魚介類の豊富なアラブ・スタイルの料理
アラビア半島のペルシャ湾沿岸に面するクウェート。国土のほとんどが砂漠という小国ながら、石油で潤っているため世界のビジネスマンや、インド、フィリピンなどから出稼ぎに来た人々が往来する国です。
↑マクブース
クウェートはもともとアラブ人の国であることから、主にアラビア半島でよく見られる典型的なアラブ料理が食べられていますが、一方で、人口のおよそ7割を外国人が占めるため、レバノンやインドなどの各国料理も定番です。
海に面しているクウェートは、魚介類、特に魚が食生活において重要な位置を占めています。特に、魚の出汁で炊いたごはんの上にフライした魚を乗せたムタバク・サマックはクウェートの国民食とされています。魚は鯛やハタやアイゴが定番です。
エビもよく使われ、比較的近年に誕生したプローンズ・クウェートという料理もあります。
また、クウェートの土着的な料理は、砂漠の民ベドウィンたちが食べている羊の丸焼きや炊き込みごはんマクブース(上写真)なども。他には、イラク由来と思われる、お米を詰めた仔羊をグリルしたスパイシーなクージー(Khouzi)や、ぶどうの葉に風味のあるお米や肉を詰めたドルマ、フムス(ひよこ豆のペースト)、パセリのサラダタブーリなどレバント地方の料理も人気があります。
料理にはスパイスが多用されますが、クウェートで人気のあるのは、カルダモンやコリアンダー、クミン、シナモン、ナツメグ、クローブ、パプリカ、コショウの風味です。とうがらしの辛い味はあまり好まれません。
食事は通常、低いテーブルが好まれますが、ベドウィンの人々は集まって床に座り、大皿の料理を右手を使って食事をします。
飲み物は、水で薄めたヨーグルトや、お茶、コーヒー。特にコーヒー(アラビアコーヒー)は、飾りたてたポットとエレガントなカップで供される、アラブ人にとっておもてなしに欠かせないものです。
なお、サウジアラビアに次いでイスラム教の戒律が厳しいといわれるクウェートでは、酒類は全面的に禁止。外国人であっても飲酒や国内への持ち込みはできません。
クウェート料理の写真
仔羊の丸焼き
クウェート料理のレシピ

