2010年05月31日

スロバキア弁当 Slovakia Bento

bento_slovakia.jpg

じゃがいものパンケーキで

スロバキアのお弁当。ゼミアコヴェー プラツキ Zemiakové Plackyという、スロバキアのじゃがいものパンケーキに、サワークリーム、紫いも、トマトソースをトッピングしてみました。

スロバキアの国旗は、ロシアやセルビア、スロベニアなど他の汎スラヴの国と同様に赤・青・白の三色が使われ、左上に国章が記されています。

じゃがいももサワークリームも、スラブ諸国でよく使われる食材。国旗の青に相当する部分は、本当はスラブの国らしく、ビーツ(赤かぶ)の酢漬けにしたかったのですが、手に入らなかったため紫いもで代用しました。スライスしてそのままフライパンで焼いています。

ところで、かつて同じ国だった隣国チェコにも、ブランボラークという、よく似た(というか、ほぼ一緒の)じゃがいものパンケーキがあります。スロバキアとチェコはほかにも共通した料理が多いのですが、スロバキアはいポーランドやウクライナの食文化に近く(スロバキアではウォッカが製造されている)、チェコはドイツ寄り(チェコでは、古代ゲルマン人がヨーロッパにもたらしたビール醸造が盛ん)といった感じがします。

先日、ニューヨーク市クィーンズの東欧人街にあるチェコ&スロバキア料理店を訪ねてみたのですが、メニューにマークが付いていて、チェコ料理、スロバキア料理、両者共通の料理とはっきり分かれていました。両国は言語が違いますし、もともとお互い似ていても別の国だという認識があったのかもしれませんね。


【スロバキア弁当】レシピ (グループF)

■材料

<ゼミアコヴェー プラツキ>
(スロバキア・スタイルのじゃがいものパンケーキ)
Zemiakové Placky

・じゃがいも 大2 (すりおろす)
・たまねぎ 小半個 (すりおろす)
・にんにく 1片 (すりおろす)
・たまご 1個 
・小麦粉 大さじ1
・塩、黒コショウ 適量
・マジョラム(スロバキアでよく使われるハーブ) 適量
・バター 適量

slovakia_potatopancake.jpg

<作り方>

1.ボウルの中に、すりおろしたじゃがいも・たまねぎ・にんにくと、塩・黒コショウ、マジョラムを入れて混ぜ、さらに小麦粉を加えて、たまごを割り入れ、さらによく混ぜる。

2.1の生地を、バターをしいたフライパンにお弁当箱のサイズ程度の大きさに流し込み、中火で両面を焼く。

<トッピング>
・サワークリーム(硬い場合は牛乳を加えてトロリとなめらかにする)
・ビーツ(赤かぶ)の酢漬け なければ紫いもの輪切り(フライパンで焼く)や、ナスで代用。
・トマトソース、またはケチャップ
・トマト(国章の部分。皮をカットして使用)
・白チーズ(ピザ用の細切りチーズが使いやすい)

<お弁当箱への詰め方>

・まず、お弁当箱にポテト・パンケーキを詰め(自分の食べたい枚数。今回は2枚重ね)、スロバキアの国旗の通りに、サワークリーム(白)、ビーツ(青)、トマトソース(赤)を飾り、さらに左上にトマトの皮とチーズ、小さく丸く切ったビーツで国章を飾ってできあがり。


slovakia_guyash.jpg

TIPS&ひとこと

※付け合せのスープには、スロバキアでポピュラーなパプリカスープ、グヤーシュ(グラーシュ。左写真)をぜひどうぞ。もともとはハンガリーの代表的な料理です。

グヤーシュの作り方は意外と簡単。まずライパンでたまねぎのみじん切りとにんにくを油で炒め、パプリカの粉(大さじ1)をからめます。そこに牛肉の角切りを加えて炒め、さらににんじん、じゃがいも、トマト、赤パプリカの角切りと固形ブイヨンを溶いたお湯を加えて、塩・コショウで味を調え、具が柔らかくなるまで30分ほど煮込めばできあがりです。

本格的なレシピでは、もっとじっくりと煮込みます。またカレーと一緒で、できたスープを1日以上置くと、食材の味がなじんでいっそうおいしくなりますよ。

参照
スロバキア料理について


profile 著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki

e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、全日本司厨士協会会員 調理師。主な著書:図鑑NEOまどあけずかん「せかいのりょうり」監修(小学館 2021)、「世界の郷土料理事典」(誠文堂新光社 2020)。

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