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日本における「世界イタリア料理週間2018」 リポート

イタリアの食文化のさらなる普及を目指す1週間

イタリア外務・国際協力省、農業・食糧などの政府機関とイタリア関連の民間企業らが一丸となった第3回世界イタリア料理週間が、11月19日から26日まで日本でも開催されました。

これは、イタリアの食文化のさらなる普及を目的に行われる世界規模のプロジェクトで、今年が第3回目の開催。期間中には、オリーブオイルやバルサミコ酢、チーズ、蜂蜜などのセミナーや写真展など40を越える企画で構成され、ワインとガストロノミーを合わせたイタリアでの美食体験「エノガストロノミー」が多角的に紹介されました。

巨匠シェフ、マルケージ氏を描くドキュメンタリー映画

最終日の26日には、イタリア料理界の巨匠シェフ、グアルティエロ・マルケージ氏を描いたドキュメンタリー映画「グアルティエロ・マルケージ・グレート・イタリアン(イタリア語題”La Grande Cucina Italiana”)」が、イタリア文化会館にて一日限りで上映。その後「ブルガリ イル リストランテ ルカ ファンティン」で行われた打ち上げ会では、農林食糧政策および観光省、ロンバルディア州などの後援により、「金箔とサフランのリゾット」(上写真)をはじめとするマルケージ氏の定番料理の数々が実際に参列者に振る舞われました。


↑打ち上げ会の冒頭では、ジョルジョ・スタラーチェ駐日イタリア大使がマルケージ氏の料理を「アートから素材までイタリアのすべてが凝縮されている」と紹介。


↑”魚介のしずく” ポラックに捧ぐ


↑キャビアとアサツキのスパゲッティ・サラダ


↑”赤と黒”フォンターナに捧ぐ


↑グアルティエロ・マルケージの牛フィレ肉ロッシーニ風

2017年12月に87歳で惜しくも世を去ったマルケージ氏は、マンマの味に代表される素朴なイメージだった伝統的イタリア料理に変革をもたらし、モダンな「ヌオーヴァ・クチーナ・イタリアーナ」(新イタリア料理)の礎を築いた人物。1970年代にミラノにレストランをオープンし、1985年にイタリアで初めてミシュラン3つ星を獲得するなど、イタリア料理を世界レベルに押し上げる功績を残しました

マルケージ氏は、ヌーベル・キュイジーヌの生みの親であるフランス料理界の重鎮ポール・ボキューズをして、「もしイタリアのシェフたちが自分たちの国の食材のすばらしさに気づいたら、フランス料理界は凋落を迎えるだろう」といわしめるきっかけとなったシェフとしても知られています。また、日本料理へのリスペクトを持ち、日本の料理関係者との交流とともに、多くの若いシェフを育てた方でもありました。

今年の世界イタリア料理週間は、マルケージ氏に捧げる1年にしようという思いが込められ、彼の功績を称えることで有終の美を飾ったというわけです。

映画では、ミラノやヴェネツィア、トリエステ、フィレンツェといったマルケージ氏ゆかりの地をたどり、ご本人とイタリアやフランス、そして日本人の関係者の証言を交えながら、彼の料理哲学、人物像を描きます。

マルケージ氏は単なる料理人と呼ばれることを好まず、「食べることは文化的なことであり、歴史、時代、伝統から切り離すことができない」と考える知識人でもありました。特に夫人が音楽家であり、マルケージ財団を率いるご子息たちも同様に音楽家であることから、音楽との関わりにも触れている点が興味深いところでした。

この映画は、ワールドツアーとして米国シカゴを皮切りに、ニューヨーク、香港、北京、今回の東京のあと、パリ、ロンドン、ベルリン、モスクワをめぐり、マルケージ氏の89歳の誕生日にあたる2019年3月19日にミラノでフィナーレを飾る予定とのことです。

日本人にとって共感を覚えるイタリアの食文化

今年で3回を迎える世界イタリア料理週間は、功労者のマルケージ氏を称える目的も重なり、日本でもスタラーチェ大使のもと、昨年以上の並々ならぬ熱意を感じました。

地方色が豊かであり、生産者がこだわりを持って作り上げる伝統食品の宝庫であるイタリアの食文化は、日本人にとっても共感を覚えるはず。

これからも、両国の相互の食の交流がますます盛んになることを期待しています。

Yurico AOKI
青木 ゆり子

e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、料理&旅行コラムニスト、「世界の料理レシピ・ミュージアム・ライブラリー」館長、内閣府認定 公益社団法人 全日本司厨士協会会員、世界司厨士協会連盟会員。

雑誌記者、企業のWEBディレクターを経て2000年にサイト世界の料理 総合情報サイトe-food.jpを創設。以後、執筆、講師、レシピ開発、在日大使館や大使公邸でのシェフなどとして、おいしい食べもので日本と世界を相互につなぐ社会貢献を目指して活動。

著作:「しらべよう!世界の料理」全7巻(ポプラ社 2017)
「日本の洋食 ~洋食から紐解く日本の歴史と文化」(ミネルヴァ書房 2018)

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