ケク・ラピス|マレーシア・ボルネオ・サラワク料理

スポンサーリンク

世界の郷土料理事典 『世界の郷土料理事典』
(青木ゆり子著/ 誠文堂新光社)
世界300ヵ国・地域のレシピが満載!歴史、文化、宗教の食規定も解説しています。6刷目の重版。Amazonで好評発売中。

地理的表示として保護されたお菓子

「ケク・ラピス・サラワク」(サラワク・レイヤー・ケーキ)は、ボルネオ島のマレーシア領のサラワク州の、地理的表示として保護されたお菓子。オランダ領時代のインドネシアの街ベタウィ(現在のジャカルタ)で生まれた、オランダ人が持ち込んだバウムクーヘンのようなヨーロッパ的なレイヤーケーキにスパイス風味を加えた「ベタウィ・ケーキ」がもとになったといわれています。

サラワクには1970年代に持ち込まれ、カラフルなレイヤーになったり、また日本の千葉県の祭り寿司のようにお花などのデザインにしたりと独自に発展し、今では州都クチンなどサラワクの都市には「ケク・ラピス・サラワク」の専門店も(ただし、作るのに手間がかかりすぎるためか、店売りしているのはシンプルな層だけのものが多いようです)。

また、同じボルネイ内にあるマレーシアのサバ州やブルネイ、シンガポールににもまた違ったスタイルがあり(サラワクの名が地理的表示保護されているため単にケク・ラピスと呼ばれる)、この地域で相当人気があることがわかります。ただデザインの複雑さ、芸術性はサラワクがダントツのように思います。2023年にクチンに行った時には、従来の東南アジア風味から、紅茶味やチョコレート味といったヨーロッパ風まで多種多彩なケク・ラピス・サラワクを販売する店もあって、珍しくて買い込んできました。

見た目の美しさもさることながら、派手な色なのに意外と甘さ控えめで、もっちりした生地がおいしくて大好きになり、何とか日本で再現してみたいとチャレンジ。今回作ったのは比較的シンプルなデザインですが、それでも手間はなかなかのものでした。さらに精進していきたいです!

マレーシア料理
マレーシア Malaysia | アジア華僑やインド系の文化がミックスした料理東南アジアのマレー半島の南部とボルネオ島に国土を持ち、タイやシンガポール、インドネ...
インドネシア料理
インドネシア共和国 Republic of Indonesia | アジアたくさんの島それぞれに多様な文化赤道をまたいだおよそ5000kmのエリアに1万7500...

ケク・ラピス Kek Lapis レシピ

【材料】

3~4人分

小麦粉 300g
バター 200g(室温で溶かす)
グラニュー糖 180g
コンデンスミルク 120g
バニラエッセンス 少々
塩 小さじ1/2
クリームオブターター(酒石酸水素カリウム) 小さじ1/4
たまご 6個(卵黄と卵白に分けておく)
食用色素(着色料)赤、青、黄、グリーン(青+黄)など何でもよい。 少々
ジャム(アプリコットやベリー類) 適量

【作り方】

1.ボウルに卵白を入れ、泡だて器でメレンゲを作る。クリームオブターターと砂糖の半量、塩を加える。
2.別のボウルにバターを入れ、砂糖の残り半分を加えて、白っぽくなるまで泡だて器でよく混ぜる。コンデンスミルク、卵黄、バニラエッセンスを加えてさらに攪拌する。
3.2に小麦粉を少しずつ入れてさっくり混ぜる。
4.3に1のメレンゲを加えて、さっくり混ぜる。
5.4を計量して3等分してボウルに分ける。そのうち2つに違う色の食用色素を少し混ぜ入て、3色の生地を作る。
オーブンを170度に予熱し、天板にクッキングシートを敷いて、3色の生地をそれぞれ薄く広げて5~7分ずつ分けて焼く(生地が広がりにくいときは、天板を事前に温めておく)。
6.焼いた生地を細長く3等分し、同じ色が重ならないように9層のレイヤーにする。生地と生地の間にはのり代わりにジャムを薄く塗り、生地を重ねるごとに軽く手のひらで表面を押す。
7.クッキングシートの上で6の向きを変えて2個ずつ2つ積み上げ、色のついていない生地で包む。ラップをしっかり巻いて30分そのまま寝かせる。ケーキが固まったら、包丁でカットする。

ケク・ラピス・サラワクの作り方手順(現地動画)

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました