大久保 -エスニックタウンの最近
[ ■エスニックタウン ]

韓流ブームで街が活性化
新宿区の新大久保駅界隈は、今や日本一のコリアンタウン、エスニックタウンといわれ、昨年あたりからは、ヨン様ファンの巡礼地?としても人気を呼んでいる様子。そこで、地元に住む方々から、最近の大久保についてお話をうかがってきました。
2003年の石原都知事の肝入りによるクリーン作戦の影響で、一時は閉店が相次いだという飲食店も、再び活気を取り戻しているようです。駅前あたりのレストランなど、数年前とほとんど入れ替わっていて驚きました。写真は、閉店した「エスニックランド富翁」の後にオープンした、おしゃれなタイ&ベトナム料理店「ソムオー」です。
一軒家の人気店だったタイ料理レストラン「クンメー」は、移転して店舗を拡張。2号店もできて、近所で営業中でした。
韓国料理店もさらに増えましたねー。地元で活動しているグループ「共住懇」の代表・山本重幸さんによると、土曜の夜の新大久保駅周辺などは、どのお店もいっぱいになるほどにぎわっているそうです。ブームなんてすぐ終わるかと思っていたら、けっこう定着してしまって、ヨン様様だよ、ですって。
このあたりの最近の大久保レストラン事情については、地元のタウン誌「おおくぼ」28号が、特集で詳しく伝えています。
韓国料理店にしても、ただの家庭料理や焼肉店ではなく、専門料理や地方料理に特化した店が増えているとか。たとえば、中国側の朝鮮族の人たちによる羊肉串や老虎菜など(延明または延辺料理といわれる)を提供するお店。日本中で大久保に行かないと食べられない料理もありそうですね。新大久保駅と大久保駅の間には、中国系のお店が目立つようになり、ちょっとしたミニ・チャイナタウンの様相も。
また最近は、ランチタイムを狙って大久保を訪れる人たち(ヨン様ファンの主婦層か?)が急増している様子。夜は入りにくいお店も、ランチなら1人で入りやすいし、値段も安いのが人気の秘密でしょうか。
とにかく、そこら中に、韓国、中国、タイなど本国出身者相手のレストランがあふれる街ですから、味は本格的ですし、食べ歩きだって楽しいはず。リーズナブルなのも魅力です。先の「おおくぼ」によると、職安通りには、ワンコイン(500円)の韓国料理ランチも登場したとか。
また、地元で会社勤めをされているマサトさんのブログ「マシッソヨ! 大久保 韓国ランチ」も、1日500人のビジターを集める人気だそうです。
もっと専門的な知識を仕入れて韓国料理を食べ歩きたい向きには、地元在住の韓国通のイラストレーター、nabeさんの「ナグネな気分」-「大久保コリアタウンごちそうガイド」という心強いサイトも運営中。魚料理、肉料理、麺類などに分類され、ひとつひとつの料理がていねいにガイドされています。
レストランだけではなく、韓流スターのグッズを売る店もずいぶん増えました。東京周辺のみならず、遠方のファンや、本国から観光に訪れる人も増加しているようです。地元の方々は、「混雑がひどくなってねぇ-」と嘆かれていましたが....。
元気な街に行って、おいしい料理を食べると、こちらまでパワーをもらえるような気がしますね。また出かけてみようっと。

e-food.jp代表、郷土料理研究家、コラムニスト。主な著書:『見て、読んで楽しむ 世界の料理365日』(自由国民社 2024)、図鑑NEOまどあけずかん『せかいのりょうり』監修(小学館 2021)、(誠文堂新光社 2020)、『しらべよう!世界の料理』全7巻(図書館選定図書・ポプラ社 2017)。
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