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ユリキータの日本料理食べ歩き
日本の古代食 (奈良・飛鳥)(4/14-15/01)
奈良・飛鳥は、日本の文明のはじまりのひとつ。江戸時代の黒船の来航が、現代でいう宇宙人の来訪のような衝撃だったとすると、それ以前の日本人にとって、日本という島国が全世界で、全宇宙だったのよね。 華やかな京都に隠れがちだけれど、奈良・飛鳥には、京都が栄えるずっと昔、聖徳太子も食べたかも知れない、チーズのような「蘇(そ)」など、古代からの食べものが今も残っていたりするのよ。すごく壮大な歴史でしょう? |
味亭山崎屋の「寧楽弁当」1400円。奈良漬け、刺身、揚げ豆腐など。お寺が信者をもてなすために作っていた「華麩料理」の要素も。 奈良漬けは、奈良時代に濁酒の沈殿物に野菜をつけたのが起源とか。実においしい。 |
春日大社神苑にある「春日荷茶屋」の月替わりの万葉粥。4月は桜と黒豆。ご利益あるかな?1000円。 | 大神神社の参道脇にある「森正」の三輪そうめん。土地では温かいめんを「にゅうめん」という。さっぱりとした素朴な味わい。700円。 | 柿の葉ずし。吉野の人たちが熊野灘から塩漬けで運ばれてきた魚をおいしく食べるために工夫したのが始まりとか。 柿の葉の香りが移った塩漬けの魚とごはんがおいしい。 |
きなこをかけたわらびもち。奈良のおやつ。 | 大神神社の参道にある白玉屋栄寿の最中「みむろ」。地元産の小豆を使っているそう。 甘さ控えめで、上品な味わい。小1こ80円。 |
「森正」の店先。美しい庭のある日本家屋。 大神神社は日本で最も古い神社のひとつで、三輪そうめんの起源は奈良時代。神主が作らせたのが始まりだそう。 |
古代のチーズ「蘇(そ)」。中央アジアの草原のパオの中で生まれ、シルクロードを通じて伝えられたといわれる高貴な食べ物。後を引くミルキーな味。 製造に手間がかかる上、多量の牛乳からわずかしか作れない貴重品。5cm四方ほどで1000円。 |
著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki
e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、全日本司厨士協会会員 調理師。主な著書:図鑑NEOまどあけずかん「せかいのりょうり」監修(小学館 2021)、「世界の郷土料理事典」(誠文堂新光社 2020)。
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