチでもランチメニューがありませんでした。メインディッシュは16ドル以上と高いお店。バナナの皮をひいた豚のまる焼きと、魚。前菜はタロイモのコロッケ。サングリアがおいしいのですが、ピッチャーで27ドルという高さ。2人で飲みきれないのに止めなかったり、繁華街で古くからある店だが、場所柄、儲けに走っている感じのお店。キューバ料理ってもっと安いはずでしょう、なんて思ったり。味はまあまあでした。

ミュージカル

リヴァーダンス (11/1 ガーシュウィン劇場)
ニューワーク空港からタクシーを飛ばして(チップ、トール込みで50ドル)、106丁目のYAAJに急いでチェックインをして劇場街のTKTS(当日半額チケット売り場)にかけつけました。開演30分くらい前に到着。並ばずに買うことができました。初日は肩ならしに、会話ナシのダンスショー「リヴァーダンス」を観ることに。42.5ドル。ぎりぎりに買った割には、前の方のいい席だった!(TKTSは、早く並んだからといって、いい席が回ってくるとは限らないのです)。

日本でも上演されたショーで、ひたすらアイルランドのタップダンス。大箱の劇場でやるのにふさわしい、群舞がメインになっています。若いキャストによる迫力のある舞台とは思いましたが、あまり思い入れは持てませんでした。どこか田舎臭いというか…。すでに人気のピークを過ぎたショーだったからでしょうか。

キス・ミー・ケイト (11/2 マーティン・ベック劇場)
シェイクスピアの「じゃじゃ馬ならし」を劇中劇に、別れたミュージカル役者夫婦の焼けぼっくいに火がついて…というお話。音楽はコール・ポーター。ブライアン・ストークス・ミッチェルとマリン・マッジという、「ラグタイム」のトニー賞コンビによるリバイバルで、やはりショーを背負っているのは2人でした。ブライアンは歌も演技もものすごくうまかったです。カリスマ性と迫力があるというか。シェークスピア劇の主役という貫禄もありました。この作品でもトニー賞をとっています。マリンもおとなしい前役とはまるで違ったコメディーを(ややオーバーですが)熱演していました。二人とも歌はちょっとしたオペラ風。

「So in Love」などは聴かせせどころ(裏切られて、傷つけられ、それでもあなたをこんなに愛しているという切ない歌)。ただ、ちょっとお下劣な演出だったかな。でもほかの配役もまあまあよかったと思います。大変によい席でした(同行者のお友達のツテ。シューバート・オーガニゼーション関係者だそうで、シューバート劇場の上の事務所でその場にいた会長とお話させていただきました)。

ザ・ミュージック・マン (11/3 ニール・サイモン劇場)

古きよき時代の下品さのない、子供にも安心して見せられるミュージカル。メレディス・ウィルソンのロングラン・ヒット作のリバイバルで、詐欺師の楽器売り役のクレイグ・・・・がとてもいい。これがブロードウェイ・デビューだそうですが、信じられないほど。カリスマ性、演技のうまさ、セックスアピール(たぶんあのにっこり笑顔はおばさまにモテるだろう)があって、予想以上によかったです。オペレッタのように品のある、そして動きのあるステージング(スーザン・ストローマン~今、ノリに乗っている人。同年度のコンタクトはトニー賞を受賞)、そしてフィナーレのアメリカ万歳的な「76本のトロンボーン」のシーンは、もっていきかたがうまくて泣かせるのでした。

相手役のレベッカ・ルーカーは仕事のとぎれない人ですが、そんなにいいかな?歌はたしかにうまいけど・・・。いかついし、細身だし、あまり主役を張るカリスマ性が感じられないのだけれど…。と、それはともかく、席は前日劇場で買ったのだけれど、とてもよい席だった(1席ぽかっと空いたらしい)。

●11/4(土曜日)は、私にとって史上初、1日4連チャンのミュージカル鑑賞を敢行したのでした。後半は疲れてほとんど死んでました(–;。

ザ・フル・モンティ (ユージン・オニール劇場)2時~
まずはこれ。アカデミー賞にノミネートされた同名の映画をもとにしています。オープンしたばかりだが、立ち見が出るすごい人気になっていました。ニューヨーク州バッファローに住む失業した、またコンプレックスを持った男たちがやむなくオール・ヌードのストリップ公演をするというお話。子供や妻といった家族との確執、さえない男たちがラストの舞台で輝く姿がドラマチックで、とてもよくできた作品でした。どうやってオール・ヌードになるのかは・・・ネタばらしになるからここでは内緒。

