アルジェリア民主人民共和国 People’s Democratic Republic of Algeria | アフリカ
ベルベル、アラブ、トルコの文化がミックス
「ここは地の果てアルジェリア…」と、日本では歌謡曲”カスバの女”で歌われた、地中海に面する北アフリカのアルジェリア。実は、首都アルジェにある、この城壁で囲まれた要塞カスバをはじめ、現在、国内に7つもの世界遺産を有する、歴史が古く、観光的な見どころも多い国です。サッカーの元フランス代表ジネディーヌ・ジダンのご両親の出身地でもあります。
↑アルジェリア・クスクス
アルジェリアは、北アフリカの先住民ベルベル人と、歴代の宗主であったアラブ人やトルコ人の文化がミックスした料理が特徴的です。ラムや家禽類、野菜の素朴な煮込みを主としたベルベル人の伝統料理に、アラブ人やトルコ人のもたらした数々のスパイスやオリーブオイル、多彩なパンが加わりました。
さらに19世紀に支配下となったフランスの影響で、アペリティフやデザートの習慣ができたり、トマトピューレが使用されるようになりました。国民食としてよく食べられているのは、セモリナ小麦を粒状にしたアルジェリア式のクスクス(上写真)。通常は蒸して、肉(羊肉が多い)や野菜を添え、その煮汁をかけていただきます。
ほかに、ブリック(薄いパイ皮のようなフィロに肉や卵、タマネギをはさんで焼いた料理)や、ラム肉を炭火焼きしたメショウイ(Mechoui)、スパイシーなラム肉のソーセージ、メルゲズ・ショルバ(Merguez Chorba)、スパイスで味付けした野菜の玉子焼きチュクチェカ、スパイスで味付けした肉を野菜に詰めたドルマ(Dolma)。
北西部の地中海沿岸の街オランでは、対岸のスペインの影響を受けてパエリヤもポピュラーです。また、南部の砂漠地帯では、ちぎったパンをシチューに入れて食べたりします。
アルジェリアは、隣国のチュニジアやモロッコと同様、ペストリー菓子の種類が豊富。いちじくとナツメヤシの実が入ったマクロード(Makroud)や、三日月型でアーモンド入りのチャカブ(Chacab)、バターとはちみつを塗った焼きセモリナのタミナ(Tamina)など、日本人の感覚では甘すぎるお菓子も少なくないのですが…。
飲み物では、濃いトルココーヒーがよく飲まれています。コーヒーに水が添えられるのが、アルジェリア流。またモロッコと同様、生のミントの葉入りのお茶や、フレッシュな果物のジュースも。独立前はフランス向けワインの生産が盛んでしたが、現在は国内のイスラム教徒はアルコール厳禁とされ、ワイン産業の規模は縮小しています。
アルジェリア料理のレシピ

