2006年06月21日


【新橋】JR新橋駅と都営地下鉄・大門駅の中間あたりという、意外なロケーションにあるペルー料理レストラン。
店名から、金物屋と間違える人が続出中らしいですが(笑)、コンセプトもなかなか意外で、フレンチの「オテル・ドゥ・ミクニ」で修行経験を持つ若い荒井隆宏シェフが、ヌエボ・ラティーノ(新ラテンアメリカ料理)の流れを汲んだ、洗練されたペルー料理を紹介しています。
ペルー料理と聞いても、ピンとくる方はそう多くないのでは?ペルー料理のお店はまだまだ少ないですし、ね。でも、インカからの歴史をはぐくみ、海も山もあるペルーは、知られざる食材の宝庫。トマトもじゃがいもも、とうもろこしも、とうがらしも、ペルーが原産なんです。たとえばアンデス地方には、食用・非食用を含めて、実に1000以上もの種類のじゃがいも(うち食べられるのは300種ほど)があるそうですよ。
日本でも、"インカのめざめ"という、アンデス産のじゃがいもを掛け合わせた、黄色いじゃがいもが売られるようになりました。
というわけで、食材には恵まれたペルーですが、いかんせん調理法がイマイチ垢抜けずに、長らく国際的な注目を浴びるまでにはいたらなかったわけ。でも、90年代にニューヨークで先のモダンな新ラテンアメリカ料理が流行して、一躍、日の目を見るようになったのでした。
そんなペルーに注目して修行に行かれたとは、荒井シェフ、なかなかお目が高い。フレンチの基礎をしっかりと積んだセンスにたけたシェフと、ペルーの豊かな食材がそろえば、まさに鬼に金棒ですよね。
そういえば、かの「NOBU」レストランのノブ・マツヒサさんも、ペルーで修行されたと聞いた覚えがあります(今でもお店には、和食のほか、セビッチェなどペルー料理のメニューがいくつかそろっています)。
また余談ですが、先日、ホテルオークラ東京で開催された、同じ南米のアルゼンチン・グルメ・フェアのために来日したフェルナンド・D・トロッカ・シェフも、マテ茶ややしの芽などアルゼンチンの伝統的な素材を使った、フレンチ風のモダンな料理を提供していましたっけ。トロッカ・シェフのお店「シュクレ」 は、ブエノスアイレスでも指折りの"予約の入らない"人気レストランとのことで、逆輸入されたヌエボ・ラティーノが、ご当地ラテンアメリカでも人気を呼んでいるのがうかがえます。
一方、移民の国ペルーには、各国の移民が持ち込んで広まった料理も。上写真は、"ロモ・サルタード"という、牛肉野菜の醤油炒めなのですが、まるで中華料理のようでしょう?ポテトフライと牛肉をさらに油で炒めるという、本来は何ともオイリーな料理なのですが、荒井シェフは、こちらも、あっさりとモダンに仕上げていました。
で、ほかの料理は以下のような内容。盛り付けにフレンチのエスプリが感じられ、今風にヘルシーさを心がけた味付けが印象的でした。


↑アッサリしたセビッチェと、ケーキのようなカウサ・レジェーナ(ペルーのマッシュポテトサラダ)。マッシュポテトの間には鶏肉(ツナのこともあるよう)がはさまっている。


↑ハレア・ミクスタ(ペルーの魚介類の唐揚げ風)と、ポジョ・ア・ラ・ブラサ(ペルーの炭火焼きチキン)。


↑とうもろこしやかぼちゃの粉を使った、デザートのピカロン(ペルーの揚げドーナツ)と、チチャモラーダ(紫とうもろこしのジュース)。粉末のチチャを溶かして出すペルー料理店が多い中で、瓶入りにこだわっている(もちろん、こちらの方がおいしい!)


↑ペルーの新聞に紹介された荒井シェフと、店ができる前に作ってしまったという、ハンドメイドの看板。これじゃ金物屋と間違える人もいそうだけど(笑)、心がこもった感じでインパクトがある。ちなみに、お店の内装もすべて、奥様と一緒に自前でされたとか。すばらしい!
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以上のコースが3000円と、値段もお手ごろです。
ここで食べたら、ペルー料理の概念が変わった!というのはほめすぎかもしれませんが(笑)、世間一般に知られてほしい料理、どこそこの料理と銘打たなくても、普通にうちのお父さん、お母さん、はたまた、おじいちゃん、おばあちゃんに食べさせてあげたいおいしい料理、という感じがしました。
で、逆に、ペルーに行かれたことがあると、あまりに洗練されていて、「現地の味と違う」と思われる方もいるかも。しかしながら、一同の中のペルー通が、「都心にあるペルー料理店の中で一番好き」と太鼓判を押していたことを申し添えておきましょう。これはきっと、荒井シェフがペルーを愛し、真面目にペルー料理に取り組んでいる姿勢を買った上での評価なんだと思います。
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荒井商店
港区新橋5-32-4 江成ビル1F
Tel. 03-3432-0368
http://araishouten.gozaru.jp/
荒井シェフのブログ
「包丁一本ペルー武者修行」
■営業時間 Open: 11:30?14:30、18:00?23:00
■定休日 Close: 日
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モットーは「食は最高のコミュニケーション手段のひとつ」。言語や習慣の違いを越えて"おいしい!"で人と人をつなぐ世界の料理の魅力を広めたい思いから、珠玉の料理を求めて、拠点の東京をはじめ、日本全国・世界各地のレストランや食スポット等を取材で飛び回っております。
このブログでは、レシピやお店、旅行など世界の食べ物の話題を幅広く紹介します。
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