ウズベキスタン共和国 Uzbekistan | アジア
シルクロードの中継地の料理
中央アジアにある、かつてソビエト連邦に属していた国ウズベキスタン。国土のほとんどは乾燥地帯ですが、中央部には古代からオアシスがあり、東西交易路シルクロードの中継地として栄えてきました。現在はウズベク人をはじめ、少数民族が多数暮らし、またイスラム教徒の多い国です。
↑プロフ
ウズベク人は他の中央アジアの国々の遊牧民とは違い、オアシスと肥沃な谷に定住して穀物を栽培したり、家畜を飼ってきました。羊肉をはじめ、牛肉や馬肉を食べますが、他国の遊牧民が食べるらくだや山羊の肉はウズベキスタンでは一般的ではありません。
食材は季節によって変わりますが、夏は果物や野菜、ナッツが豊富に実るシーズン。ぶどうやメロン、スイカ、アプリコット、ナシ、りんご、さくらんぼ、ざくろ、それにラディッシュやにんじん、かぼちゃ、ナス、カブ、きゅうり、とうがらし、トマトなどが収穫され、フレッシュなまま料理に使います。一方、冬はドライフルーツや保存野菜を使うことが多いといいます。
主食は、窯焼きパンのノン。プロフ(ポロ 上写真)と呼ばれる炊き込みごはんもあります。
プロフの種類はたくさんあり、たとえばシルクロードの中心都市であるサマルカンドでは、羊肉とひよこ豆とにんじん、クミンなどを使ったサマルカンド・プロフが名物です。
クミンやコリアンダー、ごま、少々のとうがらし、コリアンダー、パセリ、そしてワインビネガーで風味を調えるウズベキスタンのおかずは、辛くはありません。 主な料理は、シュルバ(スープ)やピロシキのようなサムサ、ケバブ(シャシリク)。また、ソ連時代にロシアから伝わったザクースキと呼ばれる前菜も定着しています。
また酪農製品も豊富。タシケントやサマルカンドの田舎では馬乳、トルクメニスタンの国境周辺ではラクダの乳、またフェルガナやスルハンダリでは羊の乳がよく使われます。カティク(Katyk)というヨーグルトや、スズィマ(Suzma)というカッテージチーズのようなチーズなどは、サラダやスープのエッセンスとしても使われます。
ヨーグルトで味付けしたスープ麺のウグラなどの麺類は寒い時期に食べます。
ところで、ウズベキスタンや他の中央アジアの国にはソ連の時代に強制移住させられた少数の朝鮮民族(高麗人)が今も暮らしており、韓国・朝鮮料理が食べられています。
ポピュラーな飲み物はチョーイ(お茶)。紅茶は首都のタシケントで好まれ、緑茶はお客様のおもてなしに欠かせません。ウズベキスタンでは喫茶店のことをチョイホナ(Choyhona=チャイハネ)といい、じゅうたんを敷いた低いテーブルのフロアは、人々が集まっておしゃべりを楽しむ社交の場としての役割を果たしています。ほかに冷茶やチャロープも昔から親しまれてきた飲料です。
ウズベキスタン料理の写真

サマルカンド・プロフ
ウズベキスタン料理のレシピ

