シンプルで上質なオアシスの食事
1月に食取材のためサウジアラビアに行ってきました。
私にとってはもちろん初めての渡航国であり、まだ観光客を受け入れて間もないため事前情報も少なく不安もありました。特に、女性は旅行がしにくいのではないかという心配も。しかし、実際に入国してみると2030年までに向けた社会改革がけっこう進んでいるようで、街のシステムはヨーロッパに近いというか、意外に普通な感じでびっくりしました。
現地の女性は民族衣装のアバヤを着用している方々がまだ多い印象でしたが、旅行者は肌を過剰に露出しなければ西洋的な服装をしていても問題ないようです(私は現地の文化に敬意を表したいこともあって、ほぼアバヤを着て通しましたが)。
また、サウジアラビアらしい料理といえば炊き込みごはんの「カブサ」くらいしか思いつかなかったのですが、実際は知られていないだけで、13の州にそれぞれ代表するような料理があることを知りました。こちらもびっくりすると同時に、もっと知りたくてしかたないほどです(笑)。
特にユネスコの食文化創造都市でもあるオアシス都市で、カスィーム州の州都でもあるブレイダでの体験が忘れられません。古くから砂漠の交易における交通の要所として栄え、世界最大規模のラクダ市場があり、ナツメヤシの実=デーツが特産品として知られる緑豊かな街と、おもてなしの気持ちがあふれる現地の人々の温かさ、素朴さにすっかり魅了されて帰ってきました。
ブレイダは、オアシスといっても周囲が砂漠のため食材の種類は決して豊富でなはいのですが、たとえば羊のモツ、ラクダ肉といった限られた上質の食材をていねいに調理してシンプルにいただく食事がとびきりおいしくて、こちらも何だか心が洗われる思いでした。
献身的なホスピタリティでガイドを務めてくださったサウジ人の友人ルアイさんのおかげでもあるのですが、あちらでの滞在時間が足りなくて、またサウジに行きたい!という気持ちがすでに抑えられないほどです。
今は、現地で覚えてきたサウジ料理をときどき作って自分で食べたり、友人たちに振舞ったりして日本でサウジを懐かしんでいます。
サウジアラビアでの体験の詳細は、後日、きちんと旅行記として書いていきたいと思っていますので、どうぞお楽しみに。