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2006年07月25日

プラザ・アテネ アラン・デュカス|ベージュ東京

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パリ店のシェフが来日

【銀座】シャネル・ビルの最上階にあるアラン・デュカス氏のレストラン「ベージュ東京 Beige Tokyo」に、23日までパリの3つ星レストラン「プラザ・アテネ アラン・デュカス」のシェフ、クリストフ・モレ氏が来日し、フェアが開催されました。

「ベージュ東京」では、今年2月に開催されたモナコにあるデュカスのレストラン「ルイ・キャーンズ」に続く、今回のフェア。前回はNGだった写真撮影が今回はOKとのことで、世にも美しい料理の数々をカメラに収めてきました。

上記の写真は、ランチのメイン"ブルターニュ産オマール海老 グリーンピースとロメーヌサラダ、ジュ<プレス>"。とびきりの高級食材の味わいと、ナイフとフォークで崩してしまうのがはばかれるほどの美しさ...。直径30cmほどのお皿の上に表現されたモレ氏の"芸術品"に、思わずホーッとため息が出るようでした。

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プチシューと、アミューズの"北海道産ウニ<ア・ラ・コック>"。いきなりこれだもの(笑)。この後、思わず微笑んでしまうような、サプライズな料理が次々と運ばれてくる。あー、何ともニクい演出。

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前菜の"赤座海老 繊細なジュレ、イラン産オシェトラ・キャビア"(左写真)、"旬野菜とフルーツ <キュイ/ クリュ>、トマトとトリュフのマルムラード"(右写真)。エディブルフラワーをちりばめた旬野菜は、まるでモネの絵画のよう。デリケートで、きらめくような色彩にうっとり。

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デザートの"グリオットチェリー ピスタチオ、<ヴァシュラン>風メレンゲ"(左写真)と、締めのプティ・フール(右写真)。前者は、中に(たぶん)きなこ味のアイスクリームが入っていて、チェリーとピスタチオの渋い色は、和風を思わせる色彩美。後者は、"バラの香りのマシュマロ"、チョコレートのデザート"オペラ"などのほか、プラザ・アテネ特製のチョコレート付きでした。甘いもの好きには至福のひととき。

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「ベージュ東京」の定番・シャネルのボタン型チョコレート(左写真)と、プラザ・アテネのマスコットの赤いクマのぬいぐるみ(右写真)。幸せな気分を味わせていただいたと思ったら、最後にこのクマさんのミニチュアと、マカロンのおみやげがついて、女心をワシづかみ(笑)。やるなぁ、フランス男・デュカス氏。

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ミシュランもデュカスも盲信しているつもりはないけれど、このくらいのクォリティになると、値段がいくらしたとか語っちゃいけないような気が...。マジックにはまったかしら(笑)。ただひとつ難をいえば、グラスワインが3杯セットになっているのは、何とかしてほしかったです。

料理も時代を経て変化していくとすると、シーフードと野菜をふんだんに使った、ヘルシーでライトなデュカス流フレンチ(塩分も糖分も油も控えめ。また、たとえば、今回のランチには肉料理が設定されていなかった)は、今のお客のニーズにぴったりと合ったところが、評価されているのでしょうね。

ちなみにこの日のランチは、20-30代の若いお客さんが圧倒的に多かったです。

あえて価格を言うとこんな感じ。最近のユーロ高からすれば、パリの店より割安感があるかもしれません。ハレの日に奮発して出かけたい食事とでもいいましょうか(逆に、もしこれが日常化したら、人生が退屈になってしまいそう)。スマートなサービスや、上質感あふれるフロアの雰囲気も、メリハリをたっぷりと演出してくれます。

来日フェアが再び開催されることを願いたいもの。もしくは、ニューヨークのエセックス・ハウス店のシェフも、来日してほしいなぁ(笑)。

ところで、帰りがけに帝国ホテルで開催中の故・村上信夫シェフの写真展を見てきたのですが、東京のフレンチ(洋食)の今昔を比べられて、興味深かったです。今や、フランスから3つ星シェフが来日し、日本人シェフも本場で活躍する時代。約40年前の東京オリンピック当初に、「東京の食事はおいしくない」と、フランス人選手を不安がらせたエピソードが嘘のようです。

これも、村上シェフや、その後継者の方々の努力と誇りの賜物なのでしょうね。我々のような一般市民が、その恩恵にあずかれることに感謝したいものです。写真展では、デュカス氏も、村上シェフに賞賛の言葉を寄せておりました。

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レギュラー出演していたNHKテレビ「きょうの料理」の村上シェフと、デュカス氏の賛辞。

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ベージュ東京 BEIGE TOKYO
中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング10F
Tel. 03-5159-5500
http://www.beige-tokyo.com/

■営業時間:11:30-14:30(LO)、18:00-21:30(LO) 閉店23:30

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profile 著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki

e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、全日本司厨士協会会員 調理師。主な著書:図鑑NEOまどあけずかん「せかいのりょうり」監修(小学館 2021)、「世界の郷土料理事典」(誠文堂新光社 2020)。

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kiraraさん、コメントをいただきありがとうございます。

今回は日程が合い、お蔭様でうかがうことができました。デュカスのお店のシェフ来日シリーズ、次回はNYのエセックス・ハウスのお店からかしら、なんて期待しているのですが(笑)、kiraraさんも今度は行けるといいですね。

  • 2006年11月02日 17:24

こんばんは?kiraraと申します♪
先日「ベージュ東京」に行ったので、ネット検索をしてこちらのブログを知りました。
プラザ・アテネのシェフのお食事されたのですね!!
ちょうど今年6月にパリの「プラザ・アテネ・オ・アラン・デュカス」に行った時、その案内をうけましたが、残念ながら行けませんでした。
とっても素敵なコースだったんですね(*^o^*)
トラックバックさせていただきました☆

  • kirara
  • 2006年10月31日 20:47

Satoshiさん、コメントをありがとうございます。
下手な撮影で実物の美しさをどれだけ再現しているかわかりませんが...。

食事は、上と下を行ったり来たりして幅ができるのが一番幸せですよね。これで明日からしばらく毎日、アジの開き定食でもやっていけます(笑)。

  • 2006年07月26日 12:19

↑すみません、投稿者名忘れました。

  • Satoshi
  • 2006年07月26日 11:48

奮発してハレの食事って気分がいいですよね。まして普段食べられないパリの3ッ星となればいろいろと勉強になるし決して高いとは思わない。自分への投資みたいなものではないでしょうか?Yuricoさん、いい経験されましたね。

それにしても食べるのが惜しいくらいの美しさ、思わずため息が出ます。

  • 2006年07月26日 11:45

不思議な世界旅行さん、コメントをありがとうございます。

はい以上、料理3品、デザート1品+プティフールのほか、アミューズのウニがありました(写真をアップするのを忘れていましたので、追加しておきます)。

お腹がはちきれるほど料理が出たわけではありませんが、ちょうどよいくらいでした。きっと女性のお客さんを意識しているのでしょう。

  • 2006年07月26日 00:22

盛りつけも美しいですね。
これで全品でしょうか、○●△■円のお昼ご飯は?


さすがにキャビアが大粒ですね。

  • ゆん
  • 2006年07月25日 17:00

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トラックバック時刻: 2006年10月31日 20:39


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