キリスト教カトリックの影響を反映した料理
インドネシア東部にある小スンダ諸島は、イスラム教徒が大多数の同国にあって多宗教の島々が集う異色のエリア。西端のバリ島はヒンドゥー教徒、スンバ島はキリスト教プロテスタントやアニミズムのマラプ教、そしてフローレス島、かつてポルトガル領で今は独立国である東ティモールを含むティモール島はカトリックの信徒が多いといった具合です。
ただし宗教間の軋轢がしばしば起きてきたため、ひとつの島が実質、分断されているケースもあります。
「カテマク・ジャグン」は、コモドオオトカゲの生息地に近いことでも知られるフローレス島で食べられている、カトリックの影響を色濃く反映した料理。アメリカ大陸原産のとうもろこしやかぼちゃ、いんげん豆といった食材はポルトガル人宣教師とともに持ち込まれたもので、調理法や調味料も西洋的。東ティモールの同様の料理「バター・ダーン」などと共通しています。
また腹持ちがよいため、カトリックの昔の習慣では、復活祭やクリスマス前などの肉断食の際に食べる精進料理としても重宝したと思われます。
以前、四谷の上智大学に隣接するイエズス会の聖イグナチオ教会を訪ねた際に神父様にうかがったところ、国境を越えた赴任はよくあることらしく、そうした中での料理の伝播も珍しくなかったのではないでしょうか。フランシスコ・ザビエルと交流のあった豊後国(大分県)のキリシタン大名・大友宗麟が日本で初めてかぼちゃを献じられたいきさつもしかりですね。

インドネシア料理
インドネシア共和国 Republic of Indonesia | アジアたくさんの島それぞれに多様な文化赤道をまたいだおよそ5000kmのエリアに1万7500...
カテマク・ジャグン Catemak Jagung レシピ
【材料】
2人分
A
とうもろこし(缶詰) 100g
ピーナッツ(あれば生のもの。ゆでておく) 100g
いんげん豆(白または赤。缶詰)100g
いんげん 5本(輪切り。ゆでておく)
かぼちゃ(冷凍品。皮をむいてつぶす) 100g塩 少々
ブイヨンの素 1個(小さじ1)
水 1カップ
ライム 1/2個(ジュースを絞る)
とうもろこし(缶詰) 100g
ピーナッツ(あれば生のもの。ゆでておく) 100g
いんげん豆(白または赤。缶詰)100g
いんげん 5本(輪切り。ゆでておく)
かぼちゃ(冷凍品。皮をむいてつぶす) 100g塩 少々
ブイヨンの素 1個(小さじ1)
水 1カップ
ライム 1/2個(ジュースを絞る)
【作り方】
1.鍋に水を入れ、Aを加えて混ぜる。
2.1に塩、ブイヨンの素を加えて混ぜ、15分中火で煮込む。
3.お皿に移し、ライム・ジュースをかける。