テレンス・マクナリーのこれまでの作品をほうふつとさせる、泣かせどころの持っていきかたや語り口のうまさはさすがです。「もちろん」、ゲイがらみのいきさつも出てきました。70年代のソウルっぽいサウンドなどを交えた音楽も悪くなかったです。きっと来年のトニー賞争いに顔を出す作品でしょう。これも席はとてもよかったです。

ところで、終演後の劇場前で、オフのクリストファー・ストリート(ニューヨークの新宿3丁目~ゲイの町)で上演中の「ネイキッド・ボーイズ・シンギング」というショーのビラを配っていました。こっちはホントのオール・ヌードらしいです。

ロッキー・ホラー・ショー (サークル・イン・ザ・スクエア劇場)5時~
最近オープンしたてのショーで、満席でした。土曜日の公演が5時と9時半とイレギュラー。まあ軽いノリで観ましょう、という感じです。フランク博士役がデブでダメ(どうもオリジナル・キャストのティム・カリーのイメージがつきまとってしまうせいもあるのですが)。演出はかなりお下劣で、しかも途中でだれてしまう…。ただサイド・キャストはなかなかよかったです。「レント」でトニー賞候補になったダフィネ・ルービン・ベガは、わき役だったが魅力的。悪でパンクな魅力ね。アリス・リプリーもお嬢さんのジャネット役にはぴったりでした。お下劣な場面も熱演していました。リフラフ役はスウィーニー・トッドとキャバレーのMC役を混ぜたような雰囲気で、いい感じでした。

席は最前列で、しかも舞台の横。キャストとのからみやライブ感を味わうにはとてもいい場所です。以前ロンドンで観たときは、コスプレねーちゃんがいっぱいきていたのですが、アメリカでは客席で衣装をきたり、米を投げたりするカルトな客はあまりいませんでした(ただしセットは売っていました)。オープニングは、古びた映画館でキャストがロッキーホラー・フリークに扮するという演出でした。

スウィング! (セント・ジェームズ劇場)8時~
5時から7時くらいまでのロッキーホラーの後はスウィング!。お金がないのでバルコニーの後ろ、一番安い20ドル(プラス1ドル)の席を買いました。これは半額チケットのさらに半額の値段。で、1幕で出てきてしまいましたが(オフに行くので)、これで十分という感じ。しかも途中で寝てしまったのでした(いけませんね)。40年代のジャズと激しいダンスというだけで、何か新しい仕掛けがあるわけでもなく、前に観たことがあるような、平凡なショーという印象でした。

デ・ラ・グァーダ ~元ヴィーシャ・ヴィーシャ (ダリル・ロス劇場)10時~
ユニオン・スクエアに面したもと銀行だった建物を改造した劇場でロングランしている作品。現在はオリジナルのアルゼンチン・グループは残っていないようで、アメリカ人キャストに代換えされていました。まずお客は暗幕の張られた椅子のない暗い部屋に通されます。立ったまま鑑賞するとうわけで、まるでディスコのようです。そして何がおきるかどきどきさせられる間に、紙張りの天井でアクロバットの陰、風船や蛍光付きの玉が星空のように広がるなどのイリュージョンが展開します。

そのうち紙がやぶれ、バンジージャンブよろしくゴムに結びつけられたキャストが登場。すごいアクロバットを展開し、大量の水は降るわ、観客をかかえて宙を舞うわ・・・。時には観客のいるフロアに降りてきて客とからみます。部屋の空間全体が舞台になってしまうのです。エキサイティングで実験的なステージ。「ブルーマン」のように太鼓をたたいたり音楽のシーンもありました。

3つのショーを観た後に立ち見のショー、なんて相当きつかったんですが、おもしろくて持ちこたえることができました。ちなみに、キャストに抱えられるお客(ちょい年配者)は志願者で、200人ほどの地上の観客のもと、下着が丸見えだろうと気にしてませんでした。アメリカには盗撮なんかあるんだろうか、などと思ってしまった瞬間でした。

