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2010年03月02日

アーンドラ・キッチン|南インド料理|御徒町

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アーンドラ・プラデーシュの料理

【御徒町】2009年8月にオープンした、南インドの東側にあるアーンドラ・プラデーシュ州の料理をメインに提供するレストラン。

チーフシェフは、東京駅近くの南インド料理レストラン「ダバ・インディア」の元シェフで、インドの5つ星ホテルのレストランで経験を積んだ、アーンドラ・プラデーシュ州出身のヤーマラ・ラマナイアさん。スタッフもほとんどが同郷とのことで、週末の土曜日には、普段は出さない故郷の料理を提供されています。

トップ写真は、デカン高原の中央にある、アーンドラ・プラデーシュ州の州都で、近年はIT都市としても知られるハイデラバードの名前を冠した名物料理ハイデラバーディ・マトン・ビリヤニ1480円。こちらも土曜日のみの限定提供で、「インド人なら誰でも知っているビリヤニの王様」だという、細長いバスモティ米を使って6時間以上かけて炊き上げた逸品です。本国にはビリヤニ専門の職人もいるくらいだそう。

ハイデラバードはイスラム教徒の多い街。名物が現パキスタンあたりに共通するスパイスと肉の炊き込みご飯・ビリヤニであるのと、"?バード"という名前でも想像がつきますね。

こちらのハイデラバーディ・マトン・ビリヤニには、独自に取り寄せたというシナモンやカルダモン、黒コショウといったスパイスがゴロゴロと入っています。繊細なハーモニーを織りなすこれらスパイスとともに、お米にしっかり染み込んだ、骨付きマトンの旨みを大変おいしくいただきました。特にスパイスの使い方は、インド国内で一流のプロとして経験を積まれたシェフの実力とセンスが垣間見られるようでした。

ちなみにこちらのビリヤニには、付け合せに汁カレー(サンバル)とヨーグルト、タマネギの輪切り、レモンが付いてきます。汁カレー(サンバル)とヨーグルトはそれぞれ別にしてライスにかけ、混ぜながらいただき、レモンはタマネギの上に絞って、リフレッシュのため食事の合間にかじるのが本来の食べ方だそうです。

さて、ビリヤニを提供しているインド・パキスタン系のレストランは都内に他にもありますが、なかなかおいしいビリヤニに出会うことがありませんでした(個人的なこれまでのベストは、群馬県伊勢崎市のパキスタン料理店「マディーナ」のビリヤニでしょうか)。他の特別料理もありますし、ビリヤニを含めてアーンドラ・プラデーシュ州の郷土料理をいろいろと食べてみたい方は、土曜日にお店にうかがうのがよいかもしれません。

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ウガディ用ミールスのイメージ写真。右写真はチーフシェフのラマナイアさん。南インド式ミルクコーヒーの淹れ技もお手のもの。


さて、毎年3月はアーンドラ・プラデーシュ州を含む南インド3州で新年に相当するウガディのお祝いが行なわれ、お店でもウガディのスペシャルミールス(2300円)が振舞われました。ラマナイアさんいわく、「いつもは都会のミールスを出しているけれど、これはお祝い用の特別の田舎のミールス」とのことで、ちょっと変わったビリヤニ付きミールスをいただいてきました。

こんな行事ごとの特別料理の日を、これからもときどき設けていただるとうれしいですね!


アーンドラ・キッチン
東京都台東区上野3-20-2 水野ビルB1F
Tel. 03-5818-6564
http://andhra-kitchen.com/

■営業時間 Open: 11:00-15:00、17:00-22:00(21:30LO)
■定休日 Close: 月夜



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profile 著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki

e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、全日本司厨士協会会員 調理師。主な著書:図鑑NEOまどあけずかん「せかいのりょうり」監修(小学館 2021)、「世界の郷土料理事典」(誠文堂新光社 2020)。

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