多彩なブラジルの国民食
日本の15倍という広大な国土と、アマゾン川流域など豊かな自然を誇るブラジル。近年は、サッカーのワールドカップの開催を控えるなど、発展めまぐるしい新興国のひとつとして注目を集めています。
ブラジルの料理は、旧宗主国ポルトガルをはじめ、ドイツなど他のヨーロッパ、中国や日本、中東、西アフリカ、そして南米の原住民などの文化を汲んでミックスされた、実に多彩なもの。そんな中で、ブラジルの国民食ともいわれるほど人気なのが、フェジョアーダ(フェイジョアーダ)です。
源流は古代ローマにさかのぼり、ポルトガル北部の豆と肉の煮込み料理をアレンジしたとされるブラジルのフェイジョアーダは、奴隷船で西アフリカから連れてこられた黒人たちが、主人の残した屑肉や部位、内臓を黒豆とに煮込んで食べていたともいわれますが、これはどうやら俗説の可能性が高いよう(もともとポルトガル人にも豚足などを食べる習慣があった)。ブラジル国内でも地域によって作り方や具材に差があります。
フェイジョアーダは19世紀に初めて言及され、現在では、ブラジルのあらゆる社会階層に人気を博し、リオのカーニバルなど、つねに祝祭とお祝いの精神とともに食べられてきました。特に、土曜日の午後や日曜日の昼食に食べる料理とされます(サンパウロ市の一部では水曜日と土曜日など地域差あり)。

フェイジョアーダ Feijoada レシピ
【材料】
黒いんげん豆 300g 一晩水につけて戻しておく。缶詰でもよい。黒いんげん豆だけではくどいので、大納言金時豆を混ぜるとよい。
水 700~800ml
豚肉 100g できれば一晩塩漬けしておく。食べやすい大きさにカット。
ベーコン 100g 食べやすい大きさにカット。
太いソーセージ 4~5本 あればリンギッサ(ブラジルの太い生ソーセージ)。食べやすい大きさにカット。
たまねぎ 1個 みじん切り
バター 大さじ2
にんにく 2かけ つぶす
月桂樹の葉 1~2枚
塩 大さじ1
黒こしょう 小さじ1/2
【作り方】
1.鍋にバターを入れてにんにくを弱火で炒め、次に、少し火を強くしてたまねぎを加えて、たまねぎが透き通るくらいまで炒める。
2.1に食べやすい大きさに切った塩漬けの豚肉を加えて熱する。
3.1に黒豆を煮汁ごとと、月桂樹の葉、水を加えて混ぜる。
4.豆が柔らかくなり、とろみが出るまで鍋にふたをしないで30~1時間ほど煮込む。
5.4にベーコンとソーセージを加えて、さらに15~20分程度煮込む。最後に塩とコショウで味を調える。
6.5をお皿に盛り、付け合わせの5点を添える。
<フェイジョアーダの付け合わせ>
1.アロス・シンプレ:油で炒めたごはん。油を控えている方は、普通のごはんでもよい。
2.ファリーニャ:キャッサバの粉(ファロッファ)とたまねぎのみじん切り、塩を油でカラッと炒ったもの。見かけがちょっと炒ったオカラに似ている。パン粉を炒ったもので代用可。
3.コウベ:ケールの葉をざく切りにして、たまねぎの薄切りと油で炒めて、塩少々で味を調える。小松菜で代用可。
4.オレンジ:くし切りに。口がさっぱりする。
5.モーリョ:万能ねぎ大さじ1、コリアンダー大さじ2、赤とうがらし1本、たまねぎ大さじ2分をみじん切りにして、レモン汁大さじ2と混ぜて作る。
フェイジョアーダの作り方手順(現地動画)
ブラジルの家庭で作る本格派です。