カリブ海・メキシコ・スペイン・マヤと国際色豊かな食文化
↑フライ・ジャック
ベリーズの料理は、カリブ海・メキシコ・スペイン・マヤの食文化が融合して形成されています。さらに、長年にわたってインド・中国本土・ナイジェリア・近傍の中央アメリカの国々から移民を受け入れてきたことや、観光事業における美食傾向が強くなり欧米の料理が取り入れられたことから、より一層国際色豊かになりました。
現在ベリーズでポピュラーな料理、たとえば米と豆やメスティソ・チモーレ、マヤ風カルド、ガリフナ・フドゥ(Garifuna hudut)、インドのカレー、小麦粉の生地を揚げたフライ・ジャック(上写真)も、そのような背景でベリーズに定着したものです。
ベリーズではレカド(recado)と呼ばれる香辛料やハバネロ、ハラペーニョでスパイシーに仕上げるほか、ココナッツミルクもよく利用されます。米と豆(rice-and-beansまたはbeans-and-rice、後者は米と豆を別々に調理し、豆とグレービーソースを白米にかけたもので前者と区別されています)が主食として毎日のように食されています。これに似た料理で、干しエンドウとブタのテールを煮込んで白米にかけたものも人気です。
魚や肉は煮込んで食されることが多く、魚・牛のテール・牛肉・鶏肉・豚肉のほかロブスターもシチューの材料となります。このほか狩猟で得られる獣肉もよく食べられており、鹿やhicateeと呼ばれるウミガメ(タイマイは食用とすることが禁じられています)、イグアナ・パカは食用として人気があります。
その他、野菜と肉を一緒に煮たボイルアップ、チモーレ(chirmole)やレレーノ(relleno)といった黒いレカドを用いた真っ黒のスープや、フィッシュ・セレ(fish sere)やフドゥ(hudut)といった魚をココナッツミルク・コンク貝のスープ・牛足のスープで煮込んだ料理がベリーズ伝統料理として知られています。
これらの料理の付け合せとしては琥珀色に揚げたプランテーン(料理用バナナ)が添えられることが多いほか、ベリジャン(Belijun)と呼ばれるハインツのドレッシングで味付けしたポテトサラダやコールスローも好まれています。
とうもろこしや小麦で作られたトルティーヤに裂いた鶏肉・玉ねぎ・キャベツ・コリアンダーをはさんだタコスやミートパイ、コンク貝のフリッター、とうもろこしや鶏肉を入れたタマレスまたはタマリットス(ドゥクヌ(dukunu)と呼ばれる)はファーストフード感覚で手軽に路上で買うことができます。
ベリーズ料理のレシピ
