ポルトガルに影響された料理
1490年から1975年に独立するまで500年近くもポルトガルの植民地だったアンゴラ。豊富な天然資源を持ち、現在では景気の悪い本国ポルトガルからアンゴラに出稼ぎに行く人もいると伝えられています。
そのような背景には、アンゴラの公用語がポルトガル語であったり、ポルトガルの影響が今も根強く残っていることも理由にあるのでしょう。料理にもオリーブ油を使用するなど、多少のポルトガルの影響が見られるようです。
こちらに紹介するアンゴラの代表的な料理ムアンバにも、オリーブオイルを使用。フンジ(funge)と呼ばれる、とうもろこしやキャッサバの粉にお湯を混ぜておもちのようにした主食と一緒にいただきます。
アンゴラでは、”フンジ”(Funge)と呼ばれる、キャッサバの粉をお湯で溶いてこねた、粘り気のあるおだんごのような主食と一緒に、手でちぎったフンジを、ムアンバにつけながらいただきます。
フンジに似たものを、ガーナあたりでは”フーフー”と呼んでいます。キャッサバのほか、とうもろこしやプランテーン(バナナのようなカタチの野菜)の粉のものもあります。
パームオイルは、赤っぽい色をした、アンゴラをはじめとする西~南西アフリカ特有のオイル。あちらでは調味料のようによく使われますが、日本人には重くてけっこうクセを感じるオイルです(暑い気候の中で働く人々には、体力増強にちょうどよいのでしょうが…)。
でも、このオイルが、現地の料理らしさを出す”調理のコツ”ともいえるので、できれば少しでも入れてみてください。今回は油分を抑えたかったので、アーモンドオイル(何でもよいと思います)ではじめに魚をマリネして、パームオイルのほかに、トマトペーストでオイルの足りない分量を入れ替えてみました。こうすると、パームオイルの赤い色を補える上、かなりライトに仕上げることができます。
アフリカ原産の野菜であるオクラも、マストアイテム。ほかに、かぼちゃをダイス状にカットして加えることもあるようです。
アンゴラは、ポルトガルに500年も統治されていた国。ですので、今でもポルトガルの影響が大きく、国内にはオリーブの木が栽培されていたり、お料理にもオリーブオイルや月桂樹の葉など、ヨーロッパ的な食材が使われることがあるのだそうです。このムアンバにも、オリーブオイルを混ぜて使ってもよいんですって。私たちにも食べやすくなりそうですね。

ムアンバ
【材料】
若鶏肉 1.5kg
油 1/2カップ(なたね油など野菜系の油が望ましい)
玉ねぎ中2個(みじん切り)
にんにく 2かけ(適当な大きさに切る)
月桂樹の葉 1枚
パームオイル(やし油)1/2カップ(もっと少なくてもよい)
赤とうがらし2-3個(適当な大きさに切る)
オクラ 450g(両端を切って、半分に切る)、
塩 適量
コショウ 適量
レモンジュース 大さじ3
【作り方】
1.鶏肉を食べやすい大きさに切り、油とたまねぎ、にんにく、月桂樹の葉とともに大きめのなべに入れ、中火で熱する。
2.1の材料をよく混ぜて、必要に応じて水を加えながら、魚に火が通るまで中火で熱する。
3.2の鶏肉がやわらかく煮えたら、パームオイルと赤とうがらし、オクラを加え、さらに塩とコショウ、レモンジュースを加えて弱火で15分ほど煮て、深皿に盛り付ける。
現地風の鶏肉のムアンバ(Moamba de galinha)の作り方動画です。