ヨーロッパとアフリカがミックスした食文化
西インド諸島内の小アンティル諸島東端にあり、旧宗主国イギリスの影響を今も残す国。アフリカ系の住民が大多数を占めるこの国では、西アフリカの主食フーフーを彷彿とさせる、刻んだオクラ入りのコーンミールクークー(Cou-cou 上写真)が、国民食ともいえるポピュラーな食べ物です。
クークーは、この国の海域に多く生息するトビウオのフライの盛り合わせと食べるのがバルバドス流。トビウオはバルバドスの国魚でもあり、同国の切手やコインにも描かれています。
バルバドスはまた、グレープフルーツの原産地としても知られています。
↑クークー
また、キマメ(pigeon peas)入り炊き込みごはんのライス・アンド・ピーズは、バルバドスの日曜日のランチに欠かせない一品。他には豚肉をはじめとする肉類、ソルトフィッシュ(=干しタラ。「フィッシュケーキ」や「フィッシュフライ」にして食べることが多い)、フエダイ、マグロなどの魚、ヤムイモ、キャッサバ、プランテーン(調理用バナナ。輪切りにしてフライで食べることが多い)、パンノキの実などもよく食べられている食材。
サツマイモに似た味といわれるパンノキの実は、かつてイギリス植民地時代に奴隷向けの安い食料として、タヒチからカリブに運ばれたものです(このパンノキ搬送のいきさつは、「バウンティ号の反乱」として歴史的にも知られています)。
豚肉は彼らの好物のひとつで、カリブの他の旧イギリス領でも見かける、ペッパーポットという、スパイシーな煮込み料理として調理されたりします。 またインド系移民の料理であるロティ(カレーを包んだ薄焼きパン=ロティ。薄焼きパンそのものを指すインドのロティとは違うもの)もスナックとして人気があります。
バルバドスでも、他のカリブや中米諸国と同様ペッパーソースやペッパージェリーという、とうがらしをベースにした辛い調味料が日常的に使われます。バルバドス特有のペッパーソースは、スコティッシュ・ボンネット・ペッパー(ボンネット型の丸っこいとうがらし)と、新鮮なターメリック、エシャロット、ドライ・イングリッシュ・マスタード、玉ねぎと酢から作ります。
バルバドスを代表するドリンクといえば、何といってもラム酒。さとうきびに含まれる糖蜜を発酵・蒸留して作られるラム酒は、プエルトリコもしくはバルバドスが発祥という説があるくらいで、カンチェ(Kaniche)やマウントゲイ(Mount Gay)など、世界的にも著名なメーカーのラム酒が製造されています。
また、別名をバルバドス・チェリー(Bajan Cherry。西インドチェリーとも)という、ビタミンCの豊富な西インド諸島原産の果実アセロラを搾ったジュースや、カリブ海地域でよく飲まれているマウビー(Mauby)という黒色の甘い樹皮ベースの飲料もポピュラーな飲み物です。
バルバドス料理のレシピ

