ポルトガルの象徴イワシを使ったエスカベシュ
日本の南蛮漬けの源流とされるエスカベシュは、南蛮人(ポルトガル人)が九州に伝えた料理。
食材を酢で漬けて保存する知恵は古代メソポタミア文明の時代から存在し、6世紀頃のペルシャで「シクバージ」という肉を漬けた料理になりました。それが地中海地域に渡って肉が魚に代わり、スペインやポルトガルに伝わったといわれています。
↑マイワシとカタクチイワシ&伝統的な漁業を描いたポルトガルの切手(2016)
ですので、古くからポルトガルを象徴する魚でもあるイワシを使ったこのエスカベシュも、南蛮漬けの作り方によく似ており、いろいろな魚で応用できます。オリーブオイルと白ワインビネガーを使い、イワシと相性のよいトマトの味を効かせるのがポルトガル流です。
オメガ3脂肪酸など栄養豊富なイワシは、ポルトガルでは新鮮なものが手に入り、缶詰加工も盛ん。同国にはイワシにまつわる格言がいろいろあり、上写真のようなキッチンタオルや、陶器などにもよくイワシが描かれています。近年は気候変動による海水温の上昇と乱獲によりイワシ漁が衰退したといわれていましたが、うれしいことに復活の兆しもあるようです。
また、首都リスボンで行われるポルトガル最大のフェスティバルでもある6月13日の聖アントニウス祭(別名イワシ祭り)を中心に、この時期にはポルトガル各地で炭火焼きをはじめ旬のイワシが食べられます。ポルトガルに行くならこの時期ですね!(笑)。

ポルトガル料理
ポルトガル共和国 Portuguese Republic | ヨーロッパ日本人にもなじみある料理南ヨーロッパのイベリア半島にあるポルトガルといえば、大航海時代の...
イワシのエスカベシュ Sardinha de Escabeche レシピ
【材料】
2人分
イワシ 300g(ワタを取る。揚げて骨ごと食べられる小さめのものがおすすめ)
小麦粉 適量
植物油 適量
玉ねぎ 中1個(みじん切り、またはスライス)
にんにく 1片(みじん切り)
トマト 1個(みじん切り、またはスライス)
月桂樹の葉(ローリエ) 1枚
オリーブオイル 50ml
白ワインビネガー 大さじ1
塩 少々
小麦粉 適量
植物油 適量
玉ねぎ 中1個(みじん切り、またはスライス)
にんにく 1片(みじん切り)
トマト 1個(みじん切り、またはスライス)
月桂樹の葉(ローリエ) 1枚
オリーブオイル 50ml
白ワインビネガー 大さじ1
塩 少々
【作り方】
1.いわしをきれいに洗い、塩で下味をつけて小麦粉をまぶす。
2.鍋に植物油を入れて中火で熱し、きつね色になるまで1を3分程揚げる。冷ます。
3.フライパンにオリーブ オイルを入れて熱し、玉ねぎ、トマト、にんにく、塩を加えてソースを作る。玉ねぎがきつね色になるまで炒める。
4.3を火からおろして、白ワインビネガーを加えて軽く混ぜる。
5・4を陶器またはガラス皿に移す。そのまま食べてもよいし、冷蔵庫で冷やしてもよい。
いわしの代わりに他のさまざまな魚を使って作ることもできます。白ワインビネガーがないときはりんご酢など他のお酢でも。
イワシのエスカベシュの作り方手順(現地動画)
ポルトガルでのベーシックな作り方。いろいろな食材でアレンジできそうです。
ポルトガルの食文化を知るための一冊