ミラノ万博リポート5 【実用的な情報まとめ】

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ミラノ万博へ行かれる方、行ってみたい方への実用情報

さて、これまでミラノ万博の現地でのリポートをつづってきましたが、最後にミラノ万博へこれから行かれる予定の方、また行ってみたいと思っている方のために、実用的な情報をまとめてみました。

「食」がテーマのミラノ万博の開催期間は、10月31日までです。※1ユーロ=140円前後(2015年6月現在)

1.ミラノ万博にいつ行くか

ミラノ万博に行く時期について。食べることに興味のある方なら、理想は、夏の暑さが和らいできて、イタリアの秋の味覚であるポルチーニ茸やトリュフなどが味わえる9月以降がベストです。

しかし、同じことを考えている人はたくさんいるはずで、また万博開催の終盤を迎えて、混雑が予想されます。この時期に行くなら、せめて平日を狙った方がよいと思います。

2.ツアーに参加するか、個人で行くか

私自身は、自分でプランを立ててローマに寄り道したり、イタリアの鉄道に乗ったりする、わがまま気ままな「ほぼ弾丸ツアー」だったため、今回も航空券やホテルは自力で手配しました。

しかしミラノ万博の会場には、日本語版のマップが用意されていませんし、また日本人観光客も意外と少ないため、語学が苦手だったり、海外旅行に慣れていないと心細い思いをするかもしれません。

ですので、ミラノ万博が唯一の目的で、英語やイタリア語に自信のない方、普段あまり海外旅行をされない方は、値段が高くついても、航空券のほか、ホテルや送迎、ミラノ万博のチケットなどがセットされたパッケージ・ツアーを旅行代理店で手配した方が安心で、ラクだと思います。

「ミラノ万博 ツアー」などでネット検索すると、取扱いをしている旅行代理店が調べられます。ツアー価格は時期等にもよりますが、18万円くらいから見つけられました。

3.ミラノへの行き方

個人、ツアー旅行ともまず気になるのは、長い時間を搭乗することになるミラノ行きのフライトについて。日本からミラノへの直行便は運行していないので、乗り継ぎの経由便を使うことになります。

航空券比較サイトのスカイスキャナーなどで調べると、価格の安さ(燃油サーチャージ等込み)で真っ先に表示されるのは、アエロフロート航空(モスクワ乗り換え)や、カタール航空(ドーハ乗り換え)、エミレーツ航空(ドバイ乗り換え)、エティハド航空(アブダビ乗り換え)など。次いでアリタリア、ブリティッシュエア、KLMオランダ、エールフランスなどのヨーロッパ系、そしてJAL、ANAの日系航空会社(他航空会社とのコードシェア便を含む)が出てきます。

昔ながらのヨーロッパ系や日系の航空会社の方が安心な気もしますが、最近は、中東の航空会社の評価も赤丸急上昇中です。

私は今回は、JALと同じワンワールドの加盟航空会社で、サービスやコストパフォーマンスのよさが評判のカタール航空を利用しました。

西回りで搭乗時間は長いのですが、羽田を仕事帰りでも十分に間に合う深夜に出発し、ドーハの乗り換え時間が2時間程度、イタリアへの到着が午後早め、また帰りは、現地を夜に出発し、羽田に夜に到着するので、社会人にとってはまるまる時間を有効に使えるのがメリット。まさに、弾丸ツアーに打ってつけのフライトともいえそうです(笑)。

で、利用した結果、日系航空会社のホスピタリティにも似た、にこやか、かつきびきびとしたスタッフのおかげで、なかなか快適な空の旅になりました。おまけにエコノミークラスでもシャンパンが飲めたり等それなりの高級感があって、エンタティメントのプログラムもそこそこ充実。寝ていたり、映画を見ていたら、飛行時間の長さはあまり気になりませんでした。

またドーハで途中寄港した際には、昨年できたばかりの真新しいハマド国際空港で中東スナックを食べ歩いて気分転換できましたし…。

デメリットは、羽田着が深夜に近い遅い時間なので、帰りが終電ギリギリになること、でしょうか。しかしカタール航空は成田からも就航していて、こちらは帰りの成田到着が少し早いので、成田便を利用すれば、終電をあせる心配はなさそうです。

