e-food.jp » 青木ゆり子のブログ » エチオピア料理 » アディス|エチオピア&インターナショナル料理|都立大学
2010年12月08日

アディス|エチオピア&インターナショナル料理|都立大学

addis_wat.jpg

大使館員御用達の店

【都立大学】アメリカ大使館でシェフを務めた経験のあるエチオピア人のオーナーシェフ、セイファさんのレストラン。お国のエチオピアを含むインターナショナルな料理を提供する、おしゃれで洗練されたお店です。

上写真は、エチオピアのスパイシーな仔羊のシチュー(ドロワット)。スパイスの種類はシンプルながら、丁寧に作られていて、とてもおいしくいただけました。ピタパンが付いてきますが、せっかくなので、エチオピアの主食であるインジェラをお願いしました。

addis_injura.jpg
addis_nama.jpg

左写真は白いインジェラ。クセもなくおいしい。右写真は、エチオピアらしい料理ということで、特別に出していただいたキットフォー(Kitfo)という、スパイシーな牛肉の生肉料理。ちょっと驚いたが、ユッケの香辛料和えといった感覚で食べられる。

addis_kebab.jpg
addis_coffee.jpg

左写真はセイファさん流のケバブ。ボリュームもたっぷり。右写真はエチオピアのコーヒー(アラビカ種)。そういえば、コーヒーの発祥地はエチオピアだった。他にエチオピアのコーヒーといえばモカが有名。現地では、日本の茶道のお手前のように儀式的にコーヒーを淹れて、客人にふるまう。

addis_chef.jpg
addis_shop.jpg

オーナーシェフのセイファさん。ホスピタリティあふれる温かい笑顔がチャーミング。お料理はどれも手間をかけて作っているのがわかる。お店は、東急東横線・都立大学駅南口からまっすぐ延びる道を5分ほど歩いたところ。


東京にあるエチオピア料理レストランというと、他には中目黒の老舗「クィーン・シーバ」や、赤坂の「サファリ」(こちらは他のアフリカ料理も提供)がありますが、こちら「アディス」のドロワットやインジェラは、盛り付けがぐっと洗練されていて、味もピカイチです(ドロワットやインジェラの食べ比べなんて、かなりマニアックなのですけれど、ね...(笑)。

インジェラは、エチオピアでポピュラーな雑穀テフの粉を使っていて、もっと灰色っぽいものが多く、独特の酸味を嫌う人が少なからずいるようなのですが、こちらのインジェラは、色が白く、酸っぱさやクセがほとんどありません(小麦粉を混ぜているのかも)。おいしいふわふわのクレープのようです。実は現地のインジェラにはいろいろな種類があり、すべてが、よく言われる「雑巾を絞ったような味」ではないのだとか...。

とはいっても、こちらでは普段のエチオピア料理のメニューはごく一部。大半はパスタやニョッキといったイタリアンや、ケバブ、ひよこ豆のディップ(フムス)といった中東料理が中心です。アメリカ大使館のシェフ歴がおありというだけに、カリフォルニアのフュージョン料理をも思い出させます。「国にこだわりなくおいしい料理をお出ししたい」というセイファさんの方針とのことで、ディープなエチオピア料理にワンクッションを置いて、驚かすことなく(笑)、幅広い友人を連れて行けそうです。

シェフの腕前と、そんなコンセプトのためか、聞くところによると、エチオピア大使館員のもっともお気に入りのお店なのだとか。高級感のあるおしゃれな空間は、接待にもふさわしそうですし、ね。

ちなみに店名のアディス(ADDIS)は、エチオピアの言葉アムハラ語で「新しい」の意味。エチオピアの首都アディスアベバは「新しい花」という意味です。

参照
エチオピア料理について


アディス ADDIS
東京都目黒区中根2-3-15 2F
Tel. 03-6421-4302
http://addiscafetokyo.com/

■営業時間:11:30-23:00 土・日・祝10:30-23:00
■定休日:無休



大きな地図で見る


profile 著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki

e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、全日本司厨士協会会員 調理師。主な著書:図鑑NEOまどあけずかん「せかいのりょうり」監修(小学館 2021)、「世界の郷土料理事典」(誠文堂新光社 2020)。

※この記事・写真等はe-food.jpが著作権を所有しています。無許可での転用・転載はご遠慮ください。商用利用の記事、写真等は販売しております。→「利用規約」



この記事のURL:

GO TOP