パラク・パニール|インド料理

スポンサーリンク

インド料理のパラク・パニール

世界の郷土料理事典 『世界の郷土料理事典』
(青木ゆり子著/ 誠文堂新光社)
世界300ヵ国・地域のレシピが満載!歴史、文化、宗教の食規定も解説しています。6刷目の重版。Amazonで好評発売中。

辛さ控えめなほうれん草と白チーズカレー

パラク・パニールは、インド北西部のパンジーャブ地方発祥とされる、辛さ控えめなおいしいベジタリアン料理。パラクはほうれん草、パニールはチーズの意味です。

ちなみに似たような見た目の「サグ・パニール」と混同されることがありますが、インド家庭料理「ラニ」のハリオムさんによると、サグはからし菜(菜の花)の意味で、ピリッとした味が特徴的な別料理として本国では分別されているそうです。

パンジーャブ州は、ターバン姿で知られるシク教徒の一大聖地・黄金寺院のあるアムリトサルを有し、穀倉地帯と良質な乳製品に恵まれたインドの美食の地としても知られています。

パンジャブ料理について

パンジャブのシク教徒を描くインドの切手(2005)。彼らの体格がいいのは恵まれた食生活のため?

栄養のバランスがよく、宗教上等の理由などから肉がダメな人でも食べることができる万能料理として、今ではパンジーャブ州だけでなくインド全土で食べられています。

ヒンドゥー教とジャイナ教の教えにより、インドのベジタリアンは乳製品が食べられるラクト・ベジタリアンの人が多いのです。

重曹(または塩)を加えてゆで、ほうれん草の緑色の鮮やかさを出すことがおいしそうに見せるコツ。パニールとの相性も抜群です。

パニールは日本ではなかなか売っていないので、手作りしましょう。カッテージチーズの作り方と同じ要領で、鍋に温めた牛乳に酢を加えた凝乳を固めて作ります。

自分で牛乳から作った方が新鮮でおいしいですし、安上がりです。作り方もシンプルで難しくありません。

またパニールをすくって残った乳清(ホエイ)にも栄養がありますので、そのまま飲んでもいいし、煮物などの料理に再利用しても。

そして、パニール単独でもおいしくいただけます。表面を軽く焼くとさらにグッドです!

ベジタリアンのインドの人々は、肉代わりのたんぱく源として、ハンバーガーのようにして食べたり、天ぷらのように揚げたり、お菓子に使ったり…とパニールを活用しています。

インド料理
インド India | アジア広大な国土に根づいた多種多彩な料理ヨーロッパがすっぽり入るほどの広大な国土面積と、14億人以上の人口を抱えるインド。6000年の歴...

パラク・パニール Palak Paneer レシピ

材料

4人分

<パニール=白チーズ>
・牛乳 2リットル
・酢 80ml(りんご酢など果実酢がおすすめ。レモン汁やクエン酸でもよい)
<ほうれん草カレー>
・ほうれん草  2わ  根をカットして泥を落としながら洗い、ざく切り。茎ごと使う。
・玉ねぎ 1個 みじん切り
・にんにく 2かけ みじん切り
・しょうが 小さじ2 半分はすりおろし、半分は千切りにしてトッピング用に。
・青とうがらし 2本(輪切り)お好みで。さわやかな辛さになるが、あとからとうがらし粉を加えるので入れなくてもよい。
・重層 小さじ1(なければ塩でもよい)
・クミンシード 大さじ1
・クミン粉  小さじ1と1/2
・とうがらし粉 適量(お好みの辛さに調整)
・水  1.5カップ
・バター 20g
・生クリーム 大さじ3
・塩  少々
・コリアンダーの葉 適量 飾り用(オプション)

A. パニールの作り方

パニールの作り方の詳細を写真付きで別途アップしています。

1.鍋に牛乳を入れて中火で熱し、木べらでかき混ぜながら沸騰させる(このとき木べらの先が鍋の底につかないように注意)。沸騰したら酢を加え、ゆっくりとかき混ぜる。

2.牛乳が分離して凝乳が浮かんでくるので、これをガーゼを乗せたざるにあけるか、天ぷらのかす揚げなどですくいキッチンペーパーに乗せる。

3.凝乳をすべてすくい終わったら、ガーゼを絞って水気をしっかりと切る(キッチンペーパーの場合は何度か紙を替えて水気を切る)。

4.3をガーゼに包んだまま、まな板の上で平面にし、下にボウルを重ねたざるに入れ、上から重石(水を入れた容器でもよい)を乗せてそのまま30分水切りする。

5.4が固まったら、食べやすい大きさにカットする。お好みでバターをしいたフライパンで表面を軽く焼く。

B. ほうれん草カレーの作り方

1.鍋に水と重層を入れてわかし、ほうれん草をやわらかくゆでる。すぐに冷水にくぐらせて絞り、水を切る。

2.1のほうれん草と水少々をミキサーまたはフードプロセッサーでペースト状にする。

3.カレーを作る。鍋にバターをひき、クミンシードを入れて香りを出す。

4.3に玉ねぎ、にんにく、しょうがを加え、きつね色になるまで中~弱火でゆっくり10分以上炒める(玉ねぎの甘みを引き出すのがカレーをおいしくするコツ)。青とうがらしを加える。

5.4にクミン粉を加えて混ぜる。

6.5に2のほうれん草を加えて混ぜ合わせ、水を加える(この時ミキサーについたほうれん草を洗い流すように水を入れると、ほうれん草を無駄なく使える)。塩で味を調え、とうがらし粉で辛さを調整する。

7.6に生クリームを加えて混ぜ、2~3分煮込む。

AとBを合わせる

1.BのカレーにAで作ったパニールを加えて、さっと火を通す。

2.2をお皿に盛り、コリアンダーの葉やしょうがの千切りを飾る。

パラク・パニールはインド北部の料理のため、ごはんよりもパン(ナンやチャパティ)が合います。仕上げに生クリームをスプーンの先で回しかければ、レストランっぽくおしゃれに。またインド製の胴皿に盛り付ければ、一気に豪華になります。

パラク・パニールの作り方手順(現地動画)

インドの人気シェフ、クナル・カプール氏がレストランに出せるようなパラク・パニールをレクチャーします!

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました