テルナテ島発祥のサゴヤシ粉のお菓子
インドネシア東部にあるマルク(モルッカ)諸島は、アラブ商人や、フェルディナンド・マゼランが目指した希少なナツメグやメース、クローブが獲れる香料諸島(スパイス諸島)として古くから憧れの地として知られてきました。
しかし、それゆえ争いも多く、16世紀頃からは土地のスルタンや、ポルトガルとオランダの間で植民地利権紛争が勃発。1999年には宗教・民族紛争が起き、キリスト教徒の多いマルク州からイスラム教徒の多い北マルク州が分離しています。
↑1950年に単一国家インドネシアの独立宣言時に、南モルッカがオランダの差し金でマルク・スラタン共和国としてインドネシアから分離独立を試みたことがあった。インドネシアは反乱と見なして、1952年までにインドネシア軍により鎮圧。これはその短い期間に発行された、マルク・スラタン共和国のジャングルの花を描いた切手。
クエ・バゲア(バゲア・ケーキ)は、北マルク州にありかつてテルテナ王国の中心地だったテルナテ島発祥の、ヤシ科の仲間であるサゴヤシの粉を使ったお菓子。そのままでは硬いので、お茶や水に入れるて柔らかくして食べることもあります。
サゴヤシ粉はグルテンフリーであり、またアレルギーを起こしにくい食品ともいわれ、小麦粉のお菓子の代用になります。

クエ・バゲア Kue Bagea レシピ
【材料】
4人分
砂糖 80g
ピーナッツ(またはくるみ、アーモンド。包丁で粗く刻む) 50g
ココナッツファイン(削った乾燥ココナッツ) 70g
たまご 1個
植物油 50ml
重曹 小さじ1/4
クローブ 小さじ1/2
シナモン粉 小さじ1/2
【作り方】
1.ボウルの中にたまごを割り入れ、砂糖を加えて一緒によく混ぜる。
2.1にピーナッツ、サゴヤシ粉、重曹、植物油を加えてさらに混ぜ、シナモン粉とクローブ粉を混ぜ入れる。
3.2を1個ずつ直径2cm位に丸め、1cmくらいの厚さになるように上から手のひらで押しつける。
4.オーブンを180度に予熱し、天板にクッキングシートを敷いて3を並べる。20分焼く。
クエ・バゲアの作り方手順(現地動画)
こちらはスパイスを入れず、ナッツを細かく砕いて白っぽく焼いたスタイル。他にナッツを表面にまぶしたり、形を楕円やスティック状にすることもあります。