4.ミラノのホテルについて

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ツアーではなく個人で行き、自分でホテルを手配しようと考えておられる方のための、ミラノのホテル予約指南です。

イタリア第2の都市であるミラノは、もともとホテルの価格が高め。しかも万博の開催期間中、特に夏休みは、混雑を見込んでホテル側も強気のようで、大したことのないホテルでも、ちょっとびっくりするような値段がつけられていました。

ミラノ中央駅付近の狭くて古い最低の安宿が7~8000円などというのは、ため息が出てしまいます…。

そこで、ミラノでなるべくコスパのいいホテルを手配できないかと考えた末、行きついたのが、最近流行りのAirbnb(エアビーアンドビー)の利用でした。個人宅の空き部屋を旅行者に提供、というキャッチフレーズで日本でも展開されているシステムです。

たださすがに、見も知らない外国の方の家庭に、いきなり泊まるのは気が引ける…。しかしAirbnbをよく探すと、実は会社組織のベッド・アンド・ブレックファースト(民宿)が含まれていて、ミラノにもそんな業者経営の宿泊施設がありました。今回はそこを狙って宿泊を予約。

先方の担当者も万博目的でミラノを訪れる外国人観光客に慣れており、結果、1泊5000円程度の納得価格で、安全かつ新しく清潔で広々としたホテルライクな個室に、とても快適にステイすることができました。簡単な朝食付きで、エスプレッソも無料で飲み放題です。

宿泊料はクレジットカード決済になりますが、実際に宿泊するまでは引き落としされないし、レビュー欄もあるので、先方もビジネスとしてきちんと対応してくださり、安心でした。このあたりは、よくできたシステムだと思います。


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 必要あらばクーポンを利用なさってみてください。


難点は、通常のホテルと違って、宿泊先を訪ねる前に担当者に連絡する手間がかかること。そのため、少なくとも簡単な英語が話せて担当者と連絡を取り合えるというのが、最低限必要になります。

ホテルの場所については、私は今回は「ミラノ万博ほぼ弾丸ツアー」だったため(笑)、時間の関係で万博会場の近くに宿を取りました。しかし万博だけでなくミラノを観光したい方は、もっと中心地に泊まるなど、選択肢が広げられると思います。

ミラノに行くのが初めてだったり、いい旅の思い出を作りたい方は、いっそ、せめて1泊だけでも奮発して、ホテル・プリンチペ・ディ・サヴォイアのような由緒正しい5つ星のグランドホテルに宿泊することをおすすめしたいです。

前回渡航時は同ホテルに宿泊したのですが、ヨーロッパの老舗クラシックホテルの格調高い雰囲気が忘れがたく、日本では決してできないすばらしい体験になりました。

5.ミラノ万博のチケット

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ミラノ万博のチケットは、クレジットカード決済によりネットで個人購入(イタリア語、英語表記のみ)することができます。オープン券と日付指定券があり、後者の方が値段はお安いです。

日付指定の1日券は大人1人39ユーロ、2日券は57ユーロ。19時から万博の閉館時間の23時までいられる、5ユーロの安いナイトチケットも販売されています。ただし、これは地元の方には好評のようですが、日本から来て、日本館を観るなら(日本館の閉館が20時なので)、1日券や2日券を買った方がいいと思います。

他に家族、シニア割引券などもあります。

ネットで購入したチケットは、メールで送られてくるpdfデータを自分でプリントアウトして会場に持参する必要があるため、本当に使えるのかどうか不安になるのですが、問題なくちゃんと入場できました。

万博会場は入場制限があるということで、今回は念のため事前にネットで購入していったのですが、ロー・フィエラ駅構内には万博の専用チケット売り場が設けられていて、こちらで直接購入することもできます。

