愛知万博で世界の料理5?ヨーロッパ
[ ■催しもの ]

愛知万博の世界の料理めぐり、お次は、グローバル・コモン中で最大規模を誇る、グローバルコモン4のヨーロッパに続きます。
グローバルコモン4のパビリオン出展国は以下の21カ国です。
アイルランド
ウクライナ
オーストリア
オランダ
イギリス
スイス
チェコ
ベルギー
ポーランド
ポルトガル
リトアニア
ルーマニア
ロシア
コーカサス共同館
北欧共同館
ヨーロッパとひと口にいっても、これだけ国数があると、日本人になじみのある国から、東欧や旧ソ連の珍しい国まで実にバラエティ。時間に限りがあるなら、レアな国々のパビリオンを優先して回るべきでしょう。レストラン出店度も高かったですよ。


こちらに見えるのが大阪万博のソビエト連邦館です、といっても通りそうな、ロシア館のレトロな看板(上左写真)。看板いっぱいにロシアのイメージ。しかも、描かれているのが、シベリアの大自然から、宇宙飛行士、バレリーナ...と、実にとりとめない。ウチらの国は広いんだぜぃ、と自慢したいのはわかるけどさ(笑)。洗練されたコーポレート・デザインという発想はなかったようで...。まぁ、それがロシアらしい無骨さでおもしろいんですけどね。
お隣は、ウクライナ館のレストラン「タカ・ハタ」。ボルシチはロシア料理かと思っていたら、発祥地はウクライナだそうで、もちろんこのお店でもウリにしていました(ちなみに、ロシア館にレストランはありませんでした)。


上左写真が、その元祖ボルシチ。隣は、おまけについてくるバジルソース付きのパンです。トマトベースのスープにサワークリームがふんわりと溶けて、とってもいい味なのですが、具のキャベツがよく煮えていなかったのが残念。忙しくて、どうしても手抜きになってしまうのでしょうか。でも、スタッフのウクライナ人の女の子が可愛かったから許すとは、一行の友(=男)。


お次は、コーカサス共同館。コーカサスとしてくくられた国は、アゼルバイジャンとアルメニア、グルジアの3国で、館名よりも目立つ"健康と長寿"の巨大文字にギョっとさせられます(トップ写真)。
コーカサス地方って、世界一の長寿を誇るんでしたね。長寿の国からやってきた、メイトーのコーカサス・ヨーグルトなんて商品もありましたっけ。
で、併設されたレストランも、健康を意識したメニュー構成でした。上写真は、コーカサスシチュー(ボルシチとグヤーシュの中間のようなシチュー)と、アルメニア・コニャックを使ったフルーツケーキ、そして、"タラキシビリ博士の幻のヨーグルト"という、あやしい名前のついたローズソースがけのヨーグルト(説明が聞きたかった)。セットで1300円でした。また、"カロリりんご"などという、謎のジュースも。
ただ、食材は健康的でも、料理を作っている人がバイトっぽいファーストフード店なので、味に多くは望めません。ヨーグルトや、アルメニア・コニャックのケーキはおいしかったです。
***

