ボンボン・ピメント|レユニオン料理

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レユニオン島のスパイシーなおつまみ

フランスには、海外県や海外準県が世界各地にあります。たとえば、カリブ海のマルティニークやグァドループ島、南米の仏領ギアナ(ギュイヤンヌ・フランセーズ)、太平洋のフランス領ポリネシアやウォリス・フツナ、そしてインド洋のレユニオンとマヨット島…。

遠くに散らばった島々ではありますが、パリにはこれらの地域の料理を食べさせてくれるレストランがあったり、またレシピ本も発売されていたりで、意外と身近な存在に感じました。

そのひとつであるマダガスカル島に近いレユニオン島は、かつてはブルボン島と呼ばれ、ブルボン王政を打倒したフランス革命によって改名された島。17世紀にフランス人とインド(仏領ポンディシェリ―)やマレー、ベトナム、中国など植民地からの移住者が定住するまでは無人島でした。

19世紀にはバニラの生産が始まり、マダガスカルとともにその品質が名声を博してきました。ブルボン島時代の名残りとしては、この島発祥のコーヒーの品種名(アラビカ種由来のブルボン種)が今も使われていることでしょうか。

↑レユニオン島の農作物を描いた古い切手。表記にあるFrance Libreは、第二次世界大戦中のレユニオンの戦い(1942年11月28日に起きた、シャルル・ド・ゴールの自由フランス軍ヴィシー政権軍の戦闘)より。駆逐艦レオパールから上陸した自由フランス軍は島を制圧し、1946年にフランスの海外県に編入されるまで独自の切手を発行していた。(レユニオン/ 1943年発行)

小さなドーナッツのような「ボンボン・ピメント(英語で”チリ・キャンディ”の意味)」は、インドが起源のレユニオン島のスパイシーな軽食。名前もかわいらしいですね。

マダガスカル島などにも分布するケープ・ピー(=カバロ。白花豆に似ている)と香辛料を揚げて作ります。見た目はインドの「ワダ」や中東の「ファラフェル」にも似ています。現地ではアペリティフ(食前酒)のスパイシーなおつまみとして、またパンにはさんでおやつとして食べます。

近隣のモーリシャスでは「ピメント・ケーキ」と呼ばれています。

ボンボン・ピメント Bonbon (Bonbons) Piment レシピ

【材料】

2人分

ケープ・ピー(乾燥豆。白いんげん豆で代用。一晩水に漬ける) 150g
クミン粉 大さじ1/3
ターメリック粉 小さじ1/4
とうがらし粉 小さじ1/4(お好みで増やしてもよい)
しょうがペースト 小さじ1
コリアンダーの葉 20g(みじん切り)
青ねぎ 3本(みじん切り)
塩 少々
植物油(ひまわり油など) 適量

【作り方】

1.一晩、水に漬けた白えんどう豆から皮を取る。フードプロセッサーでペースト状にする。
2.1にクミン粉、ターメリック粉、とうがらし粉、しょうがペースト、コリアンダーの葉、青ねぎ、塩を加えてさらに混ぜる。
3.2を30gくらいずつ取り、直径約4cm、厚さ1~2cmくらいに平たく丸め、中央に穴を開ける。
4.厚手の鍋に植物油をたっぷり入れて160度くらいに熱し、3をきつね色になるまで揚げる。キッチンタオルで油を吸わせる。

・白いんげん豆がなければレンズ豆で代用してください。

・とうがらしは、あれば新鮮なものをみじん切りにして使ってみてください。

ボンボン・ピメントの作り方手順(現地動画)

クミンやしょうが、とうがらしを石臼でつぶして作る本格派。バナナを隠し味に加えるのが興味津々です。

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