5.万博会場でのアドバイス、諸注意など

万博会場でのアドバイス、諸注意などを以下、箇条書きにしておきますので、参考になさってください。

【荷物預かり】

万博会場の中にも、最寄りのロー・フィエラ駅にも、日本のようなコインロッカーがありません。

周辺にある荷物預かり所は、ロー・フィエラ駅の、万博会場と反対側の出口(ロー・フィエラ展示会場方面。かなり歩きます)の、地上に上がる階段付近にある1か所だけ。しかも、18時30分には閉鎖してしまうので要注意です。

荷物の預かり料は1日4ユーロでした。

なお、万博会場は入場したあとに、一度退場すると、同じチケットで再入場ができません。ですので、最初からなるべく身軽な格好で会場に出かけることを強くおすすめします。

【飲料水】

暑くて乾燥した夏場のイタリアは、日本にいるとき以上にすぐにのどが渇くので、飲料水のペットボトル持参が不可欠です。

万博の会場内には、目立たないところに無料の飲料水の給水所があり、冷たくておいしい水が汲めるので、これを利用しない手はありません。

そしてイタリアらしく、何と水道なのに、ガスなし、ガス入りどちらかの水が選べます!

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↑ガスなし飲料水のマーク

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↑ガス入り飲料水のマーク

無料の給水所は、私の見た限り、アイルランド館、中国館、フランス館の裏手にありました。鉄道駅から入場すると、もっとも手前にあるのは、アイルランド館です。

また、水を汲むためのペットボトルは、日本から空のペットボトルを持参するか、地元のスーパーマーケット(水が安い)でペットボトルを1本事前に購入しておいて、それを飲み終わってから給水することをおすすめします。

万博会場内の物価は、ユーロ高に加えてとにかく高いので、ペットボトルの水1本の値段もばかになりません。無駄なお金はなるべく使いませぬよう。

【万博見学の所要時間】

私は今回は、2日券を購入して万博を見学しました。テーマを定めて140ヶ国以上のパビリオンを写真を撮影したり、スタッフに取材したりしながらだいたい巡りましたが、2日間ではちょっと慌ただしく、それでいっぱいいっぱいでした。

3日間あればもっと余裕を持って回れたと思います。逆に、1日で行かれる場合は、訪問ポイントをかなり絞る必要がありそうです。

ここでもう一度、ミラノ万博の会場の見取り図をおさらいしておきましょう。

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↑クリックすると拡大地図のリンク先に飛びます。

パビリオンが林立する、東西南北に走る会場のメインストリートを歩くのはとても楽しいのですが、長い東西のストリートは、何と2kmもあります。体力に自信のない方、時間に余裕のない方は、会場周辺を走る無料のシャトルバスを有効利用しましょう。

また、食事は、行き当たりばったりよりも、事前にある程度決めておいた方が、時間のロスが減るはずです。ちゃんとした食事をするパビリオンだけ決めておいて、あとは、おいしそうだと思ったスナック類を見つけては食べ歩きするのも魅力的かと。

もちろん、1人よりも複数で出かけた方が、いろいろな食べ物を分けられて面白さも倍増すると思います。

また、会場内では、先々のためときどき休息を取ることもお忘れなく。随所で売られているおいしいジェラートを食べると、疲れも和らぎますよ(笑)。

【ミラノの治安など】

万博開催中ということもあり、ミラノ市内は深夜にも警官が多く出動していて、治安はよいようでした。

とはいっても、スリや置き引きの多いイタリアで油断は禁物。万博会場もきわめて安全な印象でしたが、不特定多数の人が出入りする場所ですので、念のため盗難等にはくれぐれも気を付けましょう。

また女性の方へ、余計なことかもしれませんが(笑)、イタリア男性の女性へのナンパは挨拶みたいなものと心すべし。

ミラノはローマほどあけっぴろげな印象がないのですが、いちいちかかずらっていたらキリがないので、「また明日ね(A domani)、チャオ」で切り抜けましょう。


ミラノ万博は、クールジャパンの推進から、日本では日本館の話題ばかり報道されがちですが、美食の国イタリアに、世界中から食を愛する人々が集う一大イベントは、まさに圧巻です。機会がありましたら、ぜひ現地に行かれてみてください。


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