ブフ・ブルギニョン|フランス料理

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牛肉の赤ワイン煮込み

世界三大料理のひとつにも数えられる、ガストロノミー(美食)の国フランスの料理。中でもおいしい料理とワインの宝庫といわれるのが、フランス北東部のブルゴーニュ地方です。


12世紀にシトー修道院の修道士たちがぶどうを栽培した、ブルゴーニュのぶどう畑の歴史遺産シャトー・デュ・クロ・ド・ヴージョを描いたフランスの切手(1951)。

牛肉を赤ワインで煮込んだ「ブフ・ブルギニョン」は、現在ではフランス全域で家庭料理として広く愛されている一品。しかし、発祥は実はブルゴーニュ地方ではなく、パリだという説が有力です。

というのも、そもそもは、百科事典の大御所ピエール・ラルースが19世紀半ばに編纂した事典で”「ブルギニョン」または「ア・ラ・ブルギニョン(ブルゴーニュ風)」は、「(銘醸地ブルゴーニュの名を借りた)ワイン、特に赤ワインを使った料理である」”として解説したことが発端でした。

当時、ブルゴーニュ風と呼ばれた料理には他に、ラムの脚やウサギ肉などがありました。硬い肉や残り物の肉をワインの酸で柔らかくして食べる調理法のひとつでしたが、質が低かったためか評判はあまりよくなかったようです。

その後、パリのシェフが工夫しておいしくしたブフ・ブルギニョンがビストロなどに登場して先に人気を呼び、20世紀になってブルゴーニュ地方に”逆輸入”されました。地元の政治家はこの料理を、特産品シャロレー牛のPRや美食の地として名声を確立するための観光促進に活用。そこから有名になった可能性があるというのです。

日本でも、「石狩鍋」(北海道・石狩の鮭を使った鍋)や「筑前煮」(地元福岡では「がめ煮」)、「明石焼き」(地元では「玉子焼」)のように、料理名に地名がついた全国的に食べられている料理がありますが、それに近いニュアンスかなと思います。

一方、家庭料理としてもさまざまなバリエーションが生まれ、友人のフランス人は「わが家の隠し味でビターチョコレートをちょっと入れる」などといっていました。ブフ・ブルギニョンは、日本でいう家庭で作るカレーの立ち位置にちょっと似ているのかもしれません。

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ブフ・ブルギニョン Boeuf Bourguignon レシピ

【材料】

4人分

・牛肉 600g(シチュー用の肩肉、すね肉。5cm角にカット)
・ベーコン 70g 細切り
・玉ねぎ 1/2個 みじん切り
・にんにく 1かけ つぶす
・セロリ 半本 みじん切り
・にんじん 1本 皮をむいて輪切り
・マッシュルーム 200g 薄切り
・小麦粉 15g
・オリーブオイル 大さじ3
・バター 大さじ2(2回使用)
・タイム 少々
・月桂樹の葉 2枚
・塩 少々
・黒こしょう 少々
・赤ワイン 400ml
・水 400ml・パセリ 少々 飾り用。
・じゃがいも 4個(皮をむいてゆでてカットするか、マッシュポテトにする)

【作り方】

1.フライパンにオリーブオイルをひき、ベーコンを3分ほど中火で炒め、別皿に移しておく。
2.1のフライパンを洗わずそのまま使って牛肉の表面を色が変わるまで焼き、これも別皿に移しておく。
3.2のフライパンをそのまま使い、玉ねぎ、にんじん、セロリを3分ほど炒める。
4.別の鍋(厚手のものがよい)にバターを入れ、小麦粉を入れて混ぜて炒める。
5.4に炒めたベーコン、牛肉、野菜類を入れて塩こしょうし、よく混ぜながら5分ほど熱する。
6.5に赤ワインと水を注ぎ、にんにく、タイム、月桂樹の葉を入れてふたをする。最初強火で沸騰させ、その後弱火に落として2時間以上コトコト煮込む(圧力鍋を使って時間短縮が可能)。
7.6を煮込んでいる間にフライパンにバターを入れ、マッシュルームを炒めておく。
8.6ができたら、7のマッシュルームを入れ混ぜる。お皿に盛り、パセリを飾る。サイドにゆでたじゃがいもまたはマッシュポテトを添える。

・ブフ・ブルギニョンに使う赤ワインの品種は、ブルゴーニュ産ピノ・ノワールが適しているといわれますが、他の濃いめの赤ワインでも大丈夫。お安いワインや飲み残しのワインがあればそれで十分です。

・牛肉も安い肩肉、すね肉で十分。ホロホロになるまで時間をかけて煮込みます。

・付け合わせはじゃがいもがもっとも合うといわれますが、ガーリックトーストなどでもおいしいです。

ブフ・ブルギニョンの作り方手順(現地動画)

背景もきちんと説明された、本場でのかなり本格的な作り方です。かなり長い動画。

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