コンチネンタル航空

行きはニューヨーク直行のコンチネンタル航空を利用しました。B777はゆったりしていていい感じ。トイレの周辺も余裕がある。行きはすいていて、3席倒して横になれてラッキーでした。帰りのヒューストン線は、うしろの方の席だったのをゲートが閉まる直前に交渉したらエコノミーの最前席の通路側が空いていて、隣が空いていている席に変えてもらえました。ラッキー。

機内食もおいしい。帰りはエビのスカンピかステーキで、前者はフランス料理のシェフがほめたそう(と、日本人の添乗員みたいなよくしゃべる男性アテンダントさんがいっていました)。帰りのニューオリンズからヒューストンへの乗り継ぎ時間がたったの40分(でも予約はOKだった)で、しかも少し遅れたのであせりました。もしもっと遅れたらどうしていたのでしょうか?また預けた荷物は大丈夫なんだろうかなんて思ってしまいました。ニューオリンズのチェックインカウンターのお姉さんは涼しい顔だったけど・・・。でも、結局は無事に成田で預けた荷物をピックアップすることができました。すばらしい!(UAとは大違いだ)。

ただ、行きのアテンダントは行きはみごとに年配者ばかりで、紺色の制服(ださい)のせいか暗い感じだったのが残念でした。帰りはそんなことなかったです。どの便もオンタイム(行きのニューヨークは少し早く到着した!)だったのがうれしかったですね。

YAAJ (宿泊先)
前回に引き続き。1泊48ドル(朝食)と、10ドルも値上げされていましたが、まあまあいいチョイスではと思います。2人部屋を1人または2人で使えるなら!ドミトリーの部屋もありますが、これはつらいかも。利点は日本語でニューヨークのことを聞けること、情報交換できること、インターネットの日本語フォントが使えること、国際電話が安いこと、アパートなので何となく落ち着けることでしょうか。鍵を渡されて自由に行動できます。不便なのは混雑時の煩雑さ。マネージメントはちょっと閉鎖的な感じがしますが、しかたないですかね。

ニューヨークのワイナリー


ニューヨーク州は、カリフォルニア州に次ぐ全米第2位のワイン生産高を誇るそうです。で、インターネットにあるニューヨーク・ワイナリーサイトからハドソン川周辺にある近郊のワイナリーを探して、一番サイトに力の入っていたものの1つBenmarl Vineyard(マルボロ)に行ってみることにしました。よく調べないで、ペンステーションからアムトラックを使ってしまったのですが、グランドセントラルからメトロノースを使った方が安上がりだったようです(28ドルー19ドル往復)。しかもワイナリーに確認の電話もせずに、最寄り駅から乗り合いタクシーに任せて行く(ワイナリーまで22.50ドルー片道)というのも、あとから思えば無謀でした…。反省。まあ、何とか無事にこなせてよかったのですが。



ハドソン渓谷はもう紅葉は終わりかけていましたが、おだやかな天気に恵まれて、ちょっとしたドライブを楽しめました。そしてあてずっぽに選んだワイナリーではありましたが、ツアーつきで、家族経営の地ワインといったぬくもりを感じさせるいいワイナリーでした。有名なのか、平日にも関わらずひっきりなしに人がきていました。このあたりは全米でもっとも古いワインの産地だそうで、生産者の誇りもあるようです。

ツアーコンダクターは、親から引き継いでワイナリーを経営する傍ら、50年代からイラスト画家として、TIMEなどに挿絵を描いていたマークさん。かなり年輩と見受けたのですが、お元気そうで、熱心にワイナリーを案内していただきました。ちなみに、ワインのボトルには、マークさんの描いた絵が使われています。ロマンチックでとても気に入りました。今は引退して、子供さんが引き継いでいるそうです。地下のワイン工房には昔のワインがコレクションしてありました。アメリカのワイン史を語る上で貴重な資料だなあと思いました。何せ1830年代創立なのだそうだから!ここの昨年の赤ワインは、アトランタの国際品評会で金賞を受賞したそうです。

ログハウスのような、素朴で小さなワイナリーの小高い丘からは、ぶどう畑やハドソン渓谷を見渡せます。周辺にはワイナリーがたくさんあるようですが、マークさんの絵を展示したミュージアムがあるこのワイナリーが中心的な存在とのことです。ツアー代5ドルですが、7,8種のワインの試飲をさせてくださったり、良心的な経営と思いました。


