ハンガリー共和国 Republic of Hungary | ヨーロッパ
パプリカを多用した料理

↑グヤーシュ


ハンガリー料理の特徴としてまずあげられるのが、パプリカを多用すること。パプリカは甘味を含み、ビタミンCが豊富なとうがらしの一種で、乾燥させて粉末に挽いたものが料理に使われます。パプリカは、16世紀に原産地のアメリカ大陸からスペイン、さらに当時オスマン帝国に占領されていたバルカン半島経由で、ハンガリーにもたらされたという説があり、ハンガリーで品種改良されました。
パプリカを使ったハンガリー料理の筆頭格は、グヤーシュ。パプリカ粉と、肉とじゃがいも、たまねぎ、そしてタルホニヤ(Tarhonya)というゆでた団子を一緒に煮込んだスパイシーなシチューで、9世紀にマジャール人が伝えた料理に18世紀からパプリカが加わったといいます。
また、ポルコルトという、タマネギの香りが強く、肉の脂肪分が多いグヤーシュに似た料理や、大きめの肉に濃い煮汁や生クリームやサワークリームを混ぜたパプリカーシュ、パプリカーシュ・チルケというチキンのパプリカ煮込み、肉をフレンチポテトのように細長く切り、マッシュルームやアスパラガス、がちょうのレバーを加えたトカニ、ハラース・レーという魚スープにもパプリカ粉を使います。
またハンガリー人は豚肉が大好き。料理にはバターよりも豚の脂のラードを用い、ベーコン(コロジュヴァール・ベーコン)やソーセージ(デブレツェン、燻製のギュライ・ソーセージ)など豚肉の加工品も豊富にあります。彼らはデザートにもラードを用いるほどです。最近では、ハンガリーの国宝級といわれる希少種で、コレステロールの原因となる飽和脂肪酸の量が少ないため健康に良いとされるハンガリー固有の豚マンガリッツァが、日本にも輸入されるようになりました。
デザートはレーティッシュという、オーストリアのシュトルーデルに相当するペストリーがポピュラーです。これはトルコのバクラヴァがもとになっているといわれています。
雄牛の血のように濃厚な赤ワイン
そして飲み物は、何といってもワイン。ハンガリー北東部のカルパチア山脈のトカイで生産される、地ぶどうのフルミントを使ったトカイ・ワインが世界的に有名です。ほかに、雄牛の血のように濃厚な赤ワイン、エグリ・ピガヴェールや、アプリコットのブランデーも有名です。また、ハンガリーではコーヒーの消費量も高いようです。
ハンガリー料理のレシピ

