ギリシャ料理

 ギリシャ共和国 Hellenic Republic | ヨーロッパ

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ガストロノミーの発祥地

ギリシャは、神話と史実が入り混じった紀元前年3000年からの長い歴史を持ち、ヨーロッパ文明と民主政治の発祥地。
神話と、哲学、演劇(悲劇)などに名を残し、ローマ帝国から分裂した東ローマ帝国(ビサンチン帝国)の栄華、そして15世紀以降のオスマントルコによる征服の時代を経て、19世紀に独立戦争に勝利して近代国家として歩み続ける今日まで、いにしえの昔からの独自文化を守ってきました。
↑スパナコピタ
ギリシャ地図 ギリシャ

ギリシャ人の自慢は、古代ギリシャから受け継がれた”ガストロノミー”(美食文化。ギリシャ語のgastros=胃+nomos=規則から、18世紀のフランス人の詩人ジョゼフ・ベルシューが造った言葉)の伝統。肉を火であぶっただけの原始時代の料理法を、現代の”調理”にまで発展させたのは、ギリシャ人による功績が大きいといいます。

特に、紀元前4世紀のアレクサンドロス大王の時代に、ビサンチン帝国の宮廷とそれを囲む貴族の世界では、ペルシャなどの影響を受けて、その調理方法はめざましく発展を遂げました。ヤギのチーズ(フェタチーズ)やスペルト小麦、ワインなど、当時から現在に至るまで、ギリシャ人に親しまれている食べ物や飲み物も少なくありません。

オスマントルコ帝国の時代を迎えると、トルコやアラビアなど東方世界の料理との融合がさらに進みます。スブラキ(トルコのドネルケバブ)や、ムサカ、ギリシャ版ラザニアのパスティチョ、ほうれん草入りのパイのスパナコピタ(上写真)、また、ひよこ豆のペーストやヨーグルトサラダなど前菜メゼは、この頃、中東からギリシャに渡って根付いた食べ物です。

食材は、ギリシャの乾燥した土地に生息するオリーブやぶどうの木、放牧されたヤギや羊、そして地中海の恵みである魚介類などが多用されてきました。魚や貝はもちろん、イカをはじめ、ギリシャはヨーロッパでは数少ない、タコを食べる国でもあります。また、海洋国であることもあって、昔から船上でも保存のきくことで重宝されてきた干し鱈(バカヤロ)も食材としてポピュラーです。

現在のギリシャ料理の特徴としてまずあげられるのは、オーブン料理が多いこと。ただし、夏は暑い気候ということもあり、オーブンから出した焼き立てを食べるのではなく、少し冷めたものを食べることが多いようです。味付けは、オリーブオイル、トマトソース、レモン、塩、ハーブ(スパイス)など、比較的シンプル。オリーブの実や、フェタチーズも食卓に欠かせません。そして食事には、ワインがつきものです。

ギリシャのワインと蒸留酒

特に、中央ギリシャで造られるレッツィーナという、松脂で香りをつけたギリシャ独特の白ワインは、単独で飲むとクセを感じますが、ギリシャ料理といただくと、なぜかしっくりとよく合う一品。

古代ギリシャでは、酷暑の中でワインの劣化を防ぐため、アンフォラと呼ばれるワイン壷を使用していたのですが、そのアンフォラに松脂で栓をしたものが溶け込んだのがはじまりといわれています(現在では、製造過程で松脂をワインに加えている)。ギリシャ人はレッツィーナに誇りを持ち、ギリシャの伝統的なアペラシオンによって、含まれる松木類の量にいたるまで厳しく規制されているといいます。

ほかに、ギリシャのお酒では、ウゾという、アニスで香りをつけたぶどうの蒸留酒(同じお酒をトルコではラク、レバノンなど中東ではアラックといい、いずれも水を加えると白濁する)や、ブランデーのメタクサ(ブランド名)なども人気です。

ギリシャ料理の写真

ムサカ
ムサカ

ギリシャ料理のレシピ

パスティチョ|ギリシャ料理 レシピ|e-food.jp
ムサカのパスタ版。イタリアのラザニアに似たギリシャのオーブン重ね焼き料理です。
ダコス|ギリシャ・クレタ料理 レシピ|e-food.jp
ブルスケッタに似たクレタ島特有のメゼ
ギリシャ料理レシピ集|世界の食|e-food.jp
ギリシャ料理のレシピ集です。

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