世界中の多様な価値観と文化がミックス
オリンピックの開会式入場順に、毎週、国旗と郷土料理からその国の魅力を知っていく「木曜は国旗弁当の日!」、今週は2016年のオリンピック/ パラリンピック開催国「ブラジル」の国旗弁当です(多少順番を抜かして先回しにしていますがご容赦を(笑)。
ブラジルは、よく知られているように、かつては旧宗主国のポルトガルの南米における唯一かつ最大規模の植民地でした。ですので、公用語は現在もポルトガル語(といっても、本国とは発音や言い回しに多少違いがあるようですが…)。そして、ポルトガルのみならず、アフリカやヨーロッパ、中東、アジアなど世界各地から移住した人々が暮らす多民族国家です。
リオデジャネイロ・オリンピックの開会式では、カラフルな色彩と、躍動的なサンバのリズムが、まさにブラジルそのものという感じで印象的でした。世界中の多様な価値観とさまざまな文化がミックスして花開いた独特の芸術…。それは、ブラジルの食べ物にもいえることです。
国民食は「フェイジョアーダ」
移民の国であるブラジルは、世界各地からの料理が集い、独自に発展した国でもあります。代表格は、豆や豚肉、牛肉(内臓を含む)、ソーセージ(リンギッサ)の煮込み料理「フェイジョアーダ」。ブラジルでは毎週、木曜日は国旗弁当の日ならぬ(笑)、土曜日がフェイジョアーダの日(地域によって違いがあり、サンパウロの一部など水曜日を含む場所も)といわれ、日常的に食べられている国民食のひとつです。フェイジョアーダには、ごはんとファリーニャと呼ばれる炒ったキャッサバの粉、苦みのあるケールの葉の炒め物コウベ、お口直しのオレンジ(ラランジャ)などが付け合わせとして欠かせません。
フェイジョアーダは現在、ブラジル全土のあらゆる階級の人々に愛されている食べ物ですが、土地柄によって違いが見られるよう。おおまかにはポルトガル領時代の首都で、奴隷貿易の中心地だった港湾都市サルヴァドールのある北東部バイーア州は、アフリカから奴隷として連れて来られた人々の文化が色濃く、黒豆と内臓を使ったこってりしたフェイジョアーダを、一方、ヨーロッパ色の強い南部では、内臓肉をほとんど使わない、さらっとしたフェイジョアーダが好まれています。
お弁当でももちろん、このフェイジョアーダはマストアイテム。日本人にはさらっとしたタイプの方が食べやすいと思います。フェイジョアーダは一から作ると結構面倒なのですが、豆の缶詰などを利用すれば、比較的簡単に作れます。
小麦粉の皮の包み揚げ「パステウ」も!
そして、パステウと呼ばれる小麦粉の皮で具を包んで揚げたスナックもぜひ。パステウの起源は、インドのサモサやアラブのサンブーサ、中国の春巻き、イタリアのカルツォーネなど諸説ありますが、国籍不明でどこがルーツでも驚かないのが、ブラジルならでは(笑)。具はチーズやひき肉、ハムなどがポピュラーですが、日系人の町には、豆腐やしいたけ、かまぼこなどを具にしたパステウが売られているとか…。これもまたあまり違和感がないのがブラジルです!市販の春巻きの皮でも代用可能ですので、ぜひいろいろな具でお試しになってみてください。
他には、アマゾンの住民の主食でもある「マンジョカ」(キャッサバ)をゆでたものや、焼肉のシュハスコ(シュラスコ)などを加えて、お弁当いっぱいにブラジルっぽさを表現してみてくださいね。