2010年03月02日

アルミーナ|パレスチナ料理|神田

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本格派のアラブ・地中海料理

最新訪問日:2013年6月11日

【神田】2010年2月26日にオープンした、パレスチナ人シェフによる、アラブ・地中海料理レストラン。アラブ諸国の在日大使館員たちからも、そのボリュームとおいしさで支持を得ているお店です。

オーナーシェフは、地中海東部に面した街ハイファ出身で、東京の有名中東料理レストランでマネージャーなどをされていた経歴を持つ、日本語も堪能なパレスチナ人のシャディ・バシィさん。店名は海の女神をイメージして名づけられたそうです。お店にはもう一人、パレスチナ・エリコ出身のシェフがいらっしゃいました。

お料理の方は、まさにシェフの出身地である、アラブ・パレスチナ料理のオンパレード。モロッコの「タジン」という名前の料理もメニューに見受けられるのですが、聞いてみると、これは「ヤハニック」という、アラブの同様の煮込み料理をわかりやすく説明したもので、アラブ・東地中海地方の味とのこと。確かにモロッコのタジンとはまったく味が違います。他にもアラブらしく、スパイスが控えめであっさりとした味わいの料理が多いです。

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ひよこ豆のペーストにラムの挽肉・松の実をトッピングしたエクストラホンモスと、ナスのペーストにゴマペーストを加えたムタッバル。同じナスのペーストでババガヌーシュという中東料理があるのだが、両者の違いは、後者にはゴマペーストが入っていないことだそうだ。個人的には、ムタッバルの方がクリーミーでおいしいと思った。

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ひよこ豆をつぶして揚げたファラフェル(ちなみに、エジプトなどの、ソラマメをつぶして揚げたものをターメイヤという)。レバノンやシリア、パレスチナの定番料理。右写真は焼いたキプロス特産のハルーミチーズ(塩気と弾力があり、独特の噛み心地を持った白チーズ)の入ったサラダ。ハルーミチーズは日本で買うと結構高価なのだが、惜しげもなく使っていてびっくり。非常に美味。

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デザートのカナフェ(ゴートチーズケーキ)。これを置いているレストランを私はほかに知らない。現地っぽくかなり甘いので、ハーブティやコーヒーに砂糖は入れないほうがいいかも(笑)。右写真は、昨年暮れから「セーブ・ザ・オリーブ」さんによって日本に輸入されはじめた、「Holy Land」の文字入りのベツレヘム産"クレミザンワイン"。イスラエルによるベツレヘムを取り囲む分離壁の建設で売上が激減しているという、貴重なワインだ。


ホンムス(ひよこ豆のペースト)、エクストラホンムス、ムタッバル、タブラ(パセリのサラダ)、ファラフェル...といった前菜マッザ(メゼ)。これをコベズ(ピタパン)にはさんでいただきます。

主菜はケバブ類やコフタ(挽肉のグリル)、本日の魚料理などで、最近お店の増えたトルコ料理とよく似た食べ物が多いのですが(しかし、もとを正せばトルコ料理もシリア・レバノンあたりを発祥とする料理が多い)、細長くパラパラとしたバスモティ米を使ったマンサフ(トップ写真。温かいヨーグルトソースをかけて食べる、ナッツやラム肉などの入ったアラブ風炊き込みご飯)、マフトゥール(挽き割り小麦のピラフ+ローストチキン)といったベドウィン(アラブの遊牧民)由来の料理は、アラブ料理の店にしかないはずです。

デザートは、バクラヴァなどのほか、珍しいカナフェやデーツ(なつめやし)のケーキ、フハラビーヤ(ミルク&ローズウォーターのプディング)など。また飲み物はパレスチナ産のタイベビール各種、ベツレヘム産ワイン各種、それにアラブのハーブティー、アラブコーヒーもありました。

コース料理は3200円-(2名より)で、ベジタリアン用のコースも。料理・デザートともお手ごろ価格でありながら、オリーブオイルやパレスチナの調味料ザータルを上品に使った洗練されたプロの味で、とてもおいしいです。

それに、ランチ(タジン、ケバブなどのセット。750円-)でも日本米より高価なバスモティ米を使っていたり、これまで日本のレストランでお目にかかったことがないようなデザートを加えるなど、本物のアラブの食事を提供したいという意欲を感じました。

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オーナーシェフの温厚なシャディ・バシィさん。フロアにはシーシャ(水タバコ 1200円)やレバノン産のモザイク画などが飾られ、アラブらしい美しくエキゾチックな雰囲気。日によってベリーダンスのショーも行なわれるという。


これまで東京にはアラブ系料理のレストランが少なかったのですが(現在は閉店したゴーン夫人のレバノン料理店「マイ・レバノン」も、初期はよかったもののどんどん味が落ちていってしまったし)、最近は、池袋の「パルミラ」(先日、帝国ホテルで行なわれた某アラブの国のナショナルデーで料理を提供されていました)といい、クォリティの高いアラブ料理の店が少しずつオープンして、個人的にもうれしい限りです。

お店にはカウンター席もあり、夜に一人で来られている女性のお客さんもおられました。穏やかな男性シェフ(シャディさんは礼儀正しくキリっとした男前、他にも何人かのシェフが入れ替わりで担当している様子)は、忙しくなければ気軽に話しかけてくださると思いますよ。


アルミーナ
東京都千代田区神田多町2-2-3 元気ビルB1F
Tel. 03-5297-3789

■営業時間 Open: 月-金11:30-15:00(LO14:30)、17:30-23:00(LO22:30)、土12:00-22:00(LO22:30)、祝17:30-23:00(LO22:30)
■定休日 Close: 日



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profile 著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki


e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、世界の料理レシピ・ミュージアム館長。2000年にサイト「世界の料理 総合情報サイトe-food.jp」を立ち上げ、以後、執筆、レシピ開発のほか、在日大使館や大使公邸などでの料理人、料理講師として活動。
プロフィール詳細
著作: 「しらべよう!世界の料理」全7巻 (ポプラ社 2017)

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