パルミラ|シリア料理・アラビア料理|池袋
[ レバノン・シリア・ヨルダン料理 ]

東京唯一の本格派シリア料理店
※最新訪問日:2009年3月1日。奥にチャイハネの座敷席ができていました。また近く新しいメニューを加えるそうです。
【池袋】2006年6月15日にオープンした、シリアをはじめ、レバノンやエジプトなどアラビア半島&周辺の料理を提供するレストラン。本格的なシリア料理を出すお店は、今のところ東京で唯一ではないかと思います。
料理の方は、マッザ(トルコやギリシャではメゼ)と呼ばれる前菜にはじまり、ケバブの盛り合わせ(上写真)、アラビア風ピラフのカプサ(上写真 900円)、シュワルマ(ドネルケバブ)900円、つぶした豆を丸めて揚げたファラフェル(3個850円)、タッブーラ(レバノンでは"タブーリ"という。2人前1500円)など。新鮮な野菜や豆、ヨーグルト、そしてオリーブオイルをたっぷりと使った、健康的で、やさしい味わいの料理がズラリ。特にマッザが秀逸です。
シリア人の店長でシェフでもあるアルクード・イブラヒムさんは、同じ池袋のロサ会館にあったシリアのケバブ店におられた方。良質な食材を使った、もっと本格的なお店を持ちたいと考え、現住所にあったインド料理店「ショナルガ」を引き継いで、新しいレストランをオープンされたそうです。


左写真は、ていねいに作られたマッザの数々。トルコ料理やレバノン料理の前菜と似ているけれど、国や地域よって味付けが違うそう。お店のマッザには、シリア風とレバノン風の味付けを用意している料理も。ムタッバル(シリア風ナスとゴマのペースト)、マクドゥーサ(白菜のピクルス)、ホンムス(ひよこ豆のペースト)などなど。焼きたてのモチモチ手作り中東パンや、ジャパティ(インドのチャパティに似ている)と一緒に食べるとグッド。
右写真は、野菜のシャキシャキ感が心地よいタッブーラ(クスクスとコリアンダーとパセリのサラダ)。バラをかたどったトマトの飾りがきれい。ちょっとしたエスプリがステキ。


ケバブの盛り合わせ(左写真)と、豆のペーストを揚げたファラフェル(右写真)。ファラフェルは、平べったいカタチがシリア流。ジャパティに乗せて、ホンモス(=フムス。ひよこ豆のペースト)をかけていただくのが、本国式だそう。


いかにもカラダによさそうなモロヘイヤのスープと、クスクス。クスクスは羊、チキンが選べるけれど、羊が断然おすすめ。臭さもさほど気にならないし、何よりもソースのコクが違う。食べ比べて納得しました。クスクスが黄色いのは、サフランで色と風味をつけたため。さりげなく、ひと手間かかっているのです。


小麦粉のタネでポットの蓋の淵を覆った"カプサ"のサーブ方法が独特で、おもしろい。右写真は、シリア産のハーブティー(カモミールに似ているが、ちょっと違うのだそう)。日本からシリアまでの直行便の飛行機がないため運搬料がかさんでしまうが悩みの種だが、シリアにしかない味や、シリア自慢の食材のクォリティを求めて、がんばって使っていきたいと、お店のイブラヒムさん。


ピスタチオやカダユフなどを使った、おいしいシリアの焼き菓子の盛り合わせ480円と、カルダモンの香りかぐわしいシリア式コーヒー。
コーヒーは、粉末に最初からカルダモンの粉が混ぜてあるシリア産で、トルココーヒーに見かけは似ているが、味わいはまったく別物。スッキリさわやかな後味が印象的で、はまりそう(笑)。装飾の美しい金属製の専用ポットもステキです。


エジプト風の美しいお皿でもてなしてくださる。右写真は、モロッコワイン3種(お料理によく合います)。お店にはほかに、チュニジアのワインやイチジクのお酒なども。


「パルミラ」の店内。本当に中東にきたような、エキゾチックなムード。金・土曜日の夜にはベリーダンスショーも。この日は、中東出身のダンサーによるショー。日本人ベリーダンサーのショーを行なうレストランは多いが、本場のダンサーが踊ると、雰囲気がまるで違ってくる!いうならば、劇団四季とブロードウェイ・ミュージカルの差。ショーチャージは無料で、料理の価格も通常のまま。これも、お店のホスピタリティのひとつ。
人が住み続ける都市として世界最古のひとつといわれる首都ダマスカスをはじめ、世界遺産に制定された美しい古代遺跡の残るシリア(そしてレバノンやヨルダン、エジプト)の雰囲気を伝えるべく、お皿や調度品もなかなか凝っています。
あ、日本で根強い人気のある、オリーブオイルでできたシリア産の"アレッポの石鹸"が、お店にも置かれていました。
ちなみに店名の「パルミラ」も、シリアの有名遺跡からとった名前。「香辛料でごまかさず、本物のアラビアの料理を紹介したい」と意気込みを見せるイブラヒムさん。スパイスや調味料、お菓子、お茶、コーヒーなど、食材をできる限りシリアから空輸で取り寄せるこだわりよう。だから、運搬費がかかってしまい、そのため、ポーションの割に料理の値段がちょっとだけ高めです。
でも料理を口にすれば、良質な食材を使用して、まじめに作った料理であるのがわかるはず。また、現在メニューを試行錯誤中とのことで、近いうち、新しいシリア料理がレパートリーに加わりそうです。
お店は駅から離れていて、ややわかりにくく、決してベストロケーションではないのですが、週末のこの日はほとんど満席状態。2ヶ月前に訪れたときよりも、アラビアらしい演出や、料理のサーブ方法などがかなり改善されていました。
コツコツと経営努力を重ねるレストランは、いずれ報われる。そんな法則の通りに、人気の波に乗っていってほしいなと思います。
パルミラ -Parmyra
東京都豊島区池袋2-58-8 TOビル2F
Tel. 03-3981-8293
■営業時間 Open: ランチ11:30-15:00(しばらくランチは休業とのこと)、ディナー17:00-24:00(LO23:00)
■定休日 Close: 月

e-food.jp代表、郷土料理研究家、コラムニスト。主な著書:『見て、読んで楽しむ 世界の料理365日』(自由国民社 2024)、図鑑NEOまどあけずかん『せかいのりょうり』監修(小学館 2021)、(誠文堂新光社 2020)、『しらべよう!世界の料理』全7巻(図書館選定図書・ポプラ社 2017)。
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学校の総合学習の調べ学習で、シリアについて調べています。
私たちの班は、郷土料理を紹介するのですが、どの料理も、みんな、おいしそうですね!!実際に食べてみたくなりました(>.<)
会社の近くなのですが池袋の駅からは遠くちょと場所がわかりずらいのが難点?開店してから何度か行きましたが宣伝が行き届かないのかお客様がまだぱらぱらと言う感じ。池袋は中華レストラン激戦区なので(あの有名なキャッシュボックスも倒産しました)これからの宣伝次第でしょうか。日暮里の「ザクロ」を目指して頑張って欲しいです。
ロサ会館1階にあった時もランチの時にベンチにぱらぱらという感じでいつのまにか閉店してまったお店だったのでちょっと心配です。
味は本場の味で美味しいので是非盛況になって欲しいと願うばかりです。