ボリビア多民族国 Republic of Bolivia | 南アメリカ
3つの特色ある風土に分かれた国
南米大陸の内陸部にあり、ブラジルやアルゼンチン、ペルー、チリ、パラグアイと国境を接する国ボリビア。ペルーと同じくかつてのプレ・インカおよびインカ帝国の文明圏であり、今もアイマラ族やケチュア族らスペイン人が”インディオ”と呼んだ先住民の人口比率が高く、民族楽器ケーナで演奏する”コンドルは飛んでいく”に代表されるような、アンデス地方のフォルクローレが特徴的です。
また国土はアンデス山脈の高地だけではなく、さまざまな自然と風土を持ち合わせた国でもあります。
↑サルテーニャ
ボリビアは地理的に大きく3つの地域に分けることができます。ひとつは、標高3000m以上の寒冷地で、首都ラパスのあるアンデス山脈地域、またブラジルとの国境あたりに広がるアマゾンの熱帯雨林地域、そしてアンデスとアマゾンの中間にあるバジェと呼ばれる温暖な地域。
気候の違いから料理もそれぞれ少しずつ違いますが、おおまかには、ボリビアの食文化はペルーとよく似ていて、じゃがいも、とうもろこし、パンを主食に、肉(牛肉、鶏肉、そしてクイという天竺ネズミの一種)をよく食べます。
じゃがいもととうもろこしはアンデスが原産地であり、特にじゃがいもはボリビア人にとって重要な食べものです。ボリビアにはおよそ220種類のじゃがいもが生育しており、アイマラ族の言葉にはじゃがいもに関する200以上の単語があるとか。農村部ではじゃがいもを天日干しにして水分を取り除き、夜には凍らせて長期間、保存します。この干したじゃがいもをチュニョス(chunos)といい、食材として使われます。
ほかに、キャッサバや豆、栄養価の高さから健康食として世界的に注目されているアンデスの穀物キヌア、プランテーンバナナ(料理用バナナ)などもよく食べられている食材です。
ボリビアで人気の料理は、鶏肉やゆでたまごを包んで揚げたサルテーニャ(上写真)や、とうもろこし粉の皮でひき肉などの具を包んで揚げたエンパナーダ、とうもろこし粉のペストリーのウミータ、ポリョ・エスカベーチェ(とうがらしソース味のチキンとピクルス)、サヒタ・デ・ポリョ(Sajta de Pollo。黄色いとうがらしとにんにく、クミン、塩、パセリ、たまねぎで調理したチキン)、チチャロン(豚肉の揚げもの)、ボリビア式リゾットのロクロ(Loclo)など。
チチカカ湖の沿岸地方では、マスや食用ナマズのスルビ、金色の中型魚ドラド、トウゴロウイワシの一種ペペレイといった魚、また南部ではアヒ・デ・レングア(スパイシーな牛タン料理)、アンティクーチョ(牛の心臓(ハツ)の串焼き)といった牛肉料理がよく食べられています。
一般的にボリビア人は辛い味付けが好きで、リャフア(Llajua)というスパイシーなトマトソースが食卓によく常備されています。
果物は、ウチワサボテンやチリモヤ(chirimoya)というカスタードアップルが人気。またポピュラーな飲み物は、インカ帝国の時代から飲まれていたハーブティーのマテ茶や、すもものジュースのモコチンチ、キャッサバまたはとうもろこしを発酵させたお酒チチャ、白ぶどうの蒸留酒シンガニ(単独で飲まれるほか、カクテルにも使われる)のほか、スペイン統治時代に広まったビールやラム酒です。
ボリビア料理の写真
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牛肉ハチノスと白インゲン豆の煮込み | ロクロ | モコチンチ |
ボリビア料理のレシピ

