パキスタン・イスラム共和国 Islamic Republic of Pakistan | アジア
インドやペルシャ、中東の影響を受けた料理
インドや中国、アフガニスタン、イランと国境を接し、イスラム教を国教とする南アジアの国パキスタン。首都はイスラマバードで、公用語はウルドゥ語。国土の中心には人類発祥の地のひとつでもあるインダス川が流れ、モヘンジョダロ(世界遺産に登録)、ハラッパーといった重要な遺跡があります。
またパキスタンは、インドから移住したイスラム教徒が多いため、イスラム国家だったムガール帝国の食文化も継承しています。
↑ビリヤニ
パキスタンの食事の4大構成要素は、ロティ(パン)とチャワル(米)、サブジ(野菜)、ゴシュト(肉)。多くのパキスタン人はイスラム教の食規定に則ったハラールの肉だけを食べます。
豚肉は決して口にせず、ハラールのチキン、羊、牛肉といった肉を使用し、ケバブやティッカ(スパイスで味つけした肉のバーベキュー)、コルマ(カレー)、カラヒ(水気のないカレー)、プラオ(Pulao。肉入りご飯。しばしばヨーグルトをかけて食べる)、コフタ、レンズ豆と肉を5時間以上かけて煮込むハリーム(Haleem)といった料理を作ります。
料理に地方色があり、たとえばインドと国境と接したパンジャーブ州やシンド州はスパイスをきかせた濃厚で辛いカレーが多く、中国と国境を接した北部ではスパイスをあまり使いません。 ケバブや、炊き込みごはんのビリヤニ(上写真)にも、パキスタン各地に地方色があります。
ケバブの地方色は、アフガニスタンと国境を接するバローチスタンや北西辺境で食べられている、アフガニスタン風の塩とコリアンダーで味付けしただけのケバブや、ラホールで食べられている、スパイスとレモンジュース、ヨーグルトでマリネした、スパイシーなケバブ、また北西地方のペシャワールでポピュラーな、チキンまたは牛肉のミンチと挽いたひよこ豆とスパイスで作ったハンバーグ状のシャミ・ケバブ(Shami Kebab)といった具合です。
また、パキスタンのパンジャーブ州では小麦の生産が盛ん。その規模は、世界でも指折りといわれ、そのためパンが豊富です。パンには、薄焼きのチャパティや、チャパティにギー(バターのようなもの)を塗って焼くパラータ、イーストを入れて窯で焼くナン(Naan)、サフランとカルダモンの粉を加えてオーブンで焼いたタフタン(Taftan)、などの種類があります。
飲み物は、チャイが人気。うだるように暑い日も、涼しい月にもよく飲まれます。パキスタンのチャイは、牛乳と砂糖にカルダモン、ナツメグを加えて沸騰させて作ることが多いようです。またヨーグルトドリンクのラッシーや、さとうきびのジュースもポピュラーで、北部パキスタンでは、塩気のあるバター入りのお茶が飲まれます。
パキスタン料理の写真
オクラとマトンのカレー&プラオ
パキスタン料理のレシピ

