ブルガリア共和国 Republic of Bulgaria | ヨーロッパ
スラブ民族の食文化と、トルコや中東の料理の要素
↑カヴァルマ
ブルガリアの料理はその地理的位置と歴史のため、基本的にはスラブ民族の食文化であり、ギリシャ、トルコ、中東の料理の要素が結集しています。更に、それほどではないにせよイタリア、地中海沿岸の国々などの影響も見られます。
比較的温暖な気候や多様な地形という条件も相まって、ブルガリアの料理は非常に多様性に富んでおり、そのため多種多様な国の食器、音楽を提供するレストランや喫茶店が国中いたる所にあります。
ブルガリアの料理で使われる基本的な食品は豆、ミルク、ヨーグルト、チーズ、トマト、ジャガイモ、リンゴ、スイカ、ブドウなどで、果物は一年を通して安価です。また、豚肉、牛肉、ラム、チキンと魚を食べます。羊のチーズ・スィレネ(Сирене)は非常によく使われており、味付けは香辛料が効いていて栄養価が高く美味です。
代表的な料理にはショプスカ・サラダ(Shopska。トマト、キュウリ、唐辛子、パセリのサラダにすりおろした羊のチーズをたっぷりかけたもの)、タラトゥール(Tarator=Таратор:刻んだキュウリ、クルミ、ヨーグルトの入った冷たいスープ)、卵と一緒に焼いたドールシープのチーズ、カヴァルマ(Kavarma。豚肉または子牛肉、玉ねぎ、キノコのキャセロール。上写真)、シシカバブ、ケバプチェタ(Kebapcheta。牛肉または豚肉のミンチで作ったソーセージを焼いたもの)、サルミ(Sarmi。ブドウの葉やキャベツで米または肉を包んだ詰め物)、ギュベチ(Gyuvech。唐辛子、ナス、豆、肉の入った味わい深いシチューを陶器の容器に入れて焼いてから供する料理)、イマム・バヤルディ(Imam Bayaldi。ナスに野菜や肉とハーブを詰めたもの、元々はトルコ料理で「牧師が感情を爆発させる」という意味の名前)、ムサカ(Moussaka)、スィレーネ・ポ・ショプスキ(トマト・卵・オリーブオイル・羊チーズをオーブンで焼いたもの)、ミシュマシュ(チーズやトマトが入った「グチャグチャ」という名前の煮物)、Banitza(練り菓子の一種)などがあります。これらの料理にはじゃがいも(kartofi)、野菜とパンが添えられます。
主な食事は家族と食べる昼ごはんです。夕食は社交の場であり、多くのレストランでダンスとともに楽しみます。典型的な朝食は練り菓子とコーヒーで済ませている傾向があります。
ブルガリアのデザート
デザートにはトルコや中東でも楽しまれているバクラバ(baklava)、カダユフ(Kadayif。細かく刻んだ小麦にシロップに漬けたナッツを詰めたもの)、マスレナ(maslena。バタークリーム)・果物(Frukti)・チョコレート(Shokoladova)やアイスクリームを詰めたトルタ(Torta。ケーキ)を食べます。
ブルガリアの飲み物
ブルガリアではコーヒーが大変好まれているほか、ハーブティーも人気があります。また、メルニク(Melnik。南西部地域産の赤ワイン)などのワイン、スリヴォヴァ・ラキア(Slivova Rakiya。プラムで作った蒸留酒)、ピスカ(Piska。コニャックの一種)、ウオッカ、スリーボヴィツ(アルコール分が70~80%の梅酒)、ビール(ZagorkaとAstikaという銘柄が人気)も飲まれています。
ワインはブルガリアの食事に欠かすことはできず、選択肢もたくさんありますが、ある特定の地域で育てられた特定のブドウから生産されたことを保障しているラベルのついているものが最高品質です。
ブルガリアにおけるワインの生産は、フランスでワイン生産を学んだ若い世代がブルガリアでブドウの栽培を始めた1900年代初頭に端を発します。1970年代にはシャルドネ、カベルネ、メルローといった品種のブルガリアワインがヨーロッパの市場に上るようになり、現在でもイギリスやベルギー、オランダ、ルクセンブルグ、ドイツ、スカンジナビアの国々で人気を博しています。ブルガリア地域特産の赤ブドウであるMavrudやMelnikはワインの目利きにとって興味深い品種です。
ブルガリア料理のレシピ

