チリ共和国 Republic of Chile | 南アメリカ
シーフードとワインに恵まれた国
南米大陸の南西部、太平洋に面し、アンデス山脈をのぞむ細長い国チリ。豊富なシーフードと、イースター島やパタゴニアの自然、そしてアンデス山麓で栽培される芳醇なチリ・ワインなどでも知られる、スペイン語を公用語に、カトリック教徒が大多数を占める国です。
↑パステル・デ・チョクロ
アルゼンチンやブラジルと同様、チリも、先住民との混血のほか、ヨーロッパや中東からの移民の国。パリジャーダ(焼き肉)として食べる牛肉やチキンのほか、海に面していることからシーフードをよく食べ、首都サンチャゴにあるメルカドマリスコス(魚介市場)には、さまざまな海の幸が並んでいます。
たとえば、アワビ、ウニ、ハマグリ、エビ、それにチョロスと呼ばれる巨大なカラスガイ…。サンチャゴのメルカドマリスコスには東京の築地市場の場外のように、シーフード料理を食べさせる小さなお店が立ち並んでいるのですが、そうした魚介類を使った代表的な前菜料理に、セビッチェ(魚介のマリネ)があります。
また、他の南米諸国と同様、チリでも先住民が食べていたとうもろこしが定番で、料理のバリエーションもいろいろあります。
たとえば、ゆで卵や肉、オリーブ、たまねぎなどの具にとうもろこしのペーストをかけてオーブンで焼いたパステル・デ・チョクロ(上写真)や、とうもろこしをつぶしてたまねぎやトマト、スパイスと煮たウミータ(Humita)などのメインディッシュ。
ほかに、エンパナーダ(肉やハム、チーズ、野菜などの具を小麦のタネで包んで揚げたスナック)、ウルポ(焦がした小麦粉とミルクで作るオートミールがゆ)、スペイン料理の影響を受けたピルピル(にんにくを効かせた熱したオリーブオイルに魚や貝などを入れて食べる料理)などもよく食べられています。
チリの飲み物といえば、世界的に有名なワインのほか、ぶどうの蒸留酒ピスコ、ハーブティーのアグィータス(Aguitas)、マテ茶(イエルバ・マテ)などが人気です。
19世紀の中ごろにフランスのボルドーから持ち込まれたチリのぶどうの木(カベルネソーヴィニヨンやメルロー、現在ヨーロッパには残っていないカルメネールなど)は、ヨーロッパを襲ったぶどうの木を枯らしてしまうフィロキセラ(害虫)の被害を免れて、古木を保ってきたことから、ヨーロッパの醸造元がチリに進出しはじめ、優れた品質でありながら手ごろな価格のワインを造ってきました。アンデス山脈のふもと等に多数のワイナリーを持つコンチャ・イ・トロ社などが有名です。
またペルーあたりでも作られているアルコール度の強い酒ピスコは、現地では、卵白のメレンゲ、レモンジュース、粉砂糖を混ぜてピスコサワーとしてよく飲まれています。
チリ料理のレシピ


