パエリヤのような魚介ごはん
ガラパゴス諸島は太平洋東部にある群島。南米エクアドルの領土であり、この群島にしか見られない固有の植物らから、英国の自然科学者チャールズ・ダーウィン(1809~1882)が進化論の着想を得たことで知られます。2020年時点の人口は約33,000人。自然に恵まれたイメージにしては多い感じがします。
↑エクアドル発行の切手。ゾウガメ(galápago)は、ガラパゴスの名前の由来になったこの諸島を代表する動物。ガラパゴスには14種類のゾウガメが生息し、まだ発見されていない種がいる可能性もあるという。
チリのイースター島と比べて南米大陸に近いため、料理はラテンアメリカ色というよりスペイン色が強く、パエリヤを彷彿とさせる「アロス・マリネロ(魚介ごはん)」もそのような傾向の料理です。多少のバリエーションはありますが、ガラパゴスだけでなく、エクアドルや他国の沿岸地方で広く食べられています。
エビや貝類、イカ、ムール貝などのさまざまな魚介類がおいしそうですが、パエリヤと違うのは長粒米を使うこと(バレンシア発祥の伝統的なパエリヤはボンバ米という短粒米を使う)。また、ごはんをサフランで黄色く着色するパエリヤに対して、ガラパゴスでは南米原産のアナトー(ベニノキから作る食紅)を使うなど、スパイスや調味料の種類にも違いがあります。
それ以上に、チャーハン式にすでに炊いたごはんを使うので、米を炊いて作るパエリヤよりもずっと手軽に作れるところが特徴です。これは南米の中国移民の影響かもしれません。

アロス・マリネロ Arroz Marinero レシピ
【材料】
4人分
魚介(ムール貝やアサリ、ホタテなどの貝、エビ、カキ、イカなど)500g
植物油 大さじ1と1/2
玉ねぎ 中1/2個(みじん切り)
にんにく 1かけ(みじん切り)
コリアンダーの葉 1/2束(みじん切り)
ピーマン 1個(種を取って、みじん切り)
クミン粉 大さじ1/2
アチョーテ(ベニノキの食紅) 小さじ1/2(パプリカ粉、少量のトマトペーストで代用可)
塩、こしょう 少々レモン 輪切り2~3枚
【作り方】
1.フライパンに植物油を入れて熱し、玉ねぎとにんにくを2~3分、中火で炒める。
2.1にクミン粉、アチョーテ、塩、こしょう、コリアンダーの葉の半分、ピーマンを加え、混ぜながら5分炒める。
3.2に魚介を加える。ムール貝など調理に時間がかかるものから先に入れ、混ぜながら3分炒める。
4.3にごはんを加え、魚介に火が通るまで混ぜながら炒める。
5.4にコリアンダーの葉の残り半分を加え、味見をして必要あれば塩を足す。お皿に盛り、レモンの輪切りを添える。
アロス・マリネロの作り方手順(現地動画)
かなり具だくさんで、しょうゆを入れているのが中華料理の影響を彷彿とさせます。