以下は1999年1月のニューヨーク旅行記より

ニューヨークのレストラン
ニューヨークでは、「ZAGAT SURVEY」のレストランガイドを参考にお店を回りました。一般人からの投票で成り立っているこの本は、味、インテリア、サービス、価格の4つの点数でレストランを評価するシステム。で、20点以上がvery goodからexcellentの評価ということなのですが、20点以上の店がざっと読んだ限りでも頻発して出てきます。じゃあニューヨークにはおいしいレストランがそんなにたくさんあるのか、というとそうでもなさそう。この本はたくさんたしかにニューヨークのレストランを探訪するのに参考になりますが、わが国の「ぴあランキングルメ」よろしく、投票によるガイドブックの限界を感じます。フランスの「ミシュラン」や「ゴーミヨ」のような責任編集のレストラン・ガイドってアメリカにはないのかな。それに、やはり口コミ情報が一番、信頼できるのはいずこも同じですね。

●UNION SQUARE CAFE(アメリカ料理)
99年版ZAGATで一番人気のレストランに選ばれていました。カフェという名前のわりにはちゃんとしたレストランで、値段もそれなり、お客もちゃんとした服装をしていました。ランチに行きましたが、かなり混んでいました。1人だったのでどうしようかと思ったけれど、バーに通され(メニューは一緒)、広いテーブルで浮くこともありませんでした。

味の方は可もなく不可もなくでしたが、チーズ・ハンバーガーなんか頼んだのが悪かったので、おいしい料理もあるのかも(^^;) ただ、ざわざわしていて、少なくとも落ちついて食事をする雰囲気ではありませんでした。何で人気なのかは理解できず。ワイン1杯を頼んで計22ドル。

●BYBLOS(レバノン料理)
ランチに行こうとした国連近くのDOCK’S が閉まっていたので入った店。中近東料理のご多分にもれず、ケバブやピタパン、豆のペーストなどが主なメニューです。店の人に勧められるまま、前菜3品とケバブの盛り合わせ、グラスワインを頼んで、2人で計73ドル。これはかなり高いと思いました。味はまあまあ。サービスにオレンジが出ました。ここはなぜかZAGATには載っていません。

●SUBARRO(アメリカ系イタリア料理)
ニューヨークのあちこちに支店があるイタリア料理のファーストフード。日本にも進出しましたが、すぐ撤退した店です。ここは以前、ひどく伸びたまずいスパゲティ(しかも高い)にこりて避けていた店なのですが、ディナー・ビュッフェ5.99ドルはなかなかお値打ちだと思いました。ラザニア、麺類、ごはん、魚・肉・野菜料理など20種類以上ある中から好きなものをお皿に盛っていきます。味は決しておいしいわけではありませんが、UAの機内食よりずっとまし、という感じです。

ホテル

ニューヨークでは、YAAJ (Young Artist Associate of Japan)というところの宿泊施設にお世話になりました。ここは何を隠そう、ブロードウェイの劇場でたまたま隣同士になった日本人の方から教えていただいた宿なのです。古い(でもきれいな)4ベッドルームのアパートを使ったもので、1泊38ドルで朝食つき(時にはおにぎり&お味噌汁などの和食も)。設備はホテル並とはいかないまでも、パソコンが無料で使え(インターネットは市内通話代)、コーヒー類が飲み放題だったり、日本までの国際電話が1分50セントと安くかけられたり安かったりと、行き届いていて便利です。

ボランティアで運営されており、基本的には口コミで人を集めているようです。日本人芸術家のニューヨークでの足がかり、また憩いの場として設立されたそうですが、一般の観光客でも宿泊可能。問題のある人は宿泊を拒否することもあるようです。

ミュージカル

今回はマイナーな新作ばかり観ていたので、あまり報告することもありません。1月に当地で評判だったのは、FOSSE(振付師ボブ・フォッシーの名作集)と、THE BLUE ROOM(ニコール・キッドマン主演)というお芝居。特に後者は3月上旬までの限定公演で、連日チケットが売り切れる人気でした。キッドマンがとても色っぽい演技(というか、物語自体がかなりきわどい)をしていて、アメリカ人の観客でさえも「キャッ」とかいっていました。

