イラン・イスラム共和国 Islamic Republic of Iran | 中東
悠久の歴史に彩られた、地方色豊かな料理
↑クク
現在のイランは30の州からなり、北にカスピ海とアゼルバイジャン共和国、トルクメニスタン、南にペルシア湾とオマーン海、西にはトルコとイラク、東はアフガニスタンとパキスタンと国境を接しています。日本の約4.5倍という国土面積には、イスラム教を国教としながら、国民の約半分を占めるペルシャ人のほか、アゼリー(アゼルバイジャン語を話す人)、ギーラーン人、クルド人、アラブ人、バローチ人、トルクメン人、ユダヤ人、アッシリア人などが暮らす、多民族国家をなしています。
そのため、地方色も豊かで、また民族によって料理はさまざまです。主食はナン(今ではインド料理で有名ですが、もともとペルシアからインドに伝わったものといわれています)がメイン。アーモンドや干しぶどう、スパイスを料理にふんだんに取り入れています。
地域ごとの料理には、たとえば、ケバブ(キャバーブ)や、カスピ海でとれるキャビア(チョウザメの卵)、魚の燻製などはカスピ海沿岸の食文化で、その地ギーラーンでは、クルミのペーストや、ザクロジュースのソース、それに、魚のシチューのガリーエ・マーヒーや、エビのシチューのガリーエ・メイグーなどがポピュラー。今ではイラン全域で親しまれている料理も少なくありません。ポロウやマヒチェといったお米料理や、クク(上写真)という、具入りの玉子焼きのような料理もあります。ザクロはイランの特産品のひとつであり、ざくろを使ったスープのアシュエ・アナーという料理も。
現在のイランはイスラム国家であるため、お酒はご法度。ただし薬用酒として飲まれることはあるようです。ちょっと気の抜けた、コカコーラの模造品のような?ザムザムコーラなどという飲み物もあるくらい。ただし、革命前にはお酒が飲まれていました。
ワインは紀元前のイランが発祥という説もあり、今もオーストラリアなどで人気のぶどう品種”シラーズ”は、イラン中南部の都市名に由来するといわれています。
イラン料理の写真
マヒチェ
イラン料理のレシピ



