愛知万博で世界の料理2-アジア・中東
[ ■催しもの ]

「愛知万博(愛・地球博)」の世界の料理めぐり、まずはグローバルコモン1(アジア、中東)からリポートします。
グローバルコモン1に集ったパビリオンは、以下の国々です。
サウジアラビア
イエメン
カタール
イラン
インド
ネパール
中央アジア共同館
バングラディシュ
パキスタン
スリランカ
ブータン
モンゴル
中国
韓国
しかし、入場口付近に、のっけから濃い国が勢ぞろいとは...(笑)。


中でも笑ったのは、イエメン館。プロローグでも少し触れましたが、館内がほとんどバザール状態。もちろん、商品に値札などついていません。つまり、手ごわいアラブ商人と、いきなり丁丁発止の?値引き交渉が体験できるというワケ。
同じ中東でも、石油で潤っている、隣のサウジアラビアやカタール館の余裕とは大違いです。売り子の写真を撮ろうとすれば、すかさず「ハイ、1000円」(これはさすがに冗談でしょうが)。
しかしながら、館内では本場のモカコーヒーが飲めたり、イエメン料理の食堂があったり(イエメン弁当などという、魅力的なメニューもありました。ただし、本格的なイエメン料理というよりは、カレーと銘打った中東全域の汁物料理がメイン)と、私にとっては、お役所的な展示物よりずっとおもしろかったですね。
ちなみに、イエメン館の建物に使われているレンガは、はるばる本国から運んできたものだそうです。


ディープさなら、大御所・インド館も負けていません。1階は、ごくオーソドックスな展示会場なのですが、本領を発揮するのは、2階のショップコーナーです。食品、衣料品、置物などのお店が並んでいて、海千山千のインド商人が集う、インド観光地のみやげ屋の雰囲気そのもの!
どこの店にも常駐している、やけに流暢な日本語をしゃべるインド人。そして、「あなただけ特別に安くしてあげる」と、切り札の常套句をお客の耳元でささやくのも、インドと同じだわ?。私は、カレー粉2個を900円に値切って買ったつもりなのですが、あとで冷静に考えるとあんまり安くなくて、やられたぁ、なんて(これもインドと同じ...)。
館内には、「マサラ・ボリウッド」(上左写真)という、ぶっ飛んだ名前のインド料理店がありました。いかにもインドの食堂風な造りで、ふらふらっと入ってみたくなるのですが、先の万博の達人・Mさんによると、「あんまりおいしくない」とのこと。
ブータン館なんぞで珍しい料理が食べられたらなぁ、なんて思ったのですが、残念ながら料理は写真(上右)だけでした。


そこで、向かいにある、Mさんご推薦のスリランカ料理店に入りました。プレハブの大衆食堂風な店内で、従業員は、全員スリランカ人。現地っぽいムード満点です!こちらは、新宿のスリランカ料理レストラン「コートロッジ」のプロデュースだそう(ここ、職場の近くで、ときときどきランチを食べに行っているところでした)。
私は、がんもどきのようなスリランカ風豆腐の入った、南アジアのベジタリアン・カレー(写真)を注文してみました。味はナイス。ただ、値段は1000円強と、万博全体の食事にいえることだけど、ちょっと高めな印象でした。


というわけで、節約のために、東京にレストランのある国はなるべく食事をせずに、珍しいグッズを買うことにしようと考えました。上の左写真はモンゴル館で売っていた、ジンギスカン印のウォッカの小瓶150円(安い!)と、何だかよくわからない?モンゴル・スープの素500円です。
モンゴル館にはキッチュなグッズがそろっていて、なかなかおもしろかったですよ。
***
ひとつのコモンでこの国数なので、長い行列ができている中国や韓国館は、残念ながらパスしました。ちなみに、どこまで真実かわかりませんが、これら2国が、(大型車の通れる)広い道路に接した奥にあるのは、テロ等に狙われやすい国だからだそう。いわれてみれば、アメリカ館もしかり、でしたっけ。
→愛知万博で世界の料理3?北米、中米、南米に続きます。

e-food.jp代表、郷土料理研究家、コラムニスト。主な著書:『見て、読んで楽しむ 世界の料理365日』(自由国民社 2024)、図鑑NEOまどあけずかん『せかいのりょうり』監修(小学館 2021)、(誠文堂新光社 2020)、『しらべよう!世界の料理』全7巻(図書館選定図書・ポプラ社 2017)。
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