日本人の口に合う「豚肉とあさりのアレンテージョ風」
豚肉とあさりを塩味で炒めてコリアンダーの葉を乗せた、ポルトガル北部アレンテージョ地方の名を冠した料理。アレンテージョは、コルク用オークのどんぐりを食べて育ったおいしい豚肉の産地として有名です。
発案者はアレンテージョではなく、南部アルガルベ地方のシェフともいわれていますが、今ではポルトガル中で食べられています。日本のポルトガル料理レストランでは「豚肉とあさりのアレンテージョ風」などと呼ぶことも。
そういえば先日、初めて日本に来られたポルト在住のポルトガル人女性と知り合ったのですが、「日本の料理はポルトガルから距離が遠いのに、なぜか懐かしくて口に合う。ドイツにも行ったけれど、日本の味の方がずっと好みだ」などとおっしゃられていて、そうでしょうそうでしょうと、内心にやにやしていました(笑)。
彼女には、次回はぜひ南蛮貿易の地、九州に行ってみてと伝えましたが、逆に、イワシの炭火焼きに代表されるように、日本人にとってもポルトガル料理はなじみ深くて口に合うものばかりです。もちろん「カルネ・デ・ポルコ・ア・アレンテージャーナ」も同様に。
そういえば、音楽でもポルトガル民謡ファドには、エンヤトットと節を付けたくなるような、漁師にまつわる日本の民謡や演歌のような哀愁ある歌が多く、しかもアラブ音楽の影響かこぶしをきかせた歌唱法もあって、こちらも非常に親近感を感じます。アマリア・ロドリゲスの歌う「暗いはしけ」が有名ですね。

カルネ・デ・ポルコ・ア・アレンテージャーナ Carne de Porco a Alentejana レシピ
【材料】
4人分
豚肉 400g 角切り
にんにく 2かけ みじん切り
じゃがいも 250g 皮をむいて一口大にカット。
コリアンダーの葉 大さじ2 みじん切り。飾り用にも取っておく。
月桂樹の葉 1枚
白ワイン 50ml
植物油 適量
塩 少々
こしょう 少々レモン 1/2個 櫛切り。飾り用(食べる前に絞る)。
【作り方】
1.豚肉をバットまたはボウルなどの容器に入れ、にんにく、白ワイン、月桂樹の葉、塩、こしょうを混ぜた液に漬けて数時間以上冷蔵庫に置いておく。
2.フライパンに油を多めに入れ、じゃがいもをきつね色になるまで揚げ焼きする。
3.別の鍋に油をしき豚肉をマリネごと入れて肉の表面を焼く。
4.3にあさりを加えて、貝が開くまで火を通す。
5.4の火を止め、2の揚げたじゃがいもとコリアンダーの葉を加えて、塩こしょうで調味しながらよく混ぜる。
6、5をお皿に盛り、コリアンダーの葉とレモンを飾る。