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2009年02月21日

カラバッシュ「エリトリア・ウィーク」

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イタリアの影響を受けた飲食

【浜松町】2月14日から20日までアフリカ料理レストラン「カラバッシュ」で開催された”エリトリア・ウィーク”のランチ会にうかがってきました。

創業30周年を迎えたアフリカ専門の旅行会社「道祖神」さんは、現在、不定期で週ごとにアフリカ各国の文化を紹介中。今回の催しもその一環です。東アフリカにある、1993年に独立したアフリカでもっとも若い独立国・エリトリアをテーマに、エリトリア大使館の専属女性シェフによるエリトリア料理のワンプレートディッシュがいただけるという趣向でした。

上写真は、そのエリトリア料理(サンプル用の豪華版です)。ツァビヒーと呼ばれる、スパイスを使った(でもあまり辛くない)シチュー各種と、鉄分を含む粟のような穀物テフで作ったスポンジ状の酸味のあるパン、インジェラが食事の基本で、肉や野菜、穀物がバランスよく盛り付けられています。

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当日はエリトリア大使館の秘書の方と、専属女性シェフがエリトリア料理についてレクチャー。食後には、アニスの香りのするエリトリアの地酒ジビブをたらしたエリトリア風コーヒーとなつめやしの実を。

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左写真がジビブ。首都である"アスマラ"の文字が印刷されている。また、エリトリアの言葉ティグリニャ語の発音表などを会場で見かけた。


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第二次世界大戦後から独立までエチオピアに併合されていただけに、おおまかにはエチオピアと見た目の似た料理なのですが、食べてみると何だか違う…。明らかに洗練されていて、日本人の口にも合うおいしい味わいなのです。よく、”酸っぱいパンケーキ”と称されて好き嫌いの分かれるインジュラや、エチオピアで”ワット”と呼ばれるシチュー” ツァビヒー”も、甘辛酸味のバランスのとれていてナイス。これは1882年から1941年まで宗主国だったグルメの国・イタリアの影響でしょうか。

そういえば、食後のコーヒーはイタリア式にエスプレッソやマキアートが好まれるとか…。このコーヒーに”ジビブ”と呼ばれるアニス風味の蒸留酒(トルコのラクやギリシャのウゾに似ている)で味付けするのがエリトリア流です。

日本人にはまだあまりなじみのない国エリトリアですが、料理がこんなに洗練されているとはびっくりしました。アフリカにはたくさんの国がありますが、旧宗主国の影響をたどっていくと、食べ物にも意外と親しみが持てそうです。

ランチ後には、エリトリアの首都アスマラと、紅海に面する都市マッサワを結ぶレトロな蒸気機関車・エリトリア鉄道のビデオを拝見。イタリア人による建築物が建ち並ぶアスマラから、雄大な荒野を通って、アラビア風な雰囲気の町マッサワまでの道のりが何とも旅情をそそり、まだ知らぬエリトリアに行ってみたくなりました。

ちなみに道祖神さんによるアフリカ紹介シリーズ、今後はモザンビーク(2/20-27)、セネガル(3月中旬)と続く予定とのことです。

参照→エリトリア料理について


カラバッシュ
港区浜松町2-10-1 浜松町ビルB1
Tel. 03-3433-0884
http://www.calabash.co.jp/

■営業時間 Open: 月?金11:30-14:00、18:00-23:00(L.O.22:00)、土18:00-23:00(L.O.22:00)
■定休日 Close: 日祝



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profile 著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki

e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、全日本司厨士協会会員 調理師。主な著書:図鑑NEOまどあけずかん「せかいのりょうり」監修(小学館 2021)、「世界の郷土料理事典」(誠文堂新光社 2020)。

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汐さん
コメントをありがとうございます。アフリカ料理というと、以前はキリンやゾウを丸焼きするの?なんてよく聞いたものですが(笑)、最近はネットや各国イベントの影響もあってか、ずいぶん本当のところが知れ渡ったようですね?。

カラバッシュで行なわれる道祖神さんのアフリカ各国紹介イベント、今後も続くとのことで、汐さんもぜひいらしてみてくださいね!

  • 2009年02月24日 10:27

エリトリア料理、珍しいですね。
以前アフリアンフェスタやイベントでアフリカ料理を口にすることがあり、その未知なる奥深さに感動し興味を持ちました。
料理からまだ知らぬ国への夢が膨らみますよね。

ガラバッシュでは色々なイベントしているようなので今度ぜひ参加してみたいです。

良い情報ありがとうございました。

  • 2009年02月22日 10:46


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