オリンピック出場・世界206ヶ国・地域の国旗弁当
(2021年7月23日更新)いよいよ東京オリンピック/パラリンピックが開催。世界のさまざまな国の選手が集う開会式の出場国の入場行進は、私にとって毎回ワクワクの連続です。
開会式の入場は、オリンピック発祥地に敬意を表してギリシャを先頭に始まります。東京大会はあいうえお順で各国の入場行進が行われます。
スポーツも食べ物も、言葉や習慣の違いを越えて人々が感動を分かち合える素晴らしさを伝えたいと2012年のロンドン・オリンピックの時から作り始めた「国旗弁当」。2021年には「食文化・郷土料理がわかる世界の国旗弁当」として1冊の本にまとめることができました。
国旗は国家にとって神聖なもの。郷土料理のおかずレシピや食に関するエピソードとともに、国際理解のかけ橋になれたら幸いです。
ギリシャは栄えあるオリンピックの発祥地
オリンピックの開会式では、オリンピックの発祥地であるギリシャが先頭を行進する習わしがあります。古代ギリシャ時代にはオリンピックを世界で初めて開催しただけでなく、数学、哲学、演劇などに秀で、その後はギリシャ正教を国教とする栄えあるビザンチン帝国(東ローマ帝国)を築き上げた、類い稀なる国家でした。
ビザンチン帝国への想い
ギリシャ人のビザンチン帝国への想いといえば、アテネの空港の離発着ボードや、ギリシャの航空会社エーゲ航空の機内誌の地図などに、イスタンブールがいまだにギリシャ語で「コンスタンティノポリス Κωνσταντινούπολη」と表記されていたのを思い出します。
クレタ島では、今も教会にビザンチン帝国の国旗である「双頭の鷲の旗」がはためいていました。クレタ島のギリシャ正教会は、アヤソフィアを追われた後、今もなおイスタンブールに規模を縮小して残る、コンスタンティノポリス総主教庁が管轄しているのです。クレタ島には、ビザンチン時代からあったと思われる古い料理が今も残っていたのが興味深かったです。
おかずはムサカにギリシャヨーグルト、フェタチーズ、そしてオリーブ!
さて、そんなギリシャの国旗弁当には、なすとひき肉の重ね焼きであるムサカや、濃厚なグリーク(ギリシャ)ヨーグルト、フェタチーズのサラダなどのおかずを使いました。主食は、クスクスにちょっと似た、古代ギリシャ時代から東地中海地方でポピュラーな「ひき割り小麦」のブルグルです。
そしてもちろん、ギリシャの特産物であるオリーブの実も!
また、ギリシャ国旗の十字の部分は、まさにキリスト教(ギリシャ正教会)の象徴でもあります。国旗弁当では、軽く素揚げしたナスで青色の十字を表現しました。