唐辛子を使ったスパイシーな空心菜の蒸し料理
ロンボク島はインドネシア中部の小スンダ列島にある、インドネシア語で「唐辛子」という意味を持つ島。インドネシアにはありがちですが、ヒンドゥー教の島バリ島がすぐ東隣なのに、ロンボク島は16世紀以来、住民の多数はイスラム教徒が占めます。
ただし食文化に関しては、豚肉以外は共通しているようで、この「プレチング・カンクン」はロンボク島、バリ島の両方で食べられている唐辛子を使ったスパイシーな空心菜(エンサイ、カンクンともいう東南アジア原産の野菜)の蒸し料理。ベジ、ビーガン食でもあります。
インドネシアの言葉でチャベと呼ばれるアメリカ大陸原産の唐辛子は、スパイスを求めてこの地にやってきたポルトガル人がもたらしたものでした。
インドやタイもそうですが、インドネシアで辛い料理が好まれるのは、暑い気候による食品の保存や寄生虫・バクテリアによる腐敗や食中毒を防ぐことや、暑さに負けない食欲増進、発汗作用の効果が土地の風土に合っていたのもあるのでしょう。
一方、ポルトガル人より前にインドネシアに来てイスラム教を伝えたアラブ人は、同じく暑いアラビア半島に住んでいるのに辛い料理をあまり好みません。これは、湿気の関係ではないでしょうか。実際にあちらの砂漠に立って感じたのは、「こんなに乾燥したところで激辛料理を食べたら、のどが渇いて死ぬわ」ってことでした(笑)。
プレチング・カンクンは、ロンボク島ではアヤム・タリワン、バリ島ではアヤム・ベトゥトゥといった鶏料理の付け合わせとしても活躍します。

プレチング・カンクン Plecing Kangkung レシピ
【材料】
3~4人分
赤玉ねぎ 3/4個
にんにく 2かけ
赤唐辛子(鷹の爪でもよい) ~1~2本
カットトマト 50g
シュリンプペースト 小さじ1/2空心菜(つるむらさきでもよい) 1束
植物油 大さじ1
ライム(輪切り) 適量
塩 少々
砂糖 少々ゆでピーナッツ(添え物)
【作り方】
1.空心菜をやわらかくなるまで蒸す(電子レンジにかけてもよい)。
2.ソースの材料をフードプロセッサーに入れ、ペースト状にする。
3.フライパンに植物油をひいて熱し、2のソース,塩、砂糖を加えて調味する。
4.1をお皿に盛り、3を上からかけ、輪切りにしたライム(絞ってかける)、お好みでゆでピーナッツを添える。