30年前センスの看板や、いきなり"健康と長寿"はちょっと引いてしまうけれど(笑)、だからといって旧ソ連諸国がアカ抜けないというのは誤解です。バルト沿岸の小国リトアニアのパビリオンが、そのイメージを払拭すべく、がんばっていました。
DNAをモチーフにしたという、アーティスティックでモダンな館内。それに、珍しいリトアニア産のビール(左写真・瓶入り900円、生1100円)も飲めるんですよ。
なぜ、遠いリトアニアがわざわざ愛知万博に出展?と、ちょっと不思議に思っていたのですが、どうやら、日本のシンドラーと呼ばれ、多くのユダヤ人の命を救った杉原千畝にちなんだ理由もあるよう。杉原さんは、リトアニアの日本大使館の領事だったのです。
ちなみに、杉原さんの故郷は、名古屋からそう遠くない岐阜県八百津町。町には彼の記念館があるため、先祖を救われたユダヤの人々の表敬訪問もあるようで、八百津町のホームページには、ヘブライ語版が用意されているくらいなんですよ。
日露戦争でロシアをやっつけた国としても、リトアニアの人々は、日本人がリトアニアを思う以上に、はるかに日本に近しい親しみを持っているようで、思わず感動。立派な日本語のリトアニア・ガイドを一冊、謹んでいただいてきました。
***
さて、ギー・マルタンのレストランは別格として、愛知万博でもっとも気合の入ったレストランのひとつは、チェコ館の「チェスカ・ホスポダ」 ではないかと思います。チェコの料理テレビ番組で人気者というミハル・イエジャーベックさんをはじめ、マイスターの資格を持つ5人の料理人を総動員しているくらいですから!
レストランの前には大変な行列ができていましたが、約1時間、がんばって並びました。チェコといえば、ビールもおいしいですしね。チェコ特産のガーネットのような深紅色を基調にしたフロアに、チェコ人のスタッフ。また、メニューにはチェコ産ワインもあったりして、本当にチェコに来た雰囲気になれました。
同じ東欧のルーマニア館もレストランを出していました。地元では評判がよいようですが、銀座の「ダリエ」の店なので、今回はパス。
また、ポーランド館にもレストランが。東京にレストランがないし、ロシアのペリメニ風の水餃子がおいしそうだったのですが、時間の関係で、こちらも残念ながらパスしました。店先で、テイクアウトのキルバーサ(ポーランド風ソーセージ)でも焼いてくれていたら、買えたのですが...。
→愛知万博で世界の料理6 ?アフリカ(グローバルコモン5)に続きます。

e-food.jp代表、郷土料理研究家、コラムニスト。主な著書:『見て、読んで楽しむ 世界の料理365日』(自由国民社 2024)、図鑑NEOまどあけずかん『せかいのりょうり』監修(小学館 2021)、(誠文堂新光社 2020)、『しらべよう!世界の料理』全7巻(図書館選定図書・ポプラ社 2017)。
※この記事・写真等はe-food.jpが著作権を所有しています。無許可での転用・転載はご遠慮ください。商用利用の記事、写真等は販売しております。→「利用規約」
Tweet |
» 名古屋の旅〜地球博 from おそといこ!
名古屋から帰ってきました。噂には聞いていたけどホント、何処へ行っても人、人、人・・・疲れましたぁ;今回はJR企画の“ドリーム&ひかり”で行きは夜行バス、帰りは新...
トラックバック時刻: 2005年09月25日 18:15
この記事のURL:
東京にもチェコ料理レストランがオープンしました。
カフェアノ
渋谷区渋谷1-20-3
https://e-food.jp/cgi-bin/restfind/view1.cgi?no=1133343675
以前、六本木にあった高級チェコ料理店「キャッスルプラハ」とはまたちがった、こじんまりとして、家庭的な雰囲気です。
シェフは若いチェコ人男性のユリさん。クリスマスの鯉料理ディナーを食べに行きましたが、おいしかったです。通常メニューも食べてみたいな♪
ktoo73さん、コメントありがとうございます
万博のチェコ料理、私も感動しました。チェコ料理店は東京にはありませんが、調べた限りでは、鹿児島と愛知に1軒ずつあるようですね。
リトル・プラハ(鹿児島)
http://homepage2.nifty.com/little-praha/index.html
メイグリーン(愛知)
Yahooのリンクが切れているので、移転したかも。
※参考?チェコの輪・愛知
http://czech.exblog.jp/m2004-04-01/#188179
3色饅頭さん、コメントありがとうございます。
ポーランド料理、私は食べられなくて残念でした。少なくとも東京にポーランド料理店はないようです。
ニューヨークに行けば、英語が通じる(笑)リトル・ポーランドがあったりするんですけどね...。
https://e-food.jp/highlights/newyork_polish.htm
はじめまして。
そうですか。。。東京にチェコ料理のレストランはないのですか。。。しょんぼり。。。
私も万博でチェコ料理を食べてき来たのですが、
あの味が忘れられません。
こりゃチェコに行くしかないかぁ。
ポーランド館のレストランでサワークラフトの煮込み料理を食べました。
美味しかったです。
またポーランド料理食べたいです♪