週刊ダイアモンド・特集「ガイジン様」大争奪戦
[ ■各国料理の本 ]

東京エスニックマップや食材店リストも
タイトルはひどいけれど(苦笑)中身は充実。現在、発売中の週刊ダイアモンド5月31日号の「ガイジン様大争奪戦」では、低迷する消費市場の切り札として外国人の購買力にスポットを当て、日本の外国人に関する情報が特集されています。
切り口はいかにも金融・経済誌らしいのですが、"8日間で300万円散財!ロシア人青年実業家の“大名旅行” などという記事のおまけに、"これが東京にあるガイジン村だ!"と題して東京のエスニックタウン・マップをフューチャー、さらに、さまざまな国・地域の食材店リストや地方の外国人分布度も掲載されていて、なかなか読みごたえがあります。

マップの方には、東京のどのエリアにどんな国の人が住んでいるか統計を記してあり、食材店やレストランの傾向を知る上の手がかりになりそう。特に、東京北部・東部の足立区や荒川区、葛飾区のディープゾーンっぷりに、さらに磨きがかかっているのが数字にも表れています(足立区のフィリピン人人口が3726人。それに東京のはずれにバルバドス人やレソト人、ウガンダ人が集まって住んでいるなんて知らなかった?)。
食材店リストは、私のような料理好きにはありがたい情報です。特に、新大久保界隈の食材店がますます充実しているのを改めて確認。私もごひいきにしている南インド系オーナーの食材店"NASCO"(タイ米が激安)などもちゃんと掲載されていました。
と同時に、日本で暮らす外国人の方々が、食材の情報を得るのに苦労されていることもわかりました。ベジタリアン用の食材を日本のメーカー品から探し出す努力など、ちょっと涙ものです。せめて英語は併記してあげないといけませんね。
よしあしは別として、少子化などの影響で、今後も日本に外国人は、国籍の多様さとともに増えていくのではないでしょうか。経済的にも文化的にも、上手に彼らと共生していければいいなあと思います。

e-food.jp代表、郷土料理研究家、コラムニスト。主な著書:『見て、読んで楽しむ 世界の料理365日』(自由国民社 2024)、図鑑NEOまどあけずかん『せかいのりょうり』監修(小学館 2021)、(誠文堂新光社 2020)、『しらべよう!世界の料理』全7巻(図書館選定図書・ポプラ社 2017)。
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