イエメン料理

イエメン国旗 イエメン共和国 Republic of Yemen | 中東

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遊牧民と、対岸のアフリカ諸国の影響を受けた料理

アラビア半島の南西部に位置し、紅海やアデン湾、アラビア海に面したイエメンは、紀元前1000年頃のシバ王国に遡る、古い歴史を持つ国です。

国民はイスラム教徒のアラブ人が大半で、首都サヌアや、アデンなどの街に住む人々、漁業や農業を営む人々のほか、国土のほとんどを占める砂漠には、今も、ベドウィンと呼ばれる昔ながらの遊牧民が多く暮らしています。

↑サルタ

イエメン地図 イエメン

昔のアラビア半島は、砂漠に引かれた国境がところどころ曖昧だったせいもあって、国をまたいで自由に往来していたベドウィンの人々には、国境や国民という観念が希薄(それに、そもそも中東の国境の線引き自体が、ヨーロッパ列強の殖民統治した結果でもあります)。

ベドウィンの食生活は、いわゆるイエメン特有のものとはちょっと一線を画しています。シンプルな味付けの羊肉などのシチューや肉塊をピラフに乗せたり、ヨーグルトをかけたりしただけの、遊牧民らしい素朴な料理が特徴的です。

その一方で、雨季には緑も多く、レンガ造りの建物が美しい旧市街地が世界遺産に登録されている、標高2250メートルの首都サヌアなどの都市では、食生活がもっと洗練されています。

これが、いわゆるイエメン料理と呼ばれるもの。サルタ(上写真)という、肉や野菜などの煮込みにフルバというとろろに似た粘り気のあるフェネグリークのソースをかけた石鍋料理が、サヌアの代表的な郷土料理です。

また、現在では中東全域で見かける、そら豆やひよこ豆をすりつぶし、丸めて揚げたファラフェルなども定番。

イエメン料理の特徴は、アラブらしさに加えて、古くから交流があった、対岸のアフリカ大陸にあるエチオピアやソマリア、ジプチと影響され合っていることです。イスラエルなど中東や北アフリカでは独自に確立されて、”イエメン料理”と掲げるレストランも少なくありません。

またイエメンで忘れてならないのは、シバ王国の時代から続く、ヨーロッパと東アジアを南アジア経由で結ぶ東西の交易ルートとしての歴史です。

たとえば、コーヒーやスパイス、乳香の貿易。かのモカコーヒーは、イエメンのモカ港から船積みされたことに由来して名づけられました(ただし、18世紀半ば以降、コーヒー豆はモカ港ではなくアデン港などから船積みされており、現在、モカの街は過去の栄華の跡を残すだけとなっています)。

現地では、コーヒーの殻をカルダモンやシナモンなどのスパイスと一緒に煮出した、ギシルと呼ばれるコーヒー飲料がよく飲まれています。

イエメン料理の写真

イエメン風野菜のスパイス煮込み&スープ
イエメンの野菜スパイス煮込みとスープ

イエメン料理のレシピ

サルタ|イエメン料理 レシピ|e-food.jp
とろろのようなソースをかけて食べる庶民料理 とろろのような白くて粘り気のあるフェヌグリークのソースをかけたイエメン料理の野菜シチュー。原型は数千年前からあったともいわれます。
イエメン料理レシピ集|世界の食|e-food.jp
イエメン料理のレシピ集です。

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