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2004/1/26

オーストラリア・食の旅行記オーストラリア・食の旅行記

オーストラリアの料理オーストラリアといって思いつくのは、ワーキングホリデーにエアーズロック、コアラやカンガルーなどの珍しい動物、サーフィンにブーメラン...。そのいずれも興味のない私にとって、オーストラリアは文字通り"遠い国"でした。おまけに英連邦だから、食事もイギリス風でまずいんだろうなどと先入観を持っていて、「たぶん一生、行かない国」のひとつだと思い込んでいました。

ところが、あるとき、食べ歩き好き、特にエスニック料理好きにとって、実はオーストラリアほどおもしろい国はないことを知ったのです。

かつては白豪主義と呼ばれ、白人を優遇していたオーストラリアも、1972年のホイットラム労働党政権以降、諸民族の文化を尊重する「多文化主義」国家に生まれ変わりました。そして、カナダやアメリカのように、アジア、中東、アフリカなど世界各地からの移民が集まり、シドニーやメルボルンなど人口の多い南東部の都市にエスニック・レストランが急増。現在ではこれらの都市では、「道を歩けばエスニック料理店に当たる」という表現が大げさでないほど、各国料理レストランが浸透しています。

おびただしい数の中華やベトナム料理店をはじめ、ギリシャ、アイルランド、ドイツ、レバノン、トルコ、マルタ、スペイン、アフガニスタン、イラク、ユダヤ、東チモール、マケドニア、南太平洋諸国などなどのレストラン...。これらの料理が、移民の間でだけではなく、ホスト国の住民に受け入れられているのもすばらしいことです。

オーストラリアの本またシドニーもメルボルンも、料理の種類だけではなく、食材も良質。海に面しているため新鮮な魚介類に恵まれ、牧畜や農業が盛んな内陸からは、おいしい羊、牛などの肉や、種類豊富な野菜・果物が毎日たくさん運ばれてきます。

特にメルボルンは、日本ではほとんど知られていませんが、グルメにとってはなかなか魅力的な食の街です。西太后の御用達だった北京の超高級中国宮廷料理レストラン「厲家菜(レイカサイ)」の海外2店舗のうちの1店舗(メルボルンでの店名は"Li Li’s"で、姉妹店と記されている。海外のもう1店舗は東京の六本木ヒルズにある)などの優れたレストランがあり、近郊のヤラ・ヴァレーでは、ドン・ペリニヨンで知られるフランスのモエ・エ・シャンドンの系列ワイナリー「ドメーヌ・シャンドン」などで、質の高いワインが生産されています。

そこで、実際にこれら2都市を訪ねて取材した、オーストラリアのエスニック料理と、移民事情のリポートをお届けします。(順に連載しますので、お待ちください)

●シドニー
~郊外のイラク人街を訪ねて

●メルボルン 1
~ひとつの街の中に"世界"があるコスモポリタン

●メルボルン 2
~最高のワインを訪ねるワイナリー・ツアー

●オーストラリアの移民事情
~世界情勢がそっくり反映された国

 

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