オランダ王国 Kingdom of the Netherlands | ヨーロッパ
質素が誇りの食文化
ベネルクス三国(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)のうち、ヨーロッパきってのグルメな国として知られるベルギーとは対照的に、オランダは、中世以来、貧しい中で低地を開拓して倹約を心がけたことで発展した歴史から、質素であることを誇りとしてきた国民性。そのため、食に関しても凝った料理が少ないといわれてきました。
ご存じのように、日本はかつて鎖国中であっても、オランダとは出島を通して交易を行っていました。しかしながら、カステラやかき揚げなどを日本に伝えたスペインやポルトガルに対して、オランダから直接、伝わったという食べ物はあまりありませんでした。

↑パネクック


国民食といわれるヒュッツポット Hutspotも、牛肉とじゃがいも、たまねぎ、にんじんを一緒に煮込んだだけの、素朴な田舎料理です。
しかしその反面、酪農の盛んな国だけに、チーズは品質がよく、種類も豊富です。たとえば、エダム、ゴーダ、レイトセカース、フリーラントセカースなど、世界的に知られるチーズが少なくありません。朝食を大切にするお国柄で、黒パン、白パンと、これらのチーズや、半熟卵などを一緒にいただきます。
また、パネクック(上写真)という、オランダ独特の厚い生地のクレープは、食事として、またデザートとしてポピュラーな料理。オランダ特産のエダムチーズ、ハムをはじめ、いろいろな具を乗せていただきます。
ところで、オランダの食事でおもしろいのは、長らく旧植民地だったインドネシアの料理(現地で「クーケン・インドネジズ」という)が、家庭料理として定着していること。ナシゴレンやミーゴレンのほか、ご飯と、スパイシーな肉や魚、野菜料理が並ぶレイスターフェルが代表的なメニューです。
また、オランダで人気の飲み物といえば、ビール。中でも、”ハイネケン”が世界に知られるブランドです。
また、かのココアパウダーの製法を発見したバンホーテンも、オランダが世界の誇るブランドとして知られています。ダッチコーヒーという、かつてオランダ人が東インドで発明した水出しコーヒーもあります。これらはかつて、世界に植民地を広げて繁栄したオランダの輝かしい歴史を今に伝えるものともいえます。
オランダ料理の写真

パネクック

ヒュッツポット
オランダ料理のレシピ
