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ノルウェー王国大使館「ノルウェーシーフード ディナー・パーティー」

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ノルウェー産サーモン、トラウト、サバを堪能

11月13日、ぐるなび「ippin」で執筆されている、各方面で食の専門家としてご活躍のキュレーターの方々と一緒に、南麻布のノルウェー大使公邸で行われた晩餐会「ノルウェーシーフード ディナー・パーティー」に参加させていただきました。

ノルウェーは、水産物輸出国としては中国に次ぐ世界第2位の規模を誇る、漁業先進国。日本にもサーモンやサーモントラウト、サバ、ししゃもなどが多く輸入されています。

この夜は、ホストであるアーリン・リーメスタ大使と、ノルウェー水産物審議会のディレクターであるヘンリック・アンデルセン氏による丁重なお出迎えを受け、冷たく澄んだノルウェーのフィヨルドの海が育んだ、一度も冷凍されずに届いたノルウェーの生サーモンをはじめ、サーモントラウト、今が旬の脂の乗り切ったノルウェーのサバを、ノルウェー出身の新進気鋭のシェフで、ニュー・ノルディック・キュイジーヌ(新北欧料理)の旗手として海外のレストランで活躍するマーカス・デュッパさんが調理してくださいました。

マーカス・シェフのイマジネーションによる新しい感覚の料理はもちろん、ノルウェーで昔から食べられているシンプルなバターソースSandefjord Sauce (Sandefjord Smør)を使った、上写真の「トラウト“クラシックスタイル”サンネフヨルソース、ピクルス添え」など、古典的な郷土料理も味わえて勉強にもなり、大変有意義なひとときでした。

そして、それぞれのお料理に合わせたフランス、ドイツのワインも、また格別!(残念ながら寒冷地のため、ノルウェーではワインがほとんど生産されていません)。

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↑前菜の「サーモンカルパッチョ ホースラディッシュとイクラ、ハーブを添えて」。ノルウェーから直接、空輸された生のアトランティック・サーモンのほどよい脂身と、繊細な噛みごたえが、忘れがたい印象を残す。日本では北海道の石狩などがサケの産地として有名だが、ノルウェーとは種類の違うシロザケが主で、また寄生虫の心配があるため生食はされなかった。寿司のネタとして生サーモンが世界的にポピュラーになったのは、ノルウェーが1986年に始めた対日本向けの海産物の輸出促進活動がきっかけだったという。

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↑先のクラシック・スタイルに対して、こちらは同じトラウトを使った新しいスタイルの「トラウト“ニュースタイル”ディル コリアンダー、西洋トネリコ風味」。トラウトの絶妙な火入れ。魚の最良の調理手法は、シーフードの国のシェフならでは。トッピングの焦がして灰にしたリークのクリスピーさが、さらに食欲をそそる。

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↑「サバのポテト添え サワークリーム、オニオンピクルスとともに」。こちらもサバの火入れが絶妙。日本産のサバの脂質が20~25%なのに対して、国土の3分の1が北極圏に位置する寒いノルウェーのサバは脂質が35%と、脂が乗ってジューシーなのが特徴的。特に秋から冬が旬。ちなみにノルウェーから冷凍輸入されたサバは、鳥取県で塩水処理などの加工をされているそう。主食のポテトと、サワークリーム、オニオンピクルスのデコレーションが何ともかわいらしく、おしゃれ。

じゃがいもの蒸留酒アクアビット
↑じゃがいもの蒸留酒アクアビット。41.5度もあるこちらリニア(LINIE=”赤道”の意味)は、シェリー樽に入れたアクアビットをノルウェーからインドネシアまで船で赤道越えして再び戻ってきたものが、熟成されてほのかな香りと琥珀色がついたという偶然の産物で、今でも、同じ手法により赤道越えして製造されている。海洋国ノルウェーならではのご自慢の一品。

日本人の建築家・吉村順三氏による、自然に調和し、木のぬくもりを感じる北欧らしくもあり、どこか和風でもある公邸のダイニングルーム。
↑まだ日本に赴任されたばかりという、ホストのリーメスタ大使。ちょっとしたおもてなしも、心に染み入る。日本人の建築家・吉村順三氏による、自然に調和し木のぬくもりに満ちた公邸のダイニングルームは、北欧らしくある一方でどこか和を感じる、とても居心地のいい空間。

スカンジナビア半島の入り組んだフィヨルドの海岸沿いに細長く連なり、日本と同じくらいの国土面積に500万人強の人口を擁するノルウェー。中世のころは疫病などの影響で人口もさらに少なく、国力も弱かったといいます。そのため、長らくデンマークやスウェーデンの属国となったり、冷涼で山がちのやせた土地が多いため(そのため、寒冷地でもよく育つじゃがいもが主食とされてきた)、バイキングとして海に出て行くか、新大陸に移住するしかなかったという不遇の歴史を送ってきました。

しかし1969年に巨大な北海油田が発見され、石油や天然ガスの資源開発が進んだ現在は、2013年の一人当たりの名目GDP(国内総生産)ランキングが世界2位、資産保有額も世界トップクラスという経済的に恵まれた国に。資源も資金も豊富なため、EUにも加盟していません。

「生活が豊かになった民族が最初に切り捨てる産業が、水産や海運」などともいわれますが、ノルウェーは、限りある石油資源を未来に残すためにも、バイキングの時代から1000年も続く海洋国としての伝統を、今もしっかりと守っています。

サバやサーモンのほか、15世紀中ばからの大航海時代にスペイン、ポルトガルの海の男たちにとって重要な保存食でもあった干しダラ(バカリャウ)のタラもノルウェー産でした。港湾都市ベルゲンに移住したドイツ系のハンザ商人が干しダラの輸出を独占して繁栄し、そのドイツ人居留地ブリッゲンは1979年に世界遺産に登録され、当地では今も干しダラが特産品になっています。

ちなみにノルウェーは、アイスランドとともに欧米では数少ない捕鯨文化の歴史を持つ国でもあります。海の恵みに育まれ、魚を愛してきた日本人にとっては、とても親近感を覚える国ですね。漁業関係者の所得も高く、また幼魚は逃がすなど資源保存に努めているそうで、これは日本の漁業でも大いに学びたいところ。

ノルウェー産の海産物を見かけたら、そんな両国の共通点をちょっと思い出してみると、そのすぐれた品質以上に、食べる愉しみが湧くはずです。

Yurico AOKI
青木 ゆり子

e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、料理&旅行コラムニスト、「世界の料理レシピ・ミュージアム・ライブラリー」館長、内閣府認定 公益社団法人 全日本司厨士協会会員、世界司厨士協会連盟会員。

雑誌記者、企業のWEBディレクターを経て2000年にサイト世界の料理 総合情報サイトe-food.jpを創設。以後、執筆、講師、レシピ開発、在日大使館や大使公邸でのシェフなどを通し、国内外の郷土料理に秘められた魅力を広め、おいしい食べもので日本と世界を相互につなぐ社会貢献を目指して活動。

著作:「しらべよう!世界の料理」全7巻(図書館選定図書 ポプラ社 2017)
「日本の洋食 ~洋食から紐解く日本の歴史と文化」(ミネルヴァ書房 2018)

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