ビーン・クロック|ジャージー島料理

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フランス南西部料理「カスレ」のバリエーション

ジャージー牛で名高いジャージー島は、ガーンジー島と同様、英国とフランスの間にあるチャネル諸島に属する、同諸島最大の島。人口約10万人。ノルマンディー公国の一部であった時代を経て、現在は英国王室属領ジャージー代官管轄区として、独立国のような自治権を持っています。

英国系とフランス系住民のほか、戦前にマデイラ島から移住した9000人ほどのポルトガル系住民らが暮らしています。

↑ジャージー島発行の風景切手。
同島の料理もガーンジー島のようにフランス南西部の影響を受けており、このビーン・クロック (フランス語ではLes pais au fou。ジャージー・ビーン・クロックと呼ばれることも)も、ノルマンディー式「カスレ」のバリエーションともいえる、簡単に作れるシンプルでおいしい豆の煮込み料理です。

伝統的にはジャージー島特有のふた付きの陶器製クロック・ポットを使ってゆっくり調理します。家庭によってさまざまなバリエーションがあり、こちらのレシピでは豚肉を使っていますが牛すね肉を使うことも。

かつてはジャージー人があまりに頻繁にビーン・クロックを食べていたため、英国からの来訪者はジャージー人はビーン・クロックしか食べないと信じて、彼らを「ジャージー・ビーンズ」と呼んでいた時代もあったとか…。それも侮辱には思われなかったほど、当地に根付いている料理なのです。

ところで先日、八丈島に行ったのですが、ジャージー牛を放牧している海に面した牧草地がありました。乳製品の味は格別で、ジャージー島と同じ島嶼ということで、この牛たちと風土や土壌も相性よさそうだなと感じました。

ビーン・クロック Bean Crock レシピ

【材料】

2人分

缶詰の煮豆(白いんげん豆、赤いんげん豆、うずら豆など。混ぜて使ってもよい) 250g
豚肉(角切り) 200g
玉ねぎ 1/2個(薄切り)
にんじん 1/2本(皮をむいて千切り)
お湯 適量
パセリ 少々
タイム 少々
月桂樹の葉 1枚塩 少々
こしょう 少々

【作り方】

1.深い耐熱容器に水切りした煮豆とその他の材料を入れ、ひたひたのお湯を注ぐ。
2.200度に予熱したオーブンに1を入れて30分焼く。一度取り出して、耐熱容器にアルミホイルでふたをして、150度に温度を落としたオーブンに戻す。
3.豆がとろとろになるまで1時間以上、スロークックで調理する。必要に応じて途中でお湯を足す。食べる前に塩で味を調整する。パンと一緒に食べる。
このレシピでは時短のため缶詰の煮豆を使っていますが。現地では乾燥豆を一晩水に漬けて使用します。また、豆の形が溶けるほど煮込むと、より本格的になります。

ビーン・クロックの作り方手順(現地動画)

日本の常滑焼の漬物壷に似たジャージー島の伝統的な陶製ポットで作る、本式の作り方です。

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