キメト KIMET|浅草(エジプトグッズ販売店に業態転換)
[ エジプト料理 ]
※「キメト」は2013年5月現在、コシャリをはじめとする料理は販売せず、エジプトグッズの販売店になっています。
エジプト名物のコシャリを提供
【浅草】国内外からの浅草寺の参拝客でにぎわう、浅草六区通り・伝法院通り側に昨年オープンした小さなエジプト料理カフェ。エジプト名物コシャリ(右写真 500円)など現地らしい軽食が、リーズナブルな価格でいただけます。
コシャリの材料は、お米にマカロニ2種、ひよこ豆、レンズ豆、トマト、たまねぎ(フライにしたトッピング)、ニンニク、塩、油、そしてクミン。ダブル炭水化物+豆という腹持ちのよさが、いかにもB級グルメ的なのですが、調味料はシンプル、しかも肉を使っていないのに、どうしてこれだけ奥深いおいしい味が出るのだろうと、ちょっと驚きます。
メニューはほかに、健康食として日本でも知られるようになったモロヘイヤスープ小500円より(ライス付き)をはじめ、フライパンで焼くエジプト式ムサカ(ライス付き)600円、割るとつぶしたそら豆の緑色が鮮やかなターメヤ400円など。エジプト版ファストフードの、肉なし料理ばかりです。
店主のモーメン・バドルさんいわく、自然とそうなっただけで、特にベジタリアン向けとかヘルシー志向を狙ったわけではないそうなのですが、どの料理もやさしく味わい深くて、油もしつこくないし、肉がなくても不思議としっかり満足できました。これも、文明発祥の地・エジプト8000年の歴史のなせる技でしょうか(笑)。
左写真は、エジプト産の乾燥モロヘイヤを使ったモロヘイヤスープ。ドロドロ、ネバネバ感がいかにも体によさそう。材料はにんにく、塩、コリアンダーシードだけととてもシンプルなのだが、クセも少なくておいしい。右写真はさっぱりとしたエジプトのピクルス。
エジプトのムサカ。材料は米なす、たまねぎ、トマト、ひよこ豆。なすが何ともいえないほどおいしくて、コシャリとともにおすすめの一品である。一緒に付いてくるライス(右写真)には、細いビーフンのようなパスタが混ざっている。何気に凝った本格派なのだ。
アツアツ揚げたてのターメヤ(そら豆のコロッケ)のサンドイッチ400円。ターメヤの材料は、そら豆、コリアンダーシード、イタリアンパセリ、白ごま。中を割ると、鮮やかな緑色が美しい。料理にはお好みでにんにくのソース、または激辛ソース(下左写真)をかけて食べと、いっそうおいしくなる。
右写真は、シーシャ(中東でポピュラーな水たばこ)をくゆらす店主のモーメンさん。知的かつ穏やかでありながら、エジプト人らしく陽気で、情熱的な一面を持った方だ。
お店ではシーシャ(いろいろなフレーバーあり)も安価で楽しめる。さらに、クレオパトラも愛飲していたという、ビタミンCたっぷりのカルカデ(ハイビスカスティー)や、エジプトではコシャリの後のデザートの定番というロッズ・ビ・ラバン(ライスプディング)などのサイドディッシュや、いろいろなエジプト雑貨も買える。
遠いアラブのエジプトと浅草は、下町らしい飾り気のなさと、まったり感が意外とぴったりくる。客席は5席程度しかないので、混んでいるときは料理をテイクアウトするのもよいかもしれない。
ちなみに店名のKIMETは、エジプトの古代の名称だそうです。
モーメンさんは、海外ロケが欠かせない、某テレビのなるほどな長寿番組等のコーディネーター・翻訳に10年近く関わっておられる方。本業がありながらなぜ浅草でコシャリの店を?といえば、「コシャリを日本人に知ってもらいたかったし、浅草の雰囲気がカイロのハーンハリーリ市場そっくりだから」(中東倶楽部さんのインタビューより)。
なるほど。それにしてもモーメンさん、江戸情緒を復元した浅草六区通り界隈の中で、黄金のツタンカーメンの看板がすでにめちゃくちゃ目立ってますよ(笑)。それに、通りを歩いているとお店の中がよく見えるので、「何だこりゃ?」とのぞいていく人の多かったこと、多かったこと...。
お店の外に出ると、目の前に東京スカイツリーが見えるという、絶好のロケーション。もしかすると、スカイツリー見学後の食事処としてこれからいっそう活気の出そうな浅草で、名物食堂のひとつになったりするかもしれませんね。
参照
→エジプト料理について
キメト
東京都台東区浅草1-41-9
Tel. 080-4369-9885
http://www.kimet.biz/
http://r.gnavi.co.jp/gabu600/
■営業時間 Open: 火・水・金11:30-17:00、土・日・祝11:30-20:00
■定休日 Close: 月・木
※オーナーのTVロケ参加による長期の臨時休業あり。出かけるときは事前にお店に連絡して営業状況を確認することをおすすめします。
e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、全日本司厨士協会会員 調理師。主な著書:図鑑NEOまどあけずかん「せかいのりょうり」監修(小学館 2021)、「世界の郷土料理事典」(誠文堂新光社 2020)。
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