オペラとミュージカルとダンスに明け暮れた毎日

ニューヨークではミュージカル6本とメトロポリタン歌劇場でオペラ1本(ドン・ジョヴァンニ)を観ました(ニューヨークのリピーターのくせにメトは初めてでした)。

メトのオペラハウスは、ウエストサイドのリンカーン・センターの中にあります。60年代に完成したため、ヨーロッパのオペラハウスのような荘厳さには欠けますが、ロビーの華やいだ雰囲気はなかなかです。シェールの主演した「月の輝く夜に」という映画を思い出しました(イタリア系の恋人たちがデートでメトのオペラを観るというシーンが見せ場の一つでした)。

料金は上は200ドル近く、最低は立ち見の15ドルでした。立ち見といっても席番号があり、スタンドの前には字幕のモニターもついています。めざとい人は、立ち見で入って、さっさと空いている席に座っていました。上演時間が長い作品だと立ち見はつらいです。

席の種類はいろいろありますが、「バルコニー席」が一番コストパフォーマンスが高いように思いました。4階席の正面で値段は39ドル。これより後ろの「ファミリー・サークル」は11ドルですが、かなり観づらくなります。

『ドン・ジョヴァンニ』は不覚にもけっこう眠ってしまいました(つまらなかったというよりも、疲れていたので)。「アメリカのオペラって、役者も演出も派手なのね」というのが感想です。字幕のモニター(英語ですが)がけっこう助かりました。

ミュージカルは、この秋オープンした『ライオン・キング』が一番よかったです。「どーせ、ライオンのかぶりもの着て踊るんでしょ」なーんて馬鹿にするなかれ。アートっぽいセットや衣裳がみごたえあって、大人でも十分に楽しめます。チケットの売り上げ新記録を作ったそうで、12月いっぱいは売り切れだとか。キャンセル券の列に並んで席を取りましたが、けっこう楽勝でした。

あとこの秋のミュージカルでは、『サイド・ショー』というのが話題になっています。これは実在した見世物のシャム双生児の姉妹をヒロインにしたキワもの的な作品で、地味ですが、けっこううまく仕上がっています。意外にもスタンディング・オベイションでした。

あとは『フォーエバー・タンゴ』というタンゴのショーも人気を呼んでました。ニューヨークはタンゴ(社交ダンス)がブームになりかけているようで、このショーのほかに「タンゴx2」というショーやサリー・ポッター監督・主演の「タンゴ・レッスン」という映画が公開されていました(これは近々日本でも公開されるそう)。あと周防監督の映画「Shall Weダンス?」もヒットしていました。

で、先の『フォーエバー・タンゴ』に触発されて、私も宿泊先の近くにあったフレッド・アステア・ダンス・スタジオ(かの名ダンサーでミュージカル俳優のフレッド・アステアが設立したダンス・スタジオで、アメリカ最大のフランチャイズを持つそう)で、ボールルーム・ダンス(社交ダンス)の体験レッスンを受けてみることにしました。コンクールで優勝経験もあるブルガリア人の先生(男性)について約1時間半ほど、ワルツ、スイング、タンゴ、フォックストロットなどのステップの基本を習うという内容です。

私は社交ダンスはまったく初めてでとても不安でしたが、姿勢がよくなるし、気持ちいい汗をかくしで、思わずハマりそうでした(女性はリードされる側なので、男性よりも習いやすいような気がします)。

ただここは、個人レッスンが5時間で320ドルとかなりいいお値段で(他のスクールも調べましたが、同じような価格でした)、わずかな時間で上達するかどうかも疑問なので、残念ながら今回は体験レッスンのみにとどめました。

先の「Shall We ダンス?」のアメリカ公開版はオープニングのナレーションが変えられているそうですが(「日本では社交ダンスというと、気恥ずかしい、下心があるんじゃないと疑われる。。。」という内容)、日本で社交ダンスを習うのは、残念ながらちょっと勇気がいりそうですね。

そのほか

●1月17-24日はジュリアーニ市長の提案により、衣類と靴のノータックス期間でした。昨年やって好評だったのでしょう。ブルーミングデールズなどのデパートの洋服売場はごったがえしていました。

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