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2008年05月31日

ヨウニ・トルマネン?フードフランス|コートダジュール

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フィンランド出身のシェフの南仏料理

【表参道】今年度のフードフランスの第2弾が5月22日から27日まで、レストラン「ブノワ」で開催され、ランチに行ってきました。

今回の来日シェフは、ニースのレストラン「ラ・レゼルヴ」のシェフ、ヨウニ・トルマネン氏。今年度のフードフランスは、フランス以外の出身のシェフが多いのですが、トルネマンさんも出身もフィンランド出身。ご自身のレストランは今年見事、ミシュランの1つ星に輝きました。

でも作るお料理は、母国の料理ではなく、アラン・デュカス氏のもとで修行して影響された、地中海の香りただようものです。

上写真はメインの「6時間かけた仔羊 ピッツァヨーロ仕立て」。あれ、南仏というよりはイタリアのイメージ...。と思っていたら、シェフのお店から車で30分も走ればイタリア国境なのだそうで、なるほど。

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アペリティフとパン。前者も何だかイタリアっぽい。シェフがフランス以外のご出身ということで、南仏だけにこだわりがないのかも。おいしいものに国境はない?

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さわやかなグリーンピースの冷製スープ(ヴルーテ)と、アーティチョークのリゾット。前者は南仏的。後者はニースのオリーブオイル風味仕立てで、仏伊合作といった感じ。

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フレッシュアンチョビのデリスと、デザートのパンナコッタ・ヴァニラ風味。またまた仏伊がミックスしたような料理。ごちそうさま!


というわけで、塩味もほどほどのおいしいお料理でした。シェフは1971年生まれというから、37歳でしょうか。でも何だかもっと若々しくて、少年っぽさを残した、北欧出身らしい紺碧の瞳が美しい方でした。

私などがまずシェフに質問したかったのは、「ご自分のお料理に母国フィンランドの影響が表れていると思いますか?」。すると、こんな答えが返ってきました。「ええ。素材を生かしたシンプルな調理法や、色彩の透明感にフィンランドらしさが出ていると思います」。

なるほど。さわやかなハーブや、すうっと透き通った色彩の美しさ、そして、南仏の伝統食材にこだわらない斬新さが特徴的だったと思います。フランスでは日本人シェフも活躍していますが、従来のフランス料理のしきたりを踏襲しながら、出身国のお国柄を反映したお料理で、ますますフレンチの世界が新しく広がっていくのでしょうね。

今年のフードフランスは、そんな「さまざまな国出身者の目線が生きたフレンチ」を数々味わわせていただけそうで楽しみです。


ブノワ・東京
渋谷区神宮前5-51-8 ラ・ポルト青山 10F
Tel. 03-5468-0881
http://www.benoit-tokyo.com/

■営業時間:ランチ 11:30-14:30(LO)
        カフェ ブノワ 11:30 - 22:00pm(LO)
        ディナー 17:30 - 22:00(LO)
■定休日:無休



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profile 著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki

e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、全日本司厨士協会会員 調理師。主な著書:図鑑NEOまどあけずかん「せかいのりょうり」監修(小学館 2021)、「世界の郷土料理事典」(誠文堂新光社 2